04:自己分析の本質と、間違いだらけの外大生の自己PR

前回は、狙い通りの内定を獲得する確率を上げるために、真の就活ステップの在り方と、それぞれのステップで意識すべき成果物、という考え方について触れました。今回からは、それらの成果を得ていくために具体的にどうしていくべきか、という話に入っていきます。就活ステップの過程で必要になる各種分析は、現実的には行き来しながら進んでいくことになりますので、どこからスタートしても良いと言えば良いのですが、ここでは便宜的に自己分析の説明からしていくことにします。本項で想定しているテーマは以下の通りです。

―本項の概要
―免責事項
―そもそも、分析とは
―「ファクト」と「価値」の違い
―抽出方法
―資質について
―ある就活生の自己PR
―補足:某ゼミ炎上の大人語講座的解釈(2020/2/8追記)

※2020/2/8追記
Twitterを見ていたら、某ゼミが炎上していました。どんな炎上だったのか等は後述するとして、外大で大人語を教えていないことの弊害が少なからず出てしまったと考えられます。本講座は「外大生のための勝ちにいく就活講座(改)」ですから、大人語を教授する大人語講座とは別の講座となっており、こちらで触れるのは不適切かと思います。なのですが、ちょうど本項では分析の話も扱いますし、やはり大人語を教えないことは罪深い感じを拭えず、大人語講座の書籍化を待たずして補足という形で触れておくことにしました。某ゼミの炎上とやらが何のことだか知らない方も多いとは思うのですが、もしも知っていて、ちょっと心がざわついている方がいらっしゃるようでしたら、本記事でも読んで心を落ち着かせていただければと存じます。結論だけ先に書いておくと、学生達は悪くありません。論理的な批判ができず、感情だけでお子様な正義感を振りかざす大人げない大人達と、基本的な大人の作法(リサーチの技術)を学生に教えない周りの大人達のせいだと考えています。

<本項の概要>
過去2回で学んできたことが頭に入っていれば、既に自己分析というものが、その言葉以上の意味を含んでいる、ということにお気付きかと思います。そこに気付いていない方は、適切な分析ができなくなる可能性があり、間違った方向の努力をしてしまうことになりかねませんので、是非本項ではその本質をご認識いただき、切れ味のある分析をしていただければと思います。

では、いつものように免責事項です。

<免責事項>※前回とほぼ重複しますが念のため記します
本題に入っていく前に心苦しいお断りがあります。大変申し訳ないのですが、当たり前のことながら、ここから先の内容は「『必ず』成功できる」という類のものではありませんのでご注意ください。「『絶対』狙い通り内定獲得できる」ノウハウが世の中にあれば、こんな楽な話はありません。残念ながらそれは不可能です。我々が提供できるのは、あくまで、一定の定量的な経験に基づく方法論です。これは後でも触れますが、確実に成功する方法を示すのは難しいのですが、確実に失敗する方法を示すことは比較的容易です。以後示していく内容は、確実に失敗する外大生の事例を数多く見てきた視点から失敗をなるべく避け、成功する確率をできる限り高める、という考え方でお伝えしていく内容です。よく言われることなのですが、就活というのはどうしても「運」の要素が絡みます。面接という手法を取り入れる以上、あるいは最終的には人が内定者を選ぶ以上、合う/合わないという相性の問題は出てきてしまいます。本気で合わない人が自分の面接官になってしまった場合、それはもう運が悪かったとしか言いようがないことになります。一方で、今も昔も「実力」が重要な要素であることも疑いようのない事実です。ここで言う「実力」が何を示すのかは講座の肝になってくるので講座内で詳述しますが、その「実力」を最大限に高めておくことで(実力を下げる方法を取らないことで)、「運」が回ってきたときに確実に自分のものとする、というのがコネ無し就活生の基本的な就活の戦い方になってきます。そのあたりの機微について、本題に入る前に明記しておきたいと思い、補足させていただきました。

また、本講座は自分の関心があるところをつまみ食いできるように設計しているつもりですが、それでもどうしても前回までの内容を踏まえないと理解度が浅くなってしまう場面もあるかとは思いますのでその点も頭に入れて読み進めていただけますと幸いです。

<そもそも、分析とは>
自己分析にせよ、企業分析にせよ、就活では何かと分析をすることになるということが先人達によって示されています。卒業後も社会生活を営んでいくにあたっては、仕事や日常生活でも何かと分析が必要になりますから、やはりその分析精度が高い学生の方が社会生活と親和性があると見なされやすく、狙い通りの内定を獲得する確率を上げやすい、というのは割と順目の結果として起こることです。どうやって分析の精度を上げていくのか。まずは便宜的に、自己分析を例にとって考えていきましょう。多くの外大生は必ずしも統計学を専攻しているわけではなく、「分析」というものに慣れていないため、日々本気の分析と向き合う学問を修めている他大生に比べると不利と言わざるを得ません。では、就活を進めていく上で最低限何を知っておくべきで、どう実践していくべきなのでしょうか。

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