映画_カイジ

人生の勝負で大切なことは、カイジが教えてくれる!


ざわ、ざわ、ざわ、ざわ・・・。みんなが無力感を抱えている時代に、「生きたいように生きるか?」「死んだように生きるか?」
紀伊國屋書店で、カイジ(原作・福本伸行)の解読書を手に取り、気になったので買ってみた。
洋服や雑貨など、余分に買わなくていいものが多い中で、本に関しては何倍もの費用対効果が得られることが多いので、いい本があればなるべく買って読むようにしている。

カイジ「命より重い!お金の話」「勝つべくして勝つ!働き方の話」「どん底からはいあがる!生き方の話」(小暮太一著)3部作ともタイトルが印象的なので中身がどうしても気になって読んでみた。
漫画「カイジ」とは、自堕落な日々を過ごす主人公、伊藤開司からきている。そのカイジが、多額の借金を抱えたことでギャンブルの世界にのめりこんでいくという人気漫画で、多才な俳優が出演して映画にもなった。命がけのギャンブルの勝負の中でのメンタルは、人間の思考の限界の挑戦の連続である。逆境の中での人間心理が巧みに描かれていて、ギャンブルのスリルと怖さの一端が体験できる。人間は追い込まれたときに、真価が問われる。目を通すと説得力のある言葉が多い。

「今日を頑張り始めた者にのみ、明日が来るんだよ!」「奇跡なんて望むな!勝つことは、具体的な勝算の彼方にある。勝つべくして勝つ!」「勝ったらいいなじゃない、人生は勝たなきゃダメなんだ!」「ピンチやトラブルの時が本当の正念場だ」帝愛グループのNO2、利根川幸雄の言葉には、資本主義社会の日本では大切な心構えである。
普通の人生よりも、さらに高みを目指すには、時にはギャンブルのような決断も必要なのかもしれない。


この本で印象的なところは、日本人は社会が多様化してきたとはいえ、人間関係においては同質であることが好まれているのに対し、経済環境においては、人と違うことが求められるという点である。人と同じでなければ妬まれ、同じ場所にいることを強制される。それに対し、経済では異質であることが求められ、同じ商品を出しても選んでもらえず、人と同じ発想では、評価されない時代になっている。確かに人が何をしているか常に気になり、誰が出世しただの、自分と人を比べてしまう。しかし人生の価値を追求していくとしたら、生き方がみんなと同じ金太郎飴になってしまったら、その人にしかない個性が死んでしまう。せっかく生まれてきたのだから、「世界にひとつだけの花」でありたいものである。



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