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幽霊はここにいる 感想メモ 230112

⚠️めちゃくちゃネタバレあり
⚠️個人の感想、偏見や憶測や想像、曖昧な記憶などを混ぜこんで好き勝手に書いています









観劇中に感じたことメモ

・まず私は嫌な視聴者なので全てを疑ってかかっていて、「深川さんってほんとに生きてる?」「深川さん実は死んでない?」「このポスタービジュアルから考えて深川さんが幽霊では?」とかずっと考えながら見ていた

・深川さんが「アスピリン」と言った時点でなんとなく嫌な感じはしたし、「気○○い病院」と言った時点でうわあああああああんだった
・そこでどういう扱いを受けたか容易に想像がつくし、痛み止めを常時持っていることも、それを人に差し出す優しさ(というか脇の甘さ)もぐううううんとなった
(観劇後、友人に「どこから来たかは言いたくない」って言ってた(=つらい記憶/言うとまたひどい扱いを受ける)もんな、と言われてたしかに…………と頭抱えた)
・深川さんが「気○○い」という単語を選んだこと(自覚というか、客観的というか)がもうつらいし、そう言われてきたのであろうことがつらいし、この語を使うことでどれだけひどい扱いを受けたかがはっきりと伝わってくるのがまた悲しい 後の時代に使っちゃダメとなるほどの言葉ってやっぱりエグいよ


・やっしーさん(私はパラダイスを観ているので、めちゃくちゃ怖く見えている)がまたリアルに胃がキリキリするような怖い役をやってるのでちょっと!!!!!!やめてよ!!!!!!と思った
特に序盤の家に急に帰って逆ギレしながら乗っ取っていくような感じ、イーーーーーーー!!!(泣)だった
・そして深川さんが「それも確かにそう…かも!」と流されていくチョロ優しい男なのが切ない

・なにげに辛かったのが、トシエさんが大庭の悪稼ぎに飲み込まれ乗っかっていき、反発するミサコさんに「ひとり親としてあんたを育てるためにはね(清濁併せ呑まなきゃやってけないのよ)」みたいなニュアンスのことを語るところ(曖昧)。それはダメやろ、それは言ったらあかんやろ、実際苦労してきたんやろうけどさ子供はそう言われると何も言い返せないやん、それはズルいやん……とグサグサ来ていた


・「幽霊ビジネス」の発展が絶妙にポップで痛快で面白くて、これからどうなるの!?ってドキドキワクワクする気持ちと、最初は「どこにでもいるお母さん」て感じだった割烹着の奥さんがギランギランになって壊れていくさまは普通に心にきた
しかしどのキャラも絶妙に愛嬌があるというか…腹立っても憎しみまではいかないというか…嫌なところがクセになるような味つけでとてもよかった

・「お花畑だ!きれい!」と客席を眺めるシーンで(おそらくアドリブ)
八「ところどころとんでもないのがいる」
神「なんてこと言うんですかっ」(即答だったのがきゅんポイントだった)
八「いやよく見て、本当に綺麗か?」
神、身を乗り出して端から端までしっかり見る
神「綺麗です!!!!」(きゅんポイント)
八「…さすがだな!!」

ここめっちゃかわいかった、深川さん(姿が神ちゃん)と思って見ていたが、ここはめちゃくちゃアイドルの神ちゃーーーーーーーーーん!!!!!!!💚となった かわいい

・歌のシーンで(幽霊写真照合のシーン)踊り出すとめちゃくちゃ神ちゃんだぁ!!!!!!と心がはしゃいだ てか曲どれもめっちゃよかった、中でもこれほんと毎日聞きたい、サブスクまだ?
OPテーマソングって感じでめっちゃよかった
王子様みたいに胸に手を当ててぺこりとお辞儀するんだけど、幽霊に対する誠意を感じて、深川さん……!!!!!!ってなった 王子様ぺこりが元々大好きやから余計…


