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将来の選択肢が大きく広がる、英語力を身につけるには?


グローバル化が進む現代では、さまざまな分野において英語力が必要とされる機会が増えています。しかし日本には、実践で英語を使うことに苦手意識を持っている人が多いようです。どうすれば、使える英語を身に付けることができるのでしょうか?第二言語取得、英語教授法などを専門とする中村雅典教授に聞いてみました!

「使える英語」を効率的に取得する方法とは?

ーまず初めに、先生の専門分野について教えてください。ー

私の専門は大きくいえば応用言語学、その中でも第二言語習得、英語教授法ですね。脳の発達や言語習得のメカニズムについての科学的知見を、英語学習に応用する学問です。
私は大学卒業後、カナダに語学留学したのですが、そこでの英語の授業がすごく楽しかったんです。今でいう"アクティブラーニング(教員が一方的に教えるのではなく、学生たちが主体的に、仲間と協力しながら課題を解決するような指導・学習方法)"で、とにかくどんどん英語を使わせる。「日本でもこのような英語教育ができれば」と思ったのがこの分野に進んだきっかけです。

そんな英語教育の専門家である先生に一番お聞きしたいのが、「最も効率的な英語習得法」についてなのですが.....。
残念ながら、英語習得の特効薬はいまだ見つかっていません。あれば私が飲みたいくらいです(笑)。世の中に膨大な英語教材があるのは、特効薬がないからなんです。

ーやっぱり......。ー

英語を使えるようになるには、とにかく練習を積み重ねるしかありません。とにかく場数を踏み、量をこなすことが大事。あまり正確さを求めず、どんどん挑戦することです。日本人は妙に正しい文法や発音にこだわる傾向があります。でも、今や英語を使っている人の数は、ネイティブよりノンネイティブのほうが圧倒的に多いのです。アジアやアフリカの人たちは、多少文法や発音がおかしくても、堂々と英語を使ってコミュニケーションをとっています。

ー机の上での勉強より、実際に使ってみることが大事なんですね。ー

もちろん文法や単語などの基礎力も大事です。ただ、丸暗記しただけの知識は役に立ちません。熟語なども、丸暗記するのではなく、例えば「to」や「for」といった前置詞の「ニュアンス」をつかむことが大事だと思います。

ー「ニュアンス」ですか?ー

例えば、「for」に、"目的の方に向いているけど、まだ到達していない"といったニュアンスがあることが分かっていれば、「listen for」は"何かを聞こうとしている"、「listen to」は"すで何かを聞いている"というような違いがあることが分かります。「look for」の意味が「探す」になることも自然と分かるでしょう。

ーなるほど。前置詞のニュアンスをつかめば、熟語を暗記する必要はなくなるのですね!ちなみに量が大事とのことですが、何でもひたすら量をこなせばよいのでしょうか......?ー

さすがにそんなことはありません。リスニングもリーディングも、自分のレベルにあったものに取り組むことが大事です。あまり難しい内容のものをひたすら聞いたり、読んだりしても、脳に何もひっかからず、意味がありません。目安としては、自分が簡単に理解できるものよりほんのちょっと上のレベルで練習することが大切です。

ーでも、自分にあったレベルを見極めるのは難しそうですねー

そうなんです!適切なレベルを見極め、サポートしてくれる人が必要です。本学では、専属の教員が学習レベルや学習量を適切に管理し、コーチングをしながら少しずつレベルを上げています。また、学生によってどのレベルまで勉強したいかが異なるため、学生一人ひとりのニーズに合わせた個別指導も行っています。

ーそれは助かりますね!ー

英語の勉強は大学で完結するようなものではなく、生涯を通じて継続的に行う必要があります。そのための基軸となる勉強法を、大学時代にしっかり修得しておくことが何より大事なのです。

ーそういえば、来年からは英語・編入コースが開設されるそうですね。ー

はい。このコースでは、本学がこれまで取り組んできた英語教育をもとに、一人ひとりの学生のニーズや学力に合わせた個別指導に、さらに力を入れていきます。そのためにグループレッスンやオンライントレーニング、英語学習の専用スペース「English Commons」を設置し、学生をサポートします。また、TOEIC攻略のための「TOEIC塾」では、上場企業が全社員に求めている基準「600点」を最低限目指します。もちろん通常カリキュラムのなかには、ネイティブの先生による英語の授業もありますよ。

留学にはどんなメリットがある?

高崎商科大学は、留学プログラムも充実しているようですね。海外留学にはどんなメリットがあるのでしょう?
若いうちに海外体験をすることは、国際感覚を身に付けるうえでとても重要だと思います。私もカナダへ留学したことで、視野が大きく広がり、その後の人生がひらけました。学生にもぜひそんな経験をさせてあげたいんです。

本学では、ハワイのホノルルフェスティバルでのボランティア、カナダやオーストラリアでの英語研修、ベトナムやカンボジアでの異文化交流など、さまざまな海外プログラムを用意しています。学生からも好評で、年々参加者が増えています。

ー英語・編入コースにはどんな留学プログラムがあるのですか。ー

すでにあるプログラムに加え、ハワイのカピオラニ コミュニティ カレッジと協定し、本格的に英語を学べる留学プログラムを用意します。さらに1年間ハワイに留学して授業を受け、単位互換により学位をとれる仕組みも目指しています。これが実現すれば、2年で日本とアメリカの2つの短大の卒業資格を得ることができます。

英語ができると将来の道はどうなる?

ー使える英語を身に付けると進路はどんな風に変わりますか?ー

英語・編入コースの卒業生には、就職だけでなく、四年制大学への編入、留学、ワーキングホリデーなど、さまざまな選択肢があります。とくに日本の四年制大学の編入試験にはたいてい英語があり、英検2級を持っていないと受けられないところもあります。本学では編入を念頭においた授業科目や相談サポート体制も用意しています。

グローバル化がますます進むこれからの世界では、どんな分野に進むにしろ、英語ができることは大きな武器になります。進路の幅が大きく広がることは間違いありません。

ーなるほど!ちなみに海外志向ではない人には、必ずしも英語は必要ないのではないでしょうか?ー

もちろん、すべての人に英語が必要なわけではありません。ただこれからの時代は、日本の会社に就職しても突然上司が外国人になる、なんてこともありえます。新たに海外でのビジネスを始める企業も多いでしょう。あらゆる分野で英語が必要とされる機会が増えることは間違いありません。

ーそうですね!それでは最後に、高校生のみなさんにメッセージをお願いします。ー

若い人にはぜひ英語を学ぶ楽しさ、英語を使う楽しさを早いうちに知ってほしいと思います。これから英語は、世界の共通語としてますます大事なコミュニケーションツールになります。自分の将来のために、使える英語の基礎を2年間でしっかり身に付けたいと考える人は、ぜひ本学でお待ちしています!

先生の必需品!

グループ分けやプレゼンの順番決めに使うくじ

今回インタビューした教授

短期大学部 現代ビジネス学科 英語・編入コース
中村 雅典 現代ビジネス学科長/教授

・“Peer Review: Benefits And Implication” 高崎商科大学紀要第 22 号(2007 年)
・“Analysis of Vocabulary Step Used in EIKEN 1st Grade” 高崎商科大学紀要第 23 号(2008 年)
・“The Power of Extensive Reading” 高崎商科大学紀要第 25 号(2010 年)

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