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3nd

夏休み3日目。
学童に行くと当然のようにガーキの姿があった。

学童での生活にはなんの影響もないが、うろちょろと歩き回る姿は気になって仕方ない。周りのものには普通に触れるようで置いてある本を手に取って読んでいる。ご飯の時間になると、嬉しそうにみんなのお弁当を見て回っている。そんな自由なガーキに我慢ならずとうとう声を掛ける。
「なにしてるの?」
「美味しそうなお弁当だなぁと思って。」
なにか特別な理由があるわけではないみたいだ。
ガーキは、たまに話しかけてくる程度で、私が誰かといるときはこちらから話しかけない限り話してこない。基本はふらふらと歩き回っているだけだ。

外遊びが苦手な私は、いつも部屋の中で時間を過ごしているが、これといってやる事があるわけではない。今日は特にやる事がなく、ただふらふらと歩いていると、ガーキがスッと横にやってきた。
「なにしてるの?」
「んー、散歩かな。」
「何かすることないの?」
「ない。」
「そっか。」
そう言うと、少し立ち止まり何かを考えるような素振りを見ると、またふらふらとどこかへ歩いていった。ガーキに特別気を許しているわけではなかったが、不思議と自然に話ができた。

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