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開業後、流行った時の待ち時間対策

開業後流行ると、待ち時間がどうしても増えます。

これはどうしようもないと思います。

一方で、じゃあ患者さんは、混んでいるし待っても仕方がないよねと言ってくれるかというと、そんなことはないと僕は考えています。

正確には絶対的な待ち時間は存在しますが、それをいかに短く感じる工夫するかだと思っています。

絶対時間と感覚時間には差があります。

楽しいことをしている時の時間は短いですが、嫌なことをしている時の時間は長く感じます。

渋滞にはまっていて、ずっと動かずに一気に動くのと、少しずつでも流れがあるのでは感覚的に違います。

渋滞で流れていない=到着時間読めない。

流れている=たどり着ける時間が想定できる。

この差は実は大きいと思っています。

待ち時間も患者が一定の間隔でスムーズに流れている=あと何人くらいで自分の番が来るなと読める。

診察がストップしているかのように全然流れない=いつ自分の順番が来るかわからないということで感覚時間は大きく違うと思います。

僕の中では、一応、目安として最大5分だと思っています。

一人5分で一度入れ替える。

仮に新患で話が長くなることがあっても、一度、5分話を聞いた時点で、何かしらの検査等を入れて、まずは一度話を終わらせ、次の患者を入れるようにしています。

当院であれば、XPや心電図や採血であったりします。

そして、その間に1人診察を入れます。

そうやって「流れ」を作ってあげることによって、ある程度、待ち時間が長く感じることを少し回避することができます。

それと待てない人のピックアップも必要です。

当院でも時々待ち時間が長く発生してしまうことがあります。

その際、待ち時間を嫌う患者さんは受付で「今、このくらい待ちますのが、いいですか?」という説明と「この時間なら空いていると思うので、待ち時間が長いようでしたら出なおしてもらっても構いません」と伝えています。

当然待つことが嫌いな患者さんは「わかった。出直すわ」となります。

これも実は待ち時間対策になります。

この人を入れるか空いている時間に出直してもらうかで、一人分の診察時間が変わります。

患者さんのキャラクターを見て、より良い選択肢を提示できることも重要だと思います。

あと、処置等をしていて、どうしても時間がかかる場合などは、あらかじめ受付の時点で、「いま処置をしていて、10〜15分ほどかかりますので、ちょっと待ち時間が長くなります」と伝えてもらっています。

この時点で、待ちたくない人は「出直すわ」となります。

待ち時間に対する感じ方、考え方は個人差もあるため、待ち時間対策は実は患者さんのキャラクター把握から始まるといっても過言ではないと思っています。

つまり患者さんを知ることが、待ち時間対策になるということだと思います。

待ち時間対策はまずは患者さんを知ること、キャラクターを知ることから始めてみるといいのかなと思います。

そして、患者さんのキャラクターを知ることは、診療のリスクも減らせますし、トラブルが起きにく環境づくりにもなります。

そして、待ち時間のクレームがないことはクリニックの評判をあげます。

ちなみに60日処方、90日処方にすると、患者さんの話す時間は確実に増えます。

2ヶ月分、3ヶ月分の話をしなければなりませんし、また、今話すチャンスを逃すと次に、質問したり症状を訴るまでの時間も2ヶ月後、3ヶ月後になりますので、何が何でもこの診察時間にすべてのことを話して、すべてのことを解決して帰ろう!という気持ちが生まれます。

つまり長期処方は待ち時間対策にはなり得ませんし、むしろ悪影響だと僕は考えています。

1ヶ月単位だと、来月くる時に次の質問をすればいいやということになります。

そのため話は短くて済みます。

また、2ヶ月前に1回だけあった症状について、質問され、その状況についてこちらから聞いてもすでにあまり覚えていないということもあり、診断精度にも影響があります。

そのため、僕は基本1ヶ月に1回診察をしにきてもらっています。

もちろん中には忙しい、そんなに来たくないという患者もいますので、状況に応じて、2ヶ月分処方はしますが、基本訴えの多い人は毎月来てもらっています。

この方がはるかに患者が回るスピードが速いからです。

僕が心がけているのは、できる限り診察の流れ中で特異点を作らないことです。

一人だけものすごく長い診察時間を要するようなことにならない努力をすることです。

長くなる場合は、途中で何かの検査等を入れて、調整することで特異点の回避を行います。

特異点を作らない=感覚時間を短くすることだと考えています。

そして、これをスタッフ全員が意識することです。

混雑している時に話をしたい患者がいる場合、可能な限り、診察や採血が終わった後の事務が対応するように誘導します。

看護師が話をしたい患者に捕まると、実は検査が滞り、結果、特異点が生まれてしまうことがあるのです。

医療事務でも同様なのですが、人数的に余裕があれば医療事務が対応することで、より流れを作ることができると思います。

あとは人件費観点からもなるべくお金のかかっていない人が患者満足度を上げる作業をした方が理にかなっています。

そのため医療事務選びは非常に重要です。

そして優秀な医療事務は結果、給料が高くなります😂

当院医療事務の年収が400万円以上あるので、多分、良い方だと思います。

当然クリニックですので夜勤もありません。

ただ看護師は500万円以上ですので、当院では医療事務がなるべくそのような特異点を作り出す患者の相手をしています。

患者数が増えてきたら、するべきことは受診回数を減らすことではなく、一人当たりの話す時間が一定になるように、受診回数と時間帯とスタッフの対応を調整することだと思います。

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