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開業して3ヶ月と6ヶ月 その2

悪い口コミは広がるのは早いし、また、悪いDrたちに共通するキーワードがありました。

それは何か・・・。

簡単に言ってしまえば、病院の外来と同じ対応をしているということだと思います。

以前にも書いたと思いますが、病院の患者さんの多くは「病院」についています。

一方、クリニックの患者さんの多くは「Drとスタッフ」についています。

つまり、病院は外来の主治医が誰であろうとほぼ変わることなく、同じ病院に通院を続けます。

勤務医をしていても、時々「先生、次どこ行くんですか?ついていきます」と言ってくれる患者さんもいましたが、「いやいや100km以上離れた病院だから無理だよ」という感じで、実際に次の病院までついてきた患者さんはいません(笑)。

ただ、開業するときは最後の勤務医の病院から3-4kmほどしか離れていなかったので、付いてきてくれる患者さんもいました。

しかし、大半は病院についていますので、声すらかけませんでした。

そして病院についているから、外来主治医が横柄な態度であったり、どうせわからないだろうと思って簡単な説明で終わらせたり、納得できない事を言われても「仕方がない」といってその後も通院を続けてくれます。

つまり、自分の外来診療に満足してくれてきているのではなく、病院に通院しているから、「仕方がない」から来てくれているだけです。

それを自分の診療が正しい、素晴らしい、患者さんから人気があると勘違いして開業したDrが一部にいることは事実です。

特に外来患者数が多い病院から来たDrに多い傾向にあると考えています。

朝から夕方まで総合病院で外来をしなければならないような病院から開業したDrに多く見られると思います。

僕的には「どうせ開業時は暇なんだから、懇切丁寧に説明してあげればいいじゃん!」って思うんですが、どうもそうは思わないようです😅

患者さんに聞くと、「質問してもちゃんと答えてくれない」「画像はなんともないから大丈夫」「そんな症状になるはずがない」「そんなことはあり得ない」等、多分、医学的には正しいことを言っているのだろうとは思いますが、それが患者さんに伝わっていないということが多い気がします。

ちなみに、当院の近くに外科系のクリニックがあり、開業時から非常に評判が悪く、外来で文句を言っている患者さんに「どこがダメなの?」って聞くと上の答えが多いです😁

で、開業したら、まずは一生懸命見て、一生懸命説明することが必要だともいます。

これだけでかなり印象は違います。

どうせわからないだろうって思って説明するのと、わからないかもしれないけど、ちゃんと説明するは違います。

そもそも相手はどうせわからないだろうというのは、医師の思い込みであり、分かる人も当然いると思っています。

なぜなら、僕は医師の仕事をしていますが、経営、節税、車、時計、その他、興味のあることは割と調べます。

なので、専門家に勝てるとは思いませんが、説明をある程度理解することはできます。

税理士と話をしていても、こちらから節税の提案することは多々あります。

そしてよく調べてますね〜と言われることもあります。

ただ、節税については、僕程度が考えることはいろんな人が考えていますので、ほとんど意味がありません(笑)。

ちなみに一回、これならどう?って提案したら「それ、プロ野球選手と関係者が脱税で逮捕された手法です」て言われました😅

つまり、専門じゃないから知らないという考え方は間違いで、それなりに下調べしてくる人はいます。

なので、まずは知らないを前提ではなく、知っているかもしれないを前提に話を進めたほうが相手の不満、不信感を抱かせずに済みます。

そして、できることなら図説や文字にして渡すと喜ばれます。

なぜなら、今はインターネットで調べられるからです。

診断名、疑い病名等々、ちゃんと書いてあげると喜ばれます。

そして、次も来てくれる可能性が高くなります。

勤務医だったら外来患者数は減った方が楽ですが、開業したら、患者数が減る、伸びないことは自分の将来の可能性も狭めることになります。

まずは相手もある程度病気を知っている人と仮定して対応することで、口コミの悪化はある程度避けられると思っています。

あとは、相手の主訴を否定すると、口コミが悪化します。

もちろん、患者さんがしてきた診断等については、間違ったことは否定します。

当院なら急性心筋梗塞だと思うのですが・・ときた患者さんがいたら、診断が違えば「違いますよ」と言います。

これは問題ありませんが、胸が痛いんですと言ってきた人に対して、心臓はなんともないから胸が痛いということはあり得ないというのは絶対にダメです。

整形外科で腰が痛い、足がしびれると言って診察にいって「レントゲンではなんともないから痛いはずがない」というDrがいて、そのDrのところに通院している患者さんはみんな「痛いと言っているのに痛いはずがないと言われた」といってきます。

つまり主訴は主訴で認めてあげないと、患者さんは不満しか残りません。

あと原因がわからない場合も、「痛みの原因となり得るものはないので、経過をみてください」ではやはり主訴の否定と同じことになってしまいます。

そうではなく、「可能性としてはわずかですが、Aという可能性が否定はできません。ただ緊急性はなく、現時点で薬を使うよりは、薬の副作用も考えて、もう少し経過を診てもらったほうがいいと思います」と言った方が相手を否定しないという点で、いいと僕は考えています。

同じことを言うにしても相手を否定しない言い方をするように心がけると口コミは悪くはなりません。

患者さんは主訴の否定をされると不満が大きくなり、口コミも悪化します。

イライラしてきて言いたくなる気持ちもわからなくはないケースもありますが、主訴の否定だけはしないほうが安全だと僕は考えています。


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