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人種問題について考えています

なかなか釈然としない日々を送っています。

しばーーーらく更新しないままでいました。その間世間ではいろんな事が起きて、それについてずっと考えて憤っていました。

このパンデミックの中で起こった、世間を騒がしているニュース。アメリカのミネアポリスで、偽札疑惑をかけられた黒人男性が警官により殺害された事件。それに伴うデモ運動、暴動、世間のリアクション。

最初に触れておきたいのが、私はもちろん人間は人種を理由に不当に差別されることがあってはならないと思っています。そして、この事件はとても酷く残念なことだったと思います。

そして、これから自分が書く内容はかなり繊細でリスキーな事だとも理解しています。このようなことを書くと、逆に私が差別者だとも言われかねないので相当迷いました。

それでも声を挙げたい。
沈黙を守る人を「差別に加担している」と捉える声もソーシャルメディアで頻繁に見ます。
それならば、黙っていることが得策だと思えなくなりました。

事の発端からちゃんと知っておかないと自分が感じる違和感が何なのかもよくわからないと思って、いろんなニュースサイトを調べました。公開されていた検察書類も見ました。そして、事件の起こった直前何が起こったのか、偽札はどうなったのかなども調べました。

その中で、いくつか疑問がわきます。

・なぜ被害者は、一度店員に偽札を疑われて販売を断られても、懲りずに再び店に戻り、また同じように疑われることをしたのか。そして、店員からタバコを返すよう言われた時に、なぜそれを拒否したのか
→本当に偽札と知らなかったなら、別の札に取り替えるか、品物を返すなどすればそれ以上のトラブルは起きず、通報されずに済んだはず。

・通報した時の店員の言葉によると、被害者は「ひどく酔っ払っていて自分をコントロールできていないようだ。態度がおかしい」とのことだった。これが「無抵抗の人間」の描写なのか
→少なくとも、普通の状態ではなかった事がわかる

・なぜ被害者は警察に車に乗るように誘導された時「閉所恐怖症だから車に乗れない」と言って拒んだのか
→その直前まで被害者は自分の車の中にいたので、閉所恐怖症と言うのは明らかに嘘としか思えない

・なぜ警察の権力乱用に対する問題がメインに取り上げられず、「人種差別」だけが大きくフォーカスされるのか
→物事を人種のせいだと判断するのは逆に人種差別と言えないのか?

そして一番の疑問。

・今回は、彼が黒人だからという理由で起こった事件なのか
→警察が黒人だったら?亡くなったのがアジア人や白人だったら?

2016年、警察官数人(黒人、白人混合)に無実の白人男性が殺害された時には何の抗議活動も起きなかったそうです。
今回ここまで大ごとになる背景には、言うまでもなく潜在的な差別意識・問題があった訳だけど、今回の事件はそれまで根強く存在していた差別意識を表に出す「きっかけ」となっただけであり、「原因」ではないと感じます。

アメリカ、特に地方部ではまだ差別が根強く残っているところもあるという話も聞くし、人種差別をなくそうとする運動には私も激しく賛成です。

でも今回の件は少しポイントが違うと思います。

今回の件で、私たちは皆少なからずともバイアス(偏見)を持ち、気付かない差別をしている」などと言う人達も出てきていて、その例えに「エレベーターで大きな黒人男性と二人きりになった時身構えるのもバイアスの一つ」という話を引き合いに出す例も見ました。

待ってください。これってバイアスですか?
もしくは、よっぽど富裕層に住んでいて、危険な人達に一度も出くわした事がないの?

いや、私は警戒しますよ。人種にかかわらず、こちらをジロジロ見ていたり態度が大きかったり不審な行動があったり、そういう嫌な気配を感じたら、バイアスも何も警戒して近くに行きませんよ。人種がどうの以前に、身体が大きい知らない男性と二人きりになった時、全く警戒しないではいられません。

そして逆の立場で言うなら、アジア人で身体が小さい女性という立場である以上、何か事が起こる前に自分の身を守らなければと、周りの人を観察します。人種で判断するなんてしません。その人の態度と顔つき、言動や身なりを観察します。それはバイアス?差別?
アメリカもカナダも(アメリカほどではないけど)北米では発砲事件が頻繁に起こるし、日本じゃ考えられない事もその辺で普通に起こる。それを警戒しないで暮らすなんて危険すぎる。

「#BlackLivesMatter」という「黒人の命は大事(もしくは解釈によって「黒人の命も」)というハッシュタグに対して「#AllLivesMatter(全ての人の命は大事)」と呼びかけるハッシュタグをつける人への論争も起こっています。

