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4th

夏休み4日目。
その日も相変わらずガーキの姿はあった。

今日は、明日行われる夏祭りイベントの準備だ。
遊びの時間が少し減り、それぞれが班に別れて、自分達の出すお店の準備をする。自分の店の準備が早めに終わり、暇になった私はなんとか先生に仕事をもらおうと、普段は入ることが許されていない職員室に居座っていた。
「なにかすることないんですか?暇なんです。」
「うーん…そこまで言うなら…」
見かねた先生が、本来ならみんなに内緒にするはずであるお店の、看板作りを任せてくれた。

これは絶対に見られてはいけない。
「一人で作業したいから。」
そうみんなに言い、一人で黙々と進めていると、ガーキがやってきた。
「綺麗にできてるね。」
「そうかな?」
突然の褒め言葉に、嬉しくて照れ隠しをしてしまう。

ガーキは普段はふらふらと歩き回っているのだが、必ず私が見える場所にいる。もしかしたら、私を見守ってくれているのかもしれない。そう感じているからか、少しずつ心を開いていき、笑顔で話すことが多くなった。

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