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スマートウォッチ全盛の時代にあえて無骨なG-SHOCKを買ってみる

ふと、G-SHOCKを購入してみた。
型番はGW-5000U-1JF。1983年4月に発売された初代モデル「DW-5000C」を踏襲した、極めてオーソドックスなソーラー電波腕時計だ。

正直、自分でお金を出してG-SHOCKを買うのはほとんどはじめてのことなので、特別なこだわりがあるわけでもなければ、機能的なこともよくわからない。

スクリューバック(気密性の高い裏蓋)という言葉もはじめて聞いたし、世界6局の標準電波を受信するマルチバンド6を搭載しているといわれたって、自宅から半径1㎞以内で仕事も生活も完結しているボクには何にも響かない。

Apple WatchやPixel Watchとたいして値段は変わらないし、なんならG-SHOCKが誇るスマートウォッチG-SQUADシリーズの最新モデル「DW-H5600-1JR」より定価で2,200円も高い。

スマートフォンとの連携から心拍やトレーニング、睡眠の記録・分析までできるスマートウォッチと比べれば、お世辞にもコスパがいいとは言えない1本。

じゃあGW-5000U-1JFの何がそんなにいいのか……?

ズバリ、カッコいい。

このひと言に尽きる。
だって、一目惚れしちゃったんだもの。

黒の色味がたまらない

「白って200色あんねん」とはモデルのアンミカさんの名言だけど、アンミカさんによれば黒は300色もあるらしい。

300色の黒の中でどれが好きかと言われても全然わからないけれど、少なくともボクは、GW-5000U-1JFの黒がたまらなく好きだ。

店頭で何本か試着をさせてもらった中で、この黒の色味が、GW-5000U-1JFをえらんだ決めてのひとつになった。

メタルケースのモノクロでシックなデザインも含めて、上品で主張が強すぎないマットな黒に、すっかり惚れ込んでしまった。

ビビットなカラーの派手なG-SHOCKもまた魅力的なのだけれど、はじめての1本だし、長く付き合っていくならスーツにもカジュアルにもあわせやすい無骨な黒に限る。

メイドインジャパンの高揚感

多くのG-SHOCKが中国やタイなどの海外工場で製造される中、一部の高級モデルは国内で造られている。

1本20万~30万円するようなハイエンド製品まで手掛けるのが、山形にあるカシオ国内唯一の時計工場だ。

そして今回手にしたGW-5000U-1JFも、山形工場で製造された純日本製モデル。

重厚感のあるスクリューバックの裏蓋には、しっかりとMADE IN JAPANの文字が刻まれている。

別に日本の方が海外より技術が優れているとか、そんな話をしたいわけじゃない。

でも誇らしいじゃない。
何でもかんでも安い労働力に頼って海外で生産される希薄な時代だからこそ、故郷のぬくもりを感じられることが誇らしい。

GW-5000U-1JFは、国産G-SHOCKの中では一番廉価なモデルのひとつだ。

この価格で、メイドインジャパンの高揚感を味わえる幸せ。

そういう意味では、コスパのいい一本と言えるのかもしれない。

時計はデジタル派

これは完全に個人的な好みの問題なのだけれど、時計はデジタル派。
いつからだろう?意識していたわけじゃないけど、気づいたら部屋にある時計はすべてデジタルになっていた。

GW-5000U-1JFを買うまでずっとつけていたのも、デジタルのチープカシオ(チプカシ)。

きっと時間にルーズな性格が影響しているのかもしれない。

理想の相手に自分の無いものを求める恋愛心理のようなもので、自分がルーズだからこそ、アナログ時計のアバウトさを許容できない。
「せめて時計だけはきっちりしっかり時間を守ってくれ」という心の叫びが聞こえてくるようだ。

余談だけど、店頭で時計を包んでもらっているときに目に留まった、フルメタルのG-SHOCKも抜群にカッコよかった。

GW-5000U-1JFの2倍以上の8万円超のモデルにはさすがに手が出なかったけれど、年収があと2ケタくらいアップしたらきっと……。

ちなみにフルメタルのゴールドモデルは有吉弘行さんも愛用しているらしい。
金ピカの腕時計が似合う男って憧れるなあ。

腕時計とは心の甲冑である

時間を確認するだけなら、スマートフォンがあれば十分だし、あえてスマートウォッチではなく、ただ時間がわかるだけの腕時計に何万円も出す意味があるのか?

ボクにとって腕時計は、自分の心を守ってくれる甲冑(かっちゅう)のようなものだ。

大好きな腕時計を身につけることで、日々のストレスやプレッシャーから、心身を守ってくれる。

失敗を恐れる恐怖心を拭い、強気に押し出していく自分を後押ししてくれる。

虎の威を借る狐ってやつだ。

そういえば昔、営業マンだったころにも、1本10万円以上する時計を腕に巻いて、契約を取るために自分を奮い立たせていたことがあったっけ。

もちろん裸一貫で闘えるほうがカッコいい。

数百万、数千万のブランド品でいくら身を固めても、ガンジーやマザーテレサの人間力の前では無力だ。

とはいえ、みんながみんな強い心を持っているわけじゃない。

ブランド品ひとつで心の平穏が保たれるなら安いモノじゃないか。

いわゆる「いい人」ほど、遠慮をして相手に押し出されて、自分の人生を窮屈なものにしてしまう。
たった一度の人生を後悔なく生きるためには、選りすぐりの武器や防具をそろえてズンズン押し出していかなくちゃいけない。

5年、10年と共に時を歩みたい最高の相棒に出会えたことに感謝。

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