見出し画像

シュティッヒルン レビュー

概要

基本情報

  • プレイ人数:3~6 (BGG ベスト 3 or 4)

  • プレイ時間:30分~40分

  • デザイナー:Klaus Palesch

ルール

  • トリックテイキングゲーム

  • メイフォロー

  • 切り札あり

  • 配りきり

  • 出し切り(何人プレイでも計14トリック)

  • 同値の場合先勝ち

カードを配られたら、最初に自分の失点となる色を手札の中から選ぶ。
獲得したトリックの中に選んだ色のカードが含まれる場合、数値がそのままマイナス点となる。
(最初に選んだカードもマイナス点としてカウントされる)
マイナス点の色以外は1枚1点。

リードプレイヤーの出したカードの色をフォローする必要はない。

リードプレイヤーの出したカードの色「以外の色」がすべて切り札となる。ただし数値が0のカードは切り札にならず必ず負ける。
(全員が0の場合は流れる)

手札を出し切ったらラウンド終了。得点計算をして次のラウンドへ。

規定ラウンドでゲーム終了。
最も合計得点の高いプレイヤーの勝ち。

ざっくり感想

いいと思う点

  • トリックごとに点が確定するので1トリック目から油断できない

    • イラストのように針でチクチクと刺すような点のやりとり

  • 何でも出せるからこそ1手1手にプレイヤーの意図が出る

  • 失点を押し付け合うゲームだが勝つためにはトリックを取る必要がある

  • ヴァリアントルールが多数あり

よくないと思う点

  • 序盤、リードプレイヤーが2番手の失点色を出した場合、2番手が小さめの数値でフォローできないと大抵の場合爆死する

    • ただしこれを理解して失点色を選べていればある程度回避できる

  • 失点色が他プレイヤーと被ると有利になる

  • 1ラウンドで満足する

    • 正直非常に評価している点なので良い方に入れたかったがルール的には数ラウンドやることになっていたはずなのでこちらに

意外とトリックを取りに行くゲーム

マイナスは数値、プラスは枚数というのは他のゲームでも見かける構造で、他プレイヤーにマイナスを押し付けたくなる。しかしこれに14トリックという固定手番が加わると若干話しが変わる。
5人プレイで自分がトリックを取らず順番にマイナス点を押し付けて行くと、全員に対して優位に立つには合計4トリック必要。
しかし自分がトリックを取ってそれがプラス点だった場合1トリックで全員に対して優位に立つ。
なのでできるだけトリックを取りたいゲームであり、その中で大きな有利・不利にならないようにチクチクと牽制し合うゲームになっている。

その他:失点色選びの個人的な方針

5枚程度所持する色かつ大きな数値に偏っていないもの。

トリテの3つの課題への対応

トリテが潜在的に抱えている(と私が思っている)3つの課題への対応。
あくまでもトリテとしてはという評価。

手札運

あまり感じない。
失点色によりトリックを取りたい、取りたくないがはっきりするため数値が低めのカードでもそれなりにトリックを取れる。
高い数値しかない状況はいきなり大きめな失点をする上に他プレイヤーから失点を押し付けられやすく厳しそうに思うが、押し付けられるのは小さめの数値で、自分はトリックを取りやすく相手への差し込みも高い数値になると思えば意外とやれるのかもしれない。
ゲーム展開にもよるが数値よりも、色の偏りのほうがキツそう

一般的なマストフォロートリテと比べてメイフォローの自由度と失点色選びがあるため、手札運というよりも、自分のプレイングが悪かったのではないかという気持ちになれる。

手番順の有利不利

あまり感じない。
ラスト手番が一番コントロールし易いという点は多くのトリテと変わらないが、リードカラー以外が切り札となるというルールからリードプレイヤーは失点色を捨てやすく、殆どの場合1トリックでリードプレイヤーが移る。

2番手が一番苦しくなることが多いと思うが、上記の通り同じ手番が連続することは稀。

カウンティングの重要度・難易度

  • 必ず負けることのできる0のカード

  • 自分の失点色のカード

最低この2つだけ覚えればいいので難易度は高くない。
失点色のカードも全部でなくて数値の大きいものだけ抑えておけば大きな失点にはならない。

まとめ

ほとんどのトリテでは手札運や手番順の有利不利の緩和のために1トリック目のリードプレイヤーを入れ替えながら複数ラウンドでのプレイを前提としている。
しかしシュティッヒルンはそれらをそこまで強く感じることはなく、1ラウンドでも十分にゲームとして成立している。
そしてチクチクと差し合うプレイ感は複数ラウンドやらずとも満足度が高く、スキマ時間にちょこっと1ラウンドだけという遊び方が非常に合うと思う。

メイフォローといえばこれと言われる作品なのも納得する。
(というより、純粋なメイフォロートリテはほぼこれか同作者の知略悪略しか話を聞かない)
メイフォローという枠を超えてマストフォローの数々のトリテと比較しても名作だと思う。

ただし、ゲーム構造的に人を選ぶ作品なのは間違いない。
重ゲーが好きでトリテがあんまり好きじゃないと思う人に合う可能性の高い作品だと思う。つまり私に非常に合うんだなこれが。

遊んだことのあるトリテの中では一番好きだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?