透けているけど、明らかにそこにあるもの。
川端さんの絵は藝大の学部時代から拝見していて
いつもその精緻な鉛筆の表現に驚嘆してきた。
しかしながら、川端さんはただ正確に対象物を描くということではなく
人と人(あるいは対象となるもの)との間に横たわる相互作用の不全を描いている印象がある。
歪んだ(あるいは歪められた)目元。その視線は行く先を失い、
見るものもキャンバス上の人物の目線を捉えることはできない。
やがてその視線が捉えたであろう人物たちが、霞の向こうに現れる。
けっして焦点が合うことはなく、ディテールは定かでは