「今回は黒人が不当な扱いを受けたのが原因で、全ての人種を論議している訳ではない」と言うのは、もっともな意見にも見えます。私も黒人が不当な扱いを受けるのは許せないと思います。もし警察が、道を歩く人々の中からあえて黒人を選んで殺したのなら、それは明らかに人種差別です。でも今回の件は、そういう状況ではありません。

「今一番危険にさらされているのは黒人の命だから、今はまず黒人の命を救うべきだ」

この辺から自分が感じるのは違和感しかありません。

このパンデミックの中で抗議活動を絶好調に盛り上げて、今感染者がまたどんどん広がっている。人種に限らず命大変です。

一部の人達(もしくは組織)によるものとは言え、アメリカやさらにカナダ各地で暴動が起こり、全く関係ない人達やお店がかなりの被害にあっている。

差別で言うならば「今」このウイルス騒動の渦中で最も人種差別を受けて危険な目にあっている人種は私たちアジア人です。暴言浴びてます。唾吐かれてます。殴られてます。病院運ばれてます。私の身の回りでも暴言浴びた友達が何人もいます。道歩いてただけで。(私自身はむしろフィリピン人やベトナム人に間違えられるので被害に遭っていませんが)
「たまたま道にいた人に暴言吐いたらアジア人だった」とかじゃなくて、アジア人だからという理由でそういう事されてます。これぞザ・人種差別と認識します。
そして、それは今回デモ抗議の代表となる人種の方々からもされます。

また、身の回りの出来事で人種に関して言えば、不利になると何かにつけて自ら人種のせいにする方々もいます。

「雇ってもらえないのは自分が◯◯人だからだ」
「自分が相手からこういう事をされるのは差別を受けているからだ」
「お前は◯◯人を嫌いだから、私にそういう態度をとるんだ」

仕事や信頼が欲しければ自分が勉強して良い態度をとり、社会に溶け込めるよう努力する、学歴をつける、教養を増やす、移民だったら英語を母国語とする人と肩を並べて仕事できるくらいに語学力をつけ、小さい仕事から積み重ねて上を目指す、それだけ。

人種のためと一括りにまとめてしまえるものではなく、結局は人と人との問題となるものもあると思います。人種に関係なく、いい行動をする人はいるし悪い行動を起こす人もいる。

黒人差別問題は根強くて、特にアメリカだと未だ色濃く残っているようです。
ただ、この件に関しては100%人種のせいなのかどうか、違和感があるんです。
この件がきっかけになったと言えばそれまでなんだけど、「今」のタイミングで、黒人の人種差別だけに限って抗議することで、一体誰を救えているのか。

元々性の平等を訴えるLGBTQ+のレインボーフラッグに黒と茶色の人種の色が加えられたのも、私はこじつけに感じます。

「人種差別に反対」「人の命は大事」
それはもっともな事で、なんの異論もありません。

「正義」という言葉が頻繁に最近出てきますが、正義ってなんでしょう。
今、暴動の被害者すら声をあげられないくらいの状態です。

現実は人種で一括りにできるほど単純じゃないし、リアリティとしての社会はもっと複雑なはず。
メディアの煽り、社会の大きな活動などの下に埋もれている、個人で生活をしているからこそ見える現実があります。

このウイルス騒動の中、医療機関の方々は昼夜を問わず必死に働いている。こちらは非常事態宣言も解除されないままで、まだまだソーシャルディスタンスの必要性がある中、それを完全に覆す集団のデモ活動が起きている。
そしてそのために、感染の危険もさらに広まっている。
街は騒がしく、デモ隊が大声を出しまくって密着して歩いている。
そしてそこにいる住民たちが騒音に怒りを示すと、今度はその人たちが差別主義者だと批判されている。
その一方、アジア人への人種差別を知らない人達がたくさんいる。

人種差別そのものには反対します。
ただ、沈黙を守る人を「差別に加担している」と捉える声、違う意見を挙げる人を「人種差別者」として捉える人々。パンデミックの中でのデモ抗議とそれに伴う暴動。それに文句を言うと逆ギレされる社会。もううんざりです。

近所でも、このデモの最中に大声でわめき立てる人達がいます。住宅街の通りで音楽を大音量でかけて昼からパーティーをする人達。5人以上で集まるのを禁止されているのに、公園に集まり大騒ぎする人達。批判すると、相手の人種によってはそれも人種差別と言われそうです。

移民としてここに住む一人として、自分の立ち位置を自問自答する日々です。
なぜ人間は、違う肌の色が存在するように作られたのか、もうそこから問いたくなってきます。

男女、人種、文化の違い、貧富の差、国の違い。
色々な違いがある中、人間は必ずしも平等とは言えません。
でも、お互い尊重しあうことはできるはず。

たくさんの意見があるかと思いますが、これは私の個人的な気持ちと考えです。
長々とした繊細なテーマに関する記事を最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


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