・やっしーさんのアドリブ祭りをちょくちょく感じてとてもよかった(木村さんに対して「綺麗な顔しやがって!」と不意にぶっ込んできたり) 隙あらば笑わせようとしてくる!!好き
途中なんか、机移動するシーンがあって(あのあたりのメタのさじ加減もとても好きだった)深川さんと机持ってぐ〜るぐるふたりで回っててかわいかった
そのシーンの後かな?別のとこかもだけど、深川さんがめちゃくちゃ笑っちゃって、なんとか頑張ってるけど笑いまくっちゃってるところがあってめっちゃ楽しかったし、その後着席したらちゃんと「深川さん」に戻っててうおおお……!!!!!!!ってなった


・悪どいやり方にだんだんついていけなくなって、幽霊に殴り倒される深川さん、つらかった
もうこの辺りで既に、(きっと観客みんなそうだけど)かわいくて優しくて素直で懸命な深川くんのことを大好きになっているので、殴られても縋りついてつらそうにしているのが深川くん…!!!!!!!!!!!あああああ!!!!!!!!だった
相手の機嫌を損ねてしまって必死に謝って、大人しく殴られている深川くんがめちゃくちゃつらい

・誰かが海に飛び降りてしまった!のシーン(休憩前)で、ヒイッ……てなってた(友達に「あそこ、深川くんが飛んだと思ったやろ」と言われた。バレている)
主役やからまさか…いや二幕はずっと「深川の幽霊役」とかで展開するの無くはないし…いや主役やからまさか…とかメタなこと考えてた(嫌な客)
あの時点での深川くんはそれはしないと信じつつも、絶対ないとは全然言えん、ずっとメンタル綱渡りやし……てちょっとだいぶ心配してしまった


・中〜終盤、ずっと頭痛そうにつらそうにしている深川くんに対して、既に好感度はMAXなので、つらいなあ😭😭😭😭痛いなあ😭😭😭😭😭かわいそうになあ😭😭😭😭と本気で心配し続けていた
・「メインのお芝居の後ろで静かに続けている演技」を見るのが元々めっちゃ好きなので余計、ずっと頭痛そうな深川くんを見てはうう……うう……うおおん……😭😭😭となっていた

・「幽霊とじゃなくて、あなたひとりと会いたい」と告げるミサコさんにうわああああん😭😭😭😭となる あれどっちもつらい、ミサコさんがそう言うのもすごくわかる
そしてあのシーンの前後でぐったりと座ったまま俯いて動かなくなる深川くんが画面の左側にいるまま、幽霊ビジネスは膨らみ続けている……の構図つらすぎるって!!!!!!


・そんなモンペ状態だから深川(本物)が登場した時も私は「絶対こいつニセモノじゃない??」「騙しにかかってない?」「この吉田母絶対ニセモノじゃない??」「戸籍謄本だって金に物言わせりゃ作れちゃうんじゃない??」「ふたりで深川さんを騙す打ち合わせしてるんじゃない?」と、1から100まで疑っていた

・深「幽霊が見えなくなったから、また会ってくれる?」ミ「今会ってるじゃない」深「…そっか」
の、そっか、の言い方がすっごい良くて!!!!!!ふっと自然に、今気づいたのが、あーーーーーー!!!!!かわいい!!!!!深川くん!!!!!!!幸せでいて

・微妙に深川(本物)や吉田母を疑うというかソワつく気持ちもありつつ、傘をひとつ分け合って母の背中を支えて歩いていく深川くんを見ることができたのがすごくよかった あの姿になんか一番ほっとした

・どこかのシーンで(たぶん演説)深川くんの目がキラッて光るのが見えて、こんな距離でも瞳の光るのが見えた…っていうのが心に残っている


・そしてカーテンコールになった瞬間神ちゃんがいて、か、神ちゃんや!?!?!??ってなった
ほんとに(`-´ )で、神ちゃんだ!!!!!!!!ってなった 観劇あるある、カーテンコールで役が急に役者さんの顔になってびっくりする
黒髪もかわい〜い 全部好きやけど
ほんとにカテコになった瞬間、顔文字のまんまの顔(`‐´)になったからびっくりした



観劇後にいろいろ考えたことメモ

・観劇直後は記憶が全て飛ぶので「かみちゃんかわいかった〜」しか言えなくなる かわいかった
・とりあえずパンフにざっと目を通し、なるほどな〜〜〜〜となり、友人とちょろちょろ喋った(たっぷりの咀嚼を辛抱強く待ってくれた 感謝) そんな感じでいろいろと混ぜこんだ個人的な解釈


