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陽だまりの彼女と猫の願い

「もうじき、その記憶も消えてなくなってしまう!」
映画「陽だまりの彼女」(2013年、三木孝浩監督)を観た。
広告代理店の営業マンである奥田浩介(松本潤)は、新規クライアントのランジェリー会社「ララ・オロール」で、鎌ヶ谷西中学校時代の同級生・渡来真緒(上野樹理)と再会する。
中学時代の渡来真緒は、クラスでいつもイジメられていた劣等生。あるときクラスメイトの潮田に髪の毛にマーガリンを塗る嫌がらせを受けていた真緒を奥田浩介はかばって、潮田の顔にマーガリンを塗り返し、「奥田はキレると何をするかわからない奴だ。」とクラスの仲間から遠ざけられてしまった。そんな14歳の秋、ふたりはすっかり意気投合して、銀杏公園でファーストキスをした。そんなふたりも浩介は引っ越すことになり、社会人になるまで会うことはなかった。再会したときの真緒は、仕事が抜群にできる美人オフィスレディに変貌していた。真緒の父親・幸三(塩見三省)は14歳以前の記憶のない女の子を里子として引き取ったと告白して、真緒との結婚を反対したが、母親・真由子(木内みどり)は暖かく見守っていた。ふたりはやがて結婚するが、彼女には決して他人には明かせない秘密があった。


渡来真緒は「私の寿命もそろそろおしまいなの」という言葉を残して、どこかに姿を消してしまう。それから真緒の両親や働いていた「ララ・オロール」を訪ねても、「そんな人は、存在しない!」と言われてしまう。そんなとき、浩介は一週間ほど雑種の仔猫を飼っていて、いなくなってしまったことを思い出す。振り返ると一匹の仔猫が浩介にすり寄ってきて、その首には浩介が真緒にプレゼントした指輪が下がっていたという話である。
この物語を観ると、すぐに思い浮かべるのが、「100万回生きたねこ」(佐野洋子作)である。王様、船乗り、泥棒など、さまざまな主人にかわいがられても、悲しくならなかった猫は、最後に愛する者を失って涙を流す物語です。


怒涛のシリーズ累計6000万部突破の「鬼滅の刃」(吾峠呼世晴著作)も、主人公の竈門炭治郎や禰豆子、善逸、伊之助、富岡義勇らの登場人物の生まれ変わりのように、少年ジャンプの完結編で子孫が描かれています。

一生懸命に生きていると、その願いは後世に受け継がれてゆくのでしょうか?続編をぜひ観たいと思ってやみません。(敬称略)


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