【2023.09.01】スクーターの少女の小さな背中と靴の底

今日は9月1日。
行きつけのシネコンに赴く。
ここでは、毎月1日はサービスデーだ。
会員なら一律1100円で鑑賞できて、とってもお得だ。
もっとも、IMAXや4DXでは、差額を払う必要はあるのだが。

8時半には到着し、ホーンテッドマンションを見た。
安心感のあるつくりで、程よくハラハラし、程よくワクワクする、優等生映画だったと思う。
でも、やはり最近無理やりにでも黒人をキャスティングしているのではないかと、
そう思ってしまって少しだけ、ほんの少しだけモヤッとしてしまった。
勘違いしないでほしいのが、差別主義者でなければ、ルッキズム信者でもない。
だいいち、見た目においては、
自信のじの字の濁点すらもてた試しがないのにだ。
人の見た目にケチをつけてどうするというのだ。
だからこそ、、なのかもしれないけれど。
なににせよ、極端なのはよくないよねって話☆

その後、お金もないと言うのに(正確には、働き口を数日後に失うと言うのに、なのだが)、
ポポラマーマの生パスタとそれに絡むソースにコーヒーで心も身も満たしたくなった。

我慢せねば、自分なんぞは、と思いつつも、脳より正直なのが、私のどうしようもない出来損ないの心だ。
スクリーンを出て、向かう足は、映画館横の行きつけの松屋。
ではなく、ポポラマーマだった。
(恐らく)水出しのアイスティーに、ガーリックトーストに、チーズボロネーゼ。
もちろん、食後にはアメリカンも。

もう少し本を読みながら、ここでゆっくりしたい。
そんな思いとは裏腹に、客足は増え続け、もはや安息の地ではなくなってしまったこの場所。
泣く泣く離れた。

駐輪場のサービス券を貰い忘れた。悔しい。
なので、次の映画までの2時間をブックオフで時間を潰すための
移動手段が自転車から徒歩に変わった。
結局いく。
お金が無い(というより…以下略)ので、さぁ、あと2時間スタバで時間を待とう!
なんて言うことは理性が全力で制してくる。
落ち着け自分、スイカフラぺなんて、スイカフラぺなんてぇぇ!

徒歩で1駅とはいえ、所要時間は案外15分だった。
都会万歳!!!!
バナナマンの金曜ジャンクを聞きながら歩いていればすぐだ。
いい腹ごなしにもなった。
歩き出す前に、映画館の裏で一服していたら、マダムにとても侮蔑の意を含んだような目で見られていたような気がしたが、きっと気の所為なのだろうな。

ブックオフでは、ブルーレイを見ていた。
どれも110円の小説の方がお得に感じて、
結局なにも買わずにでた。

こんにちは、母さんは面白かった。
ぼろぼろ泣いた。
永野芽郁嫌いだったのに(とても私怨なのだが)、ぼろぼろ泣けた。
今日、山田洋次監督と吉永小百合が徹子の部屋に出るともっと早く教えてくれたら録画したのに。
知ったのは、映画を見終わってふと開いたLINEで1番最初に入ってきたLINEニュースでのことだった。
ちくしょ

まだ若い。
この言葉は、人生で何十回、下手したら何百何千と聞いているのかもしれないが、響いた。
ぼろぼろ泣いた割に、
若干19歳で、社会につま先をピチョンとつけたことも無い自分には、
真の意味では感情移入できていなかったんだろうな。
そう思う。
それでも泣かせてくるなんて、
大泉洋ちくしょう!(ありがとう、ごめんなさい)


しかも、2回目は忘れずにサービス券を貰ったというのに、停めていた時間が長かったために、
サービス券1枚では足りなかった。
結局払うんかい!
ちくしょう自分ちくしょう


帰り道も佳境に入った頃、さああとはマンションの駐輪場に、チャリンコを入れるだけ。
そう思っていると、マンションの前を私と入れ違うようにして、
小学生男女4人(小学生せいですら、相場は2対2らしい)が向かってきた。
少し息を切らし、顔を赤らめながら話しつつ、
早歩きしていた。
右後ろの方から、あれ特有の、からからというか、
がらがらというか、そんな音が聞こえていた。
すると、突然私の前あたりで、男の子1人が、来てる来てる!、と叫ぶ。
瞬間、4人は踵を返してばたばたと走り去った。
きゃーきゃー言いながら。
はっと振り向くと、スクーターの少女も既に振り返り、彼らを追うのを諦めていた。
急いで追いかけそうなものだが。
弱々しくスクーターを蹴り、元来た道に戻っていった。
いつから鬼ごっこは隙を見て給湯室で雑談するかのような、遊びになったのか。
スクーターの彼女は、本意で鬼をやっているのか、楽しいのか。
小さな靴の裏と、少し寂しそうなこれまた小さな背中、それにその背中で微かに揺れる高めに結ばれたポニーテールの毛先。
寂しそうに見えたのは、気のせいであってほしい。
ハートフルな映画を見たあとだからか、柄にもなく
そんなふうに思った。
一回りも下の子にお節介な気持ちなんて芽生えだした日には、
いよいよだな。

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