・深川くんが見ていた幽霊は「罪悪感」だった
……幻覚なんだけど確かにいる。その根っこは罪悪感で、「友を殺して生き延びる」ことに耐えられなかったから生まれたもの。
 つまり中〜終盤の深川くんは幻覚と現実のギャップに苦しんでいたというより「自分の中の罪悪感に殴られていた」んやなと思うとしっくりきた

 幽霊が深川くんを殴り出したり、「市長になる!結婚させろ!」と要求がどんどんエスカレートしていったのは、深川くんが「幽霊は生きていたらきっとこうしたかっただろう、できただろう」と後ろめたく苦しく思っていたからなのかな……とか思う
 幽霊を通して深川くんの欲求が爆発したんじゃなくて、「死んでしまった人はどうしたいだろう」「もし生きてたらどうしたかっただろう」という気持ちを深川くんはずっと抱えていたんだろうなと そして「自分は他人の命を蹴落として生き延びてしまった」という強い罪悪感に苛まれて、ずっと挟まれて苦しんできたんよな


・幽霊が見えなくなったのは、深川(本物)が生きていたから
……ここが、外側からシンプルに見ると、深川くん(神ちゃんの方)は「気○○い」で、「幻覚・妄想と現実の辻褄が合わなくなってついに崩壊した」(→寛解)ぐらいに見えてしまうと思うんやけど、たぶん、
 「殺したと思っていた友が生きていた」ことで罪悪感が無くなった→幽霊がいなくなった、ということなんよなきっと

 ここが地味につらいところで、あなたのせいじゃないとか、あなたが殺したわけではないとかそういう言葉で罪悪感を乗り越えてこの人生を大事に生きていくよ、ということではなく、「罪悪感が消えてなくなるのは、罪そのものが無くなった(存在しなかった)時だけ」っていう そういう質感を感じてむしろつらい
 深川(本物)が生きて目の前に現れてくれたから、自分が殺したって気持ちが完全に消えた……っていうのはマジでどっちかというとめちゃくちゃ救いのない話 逆にこれ以外の出来事では深川くんはずっと救われず、幽霊と生き続けるしかない(そして現実にも戦争によってそういう人が実際に存在し、一生幽霊(罪悪感)と一緒に生きていくしかない)んやなあと思うとだいぶほんまに苦しい話

 ありがとう深川(本物の方)くん、マジで、水筒一本で友を背負ってなんとか生き延びるってほんまとんでもないことを成し遂げてくれて、無事に再会できて、本当によかった おかげで深川ニセモノでは!?!??の気持ちはだいぶしっかり解消されました


・アスピリンについて
……解熱剤、鎮痛剤らしい 我々も日常的に利用する、歴史の長い薬 らしい
 序盤の食糧はなくても薬の瓶がある、という時点でうぐ……とはなった 依存性がめちゃ強というわけでもないみたいやけど

 ざっくり言ってしまって、統合失調症なのかはわからないけど、おおよそそんなような状態だと思われる深川くん つらい 精神疾患って「差別を受けること」「治療法が確立されていないこと」が特段にキツいやろうなと思って、
 差別は現在も存在するけど、当時のそれは今の比ではなかっただろう、深川くんがどう扱われてきたか、想像もつかないけど本当に人間として扱われなかっただろう、と思うとつらい

 医療のことは何にもわからんけど「これをやれば100%治ります」という道があるわけではなくて(どんな病気でもそうなのかもしれないけど)、治るかどうかも人によるとしかもう言えないというか、根気よくいろいろと方法を試すしかない という状況の苦しみを考えるとつらい もうつらいしか言えん どんな病気だろうとそうよな、「治るかどうかはわかりません」と言われたらつらいよ


 それこそ実験的にモルモットのように扱われてたりしてもおかしくないし、あのアスピリンがイライラや頭痛を収めるために処方されていたものなのか、偽薬なのか、依存していたのか全然わからんけど
 縋りつく相手が幽霊とアスピリンしかない中で、あっさり人に差し出してしまう深川くんの優しさがもうぐじゃぐじゃにしんどい


