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einmal, zweimal, dreimal, aber mehrmals? 「s」は付くのか問題

x-mal で便利に使える表現だけど・・・

Kannst du das noch einmal sagen? 
もう一度言ってくれませんか?

Ich war zweimal in Deutschland.
私は2度ドイツに行ったことがある。

Ich habe es dreimal versucht, aber ohne Erfolg.
私はそれを3回やってみたけれど、うまくいかなかった。

Ich habe ihn viermal getroffen.
私は彼4回会ったことがある。

Ich gehe fünfmal pro Woche in die Sauna.
私は週に5回サウナに行く。

-mal はその前に数をつけるだけで、回数を無限に表現できる便利な単語(副詞)です。 manchmal という単語を知っている人も多いのではないでしょうか。いくつかの回数、つまり、「時々」という意味ですね。

Manchmal fahre ich mit dem Auto ins Büro.
時々、車でオフィスに行く。

他にも、zwanzig(20), vierzig(40)、neunzig(90)などの「zig」をつけて、zigmal と言う表現もできます。「何十回も」と言う意味です。

Das habe ich dir schon zigmal gesagt!
そのことは君に、もう何十回となく言ってるよ!

便利ですよね。こんなにも便利だから、皆さんも日常でよく使っている単語だと思いますが、時々(manchmal)、「あれ?」て不思議に思うことはありませんか?

疑問点1|einmal と ein Mal は何が違うの? 
疑問点2|zweimal なのに、どうして mehrmal じゃないの?
疑問点3|nochmal と nochmals は、どっちが正しい?

以上3点を、一度(einmal)でも疑問に思った人で、詳しく知りたい人は、ぜひ読み進めてみてください。それ以外の人には、どうでもいい内容かもしれませんので、あしからず(笑)。

疑問点1|einmal と ein Mal は何が違うの?

結論から言ってしまえば、どちらも正しいです。そしてどちらも同じ意味です。何が違うかといえば、前者が副詞であるのに対し、後者は名詞(das Mal)なので、名詞の方はM が大文字となり、なおかつ、数を表す ein とは分けて書きます。

もう一つ違う点は、アクセント。前者は、数のところにしかアクセントは置かれませんが(einmal)、後者は両方の単語にアクセントがつきます(ein Mal)。そのため後者は、何回行ったか、と言うことが強調されるニュアンスになります。

では、2回、zweimal を名詞で言うと、zwei Male と Mal は複数形になるのでしょうか。

確かに、それで文法的には正しいようですが、実際には、ドイツ語母国語話者は、2回でも、単数形で zwei Mal と言います。文字で見る限り、zweimal と zwei Mal はほぼ同じで、あまり違いを意識しなくてもいいと思いますが、実際には、アクセントで違いがありますので、Mal を強調したニュアンスを、文章で表したいときは、zweimal ではなく、zwei Mal と書くといいでしょう。

Ich habe dir schon hundert Mal gesagt, du sollst sie in Ruhe lassen.
私は君に、もう100回も言ったよ、彼女をそっとしておくようにって。

疑問点2|zehnmal なのに、どうして mehrmal じゃないの?

副詞(zweimal)で使うか、名詞(zwei Mal)で使うかについては、書き方やアクセントの違いはありましたが、1回であろうが、複数回であろうが両方とも、 einmal / ein Mal, zweimal / zwei Mal, dreimal / drei Mal,  zehnmal / zehn Mal, hundertmal / hundert Mal と、mal/Mal は、mal/Mal になっていました。

では、「何度も、何回も」は、なんと言うでしょうか。

Ich habe dich mehrmals angerufen. 
私は君に、何度も電話したのよ。

そう、mehrmals です、よね。mehrmal とは言わないですね。なぜでしょう。

-mal は、1回でも2回でも、回数が決まっていれば、 -mal (einmal, zweimal)ですが、-mal の前の数が、決まっていない、つまり、何回かはわからないけれど複数回、と言う時は、-mals となります。この、mehrmals がその一例ですが、他にも、oftmals, vielmals などがあります。

そして回数が不特定であれば、-mal が -mals になるだけでなく、なんと、Mal も複数形になります。mehrere Male です。mehrere Mal とは言いません。ドイツ人的には、複数回の場合、回数が特定されているか、されていないかで、「-mal/Mal」なのか、「-mals/Male」なのかを、無意識に使い分けているようです(本人たちは気づいていないようですが)。なんとも面白いですね。

疑問点3|nochmal と nochmals どっちが正しい?

さて、最後の謎。「もう一度」と言う意味のドイツ語はなんと言うでしょう。nochmal でしょうか。 nochmals でしょうか。あなたは、どちらを使っていますか?

私は、nochmal を使っています。Duden によると、nochmal は、nochmals の口語表現。つまり nochmal でも nochmals でも意味は同じで、どちらも正解です。ちなみに、nochmal は、文頭の例文でも使った、noch einmal の省略形なので、noch mal とも書きます。ですが、noch einmal の省略形なので、noch Mal と大文字では書きません。

少し話が、脱線してしまいました。話を戻して、nochmal もしくは noch mal は nochmals の口語表現ということですが、それよりも、どちらを使うかには、地域差が大きくあるようです。「Vogt Text」と言うこちらのサイトによると、 nochmal はドイツ北部で、nochmals はドイツ南部およびオーストリア、スイスで使われることが多いようです。私は北部ドイツに住んでいて、実際に、nochmal の方をよく聞きますし、使っています。皆さんはいかがですか?どこに住んでいますか?もしくはどこでドイツ語を学びましたか?そしてどちらを使っていますか?よろしかったら、教えてください。 


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