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タイムトラベルの旅

「過去は変えることができる!」
1985年に大ヒットした人気映画「バック・トウ・ザ・フューチャー」(スティーブン・スピルバーグ製作総指揮、ロバート・ゼメキス監督)を久しぶりに観た。アメリカ・カリフォルニア州に住むロック好きのマーティ(マイケル・J・フォックス)と科学者のドク(クリストファー・ロイド)がショッピングモールの駐車場で、スポーツタイプの乗用車、デロリアンを改造して、タイムマシンを完成させたのがきっかけで、さまざまな時代のタイムトラベルの旅に出ることになる。


「為せば成る!」主人公のマーティ・マックフライの父・ジョージが、母・ロレインに愛の告白をする1955年にタイムマシンのデロリアンでタイムスリップしたときに、マーティが弱気の父ジョージに励ました言葉である。当時、ジョン・F・ケネディアメリカ大統領が最も尊敬する日本人として、米沢藩を再興した上杉鷹山をあげていた話は有名です。戦国武将の上杉謙信の子孫の鷹山の名言を「バック・トウ・ザ・フューチャー」で言っていたのは、映画館で初めて観たときには気づかなかった。アメリカでも流行していた名言であったに違いない。そういえば電卓よりそろばんを使うことが多かった筆者の小学生の頃、珠算教室の先生が授業の前に、「なせば成る 成さねばならぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり!」のことわざをみんなで唱和してから授業が始まったのを思い出す。きっと塾の先生も上杉鷹山のフアンだったのだと推察する。


閑話休題。「バック・トウ・ザ・フューチャー」のドクの愛犬の名前がアインシュタインというのも面白い!アインシュタインと言えば、相対性理論を提唱した20世紀最大の物理学者であり、ドクのようにタイムマシンを開発しても不思議ではないが、1955年4月18日没(享年76才)と同じ年にタイムスリップするというのも意味深である。
「自分の若いころは、もっとおしとやかで控えめな女性だったのに、娘のあなたはどうしてそんなになってしまったのかしら?」と言っていた母のロレインは、1955年にタイムスリップをしたとき、自分の息子と知らず、一目ぼれしてしまったマーティに積極的に迫っていたのが笑えた。衝撃的な運命のふたりの出会いだったと語るクルマでの事故は、後に父になるジョージが木に登って双眼鏡で女性の着替えている姿を覗いて、落ちたことが原因だった。随所でコメディ映画のように笑える場面も多かった。
ロレインが一目ぼれしたマーティに「キスをしても、なにもときめかないのはどうして?」と言っているのも親子なのだから当たり前だと思わず納得してしまう。
パート1で、両親が無事に結婚してハッピーエンドになりましたが、パート2では、主人公のマーティの子孫が、不祥事を起こして逮捕されてしまったり、大怪我をして会社をリストラされたりと悲惨な運命になってしまう状況を変えるために、ドクと共に30年後の未来に行くことになった。未来と言っても、1985年の設定なので2015年。その5年後の2020年の現在でも、空飛ぶ自動車はまだ普及していないが、Zoomのように映像で会話している場面は、すでに現実となっています。老人になったビフが、青年時代の自分に未来のスポーツ年鑑を渡して、大富豪となりカジノタワーを建て、ビフ王国になっていてた場面は、トランプ大統領のパロディにも思えた。(「お前はクビだ!」というセリフは、アメリカの人気テレビ番組で、実際に流行語になっていたらしい。)
タイムトラベルをして歴史を塗り替えようとしても、天地の法則で実話に戻そうという目に見えない大きな力が働いてしまいます。本当にタイムマシンが実在して別の時代にタイムスリップしたら、そうなるのかもしれないというリアル感があった。
もしタイムマシンがあれば、核兵器が開発される前にタイムスリップして、核の製造を阻止したいものである。核の脅威がなければ、軍事費も必要なくなるので、世の中に役立つ技術開発や福祉がもっと充実していたに違いない。今ある現実も自分の力で変えることができる。そう信じて生きていくとこの映画のように、新しい未来が創られていくかもしれない!

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