・長靴 よかった
……深川くんは自我が薄いというか欲がないというか、幽霊のがよっぽど我儘でちゃんと欲を持ってて…
 深川くんの要求は常に「幽霊のために○○したい」だけで、そこに希望を見出してなんとか生きていられる、罪滅ぼしに命を捧げているのが苦しい 罪滅ぼし>自分自身の望み で生きてきたんやなと思うとひーーーーーーーん


 幽霊ビジネスでみんながギランギランの金ピカ衣装に着替えて豊かになっていく中、深川くんは「穴の開いた長靴を新調したい」と言ったきりで、
 私は気づいてなかったんやけど友人が「長靴だけちゃんと新しくなってる」ことに気づいていて、うわーーーーーーんよかった…………と思った


 あのささやかな欲 というか消耗品の新調(消耗品の新調って大事よな 心も一緒に摩耗していくし すごく生きていくことを感じる行為 個人的に…知らんけど…)が果たせていてよかった……よかったよ深川くん……


・幽霊と資本主義
……お話としてすごく面白く追いかけられるし、だんだん行き詰まってはとんでもない方向に展開するの、すっげえ!!!と思って見てたし、ブラックコメディ感がすごく良かった
 資本主義のことはよくわからんのやけど、よくわからんなりにすげえよくわかった(頭が悪い)


 人間の意地汚さや愚かさ、しかしそれから離れられない、のバランス感がすごくよかった 悪いんだけど悪人とも言えず、愚かなんだけど愛嬌があり、完全に切り離すことはできないバランス感
 こっちが善!あっちが悪!というわけではないけど、欲望に呑まれていく人とそこから出てこれた人、と分かれていくのがなんというかすごくよかった 繰り返すけど深川くんが最後に母の背中を支えながら一緒に傘に入って歩いていくシーンが、「この先に幸せが待っている」って一番はっきり感じてほっとしたのよな 対して大庭夫妻と偉い人達とモデル美女がこの先どうなるか、すごくなんか想像がつく

 ナントカ社会のしょーもなさ滑稽さ、をしっかり描いてるけどやりすぎてない感じがすごくよかった 金のくだらなさと大切さがしっかり共存している


・優しくて純粋、だけではない深川くんの魅力
……あれはもう魔性と呼んでもいいような、そういう魅力を兼ね備えてるのがまたよかった 本人はにこにこ佇んでるだけなのに周りがかき立てられて何でもやりだすような、そういう…危うさとはまた違うな、なんやろう ものすごく温和なのになにか染み出してるよう
 その役柄がまた神ちゃんによく合うんだわな
 私があの世界のモブなら(??)いつの間にか深川くんに心酔して崇拝していそうだな……というのを感じる 且つちょっと恋をする 地面がぐら…とするような気持ちを何度も感じるはめになってしまいそう そういう意味で「危ない男」でもある……人畜無害ちょろ男っぽいのになんか掴みきれないあの魔法のような力……良く似合う、神ちゃんに……

・深川くんの潜在意識と恋
……深川くん、めちゃくちゃ下手っぴやけど、しっかりミサコちゃんのこと好きやったな…………雨のシーンのあのままならなさ、ラブコメのそれだったな……
 幽霊はミサコさんのことが大好きで結婚したいと思っている、そしてガンガンアピールしていく、という状態は、少なからず深川くんの潜在意識が影響しているはず
 深川くんは罪悪感に逆らえないが、それを置いといてもシンプルに奥手だから、幽霊♡ミサコを激推ししながら恋をしている……たぶん……大好きな友を押し退けて自分の恋を実らせようという発想がそもそもないタイプの人 バームクーヘンエンド直行男子 でもしっかりミサコを好きになってしまっていて……

 三角関係で身を引く役やん!?!?!!
 神山担大歓喜かつ大泣きのやつやん かわいそうに 彼そういうの似合う どうして?
 ちょっとあの あれやけど 影のある役+DVを受ける妻概念+三角関係で身を引く男を浴びてしまったらそんな……そんな……オタクは……大変よ……かわいそう……
 DVあんまりにもかわいそうでつらくてそれと同時に正直ちょっと興奮したよな

 新聞記者は結構しっかりミサコのことが好きだったけど、ミサコは既に結構しっかり深川くん一筋に好いていたし、ここも切ないものがある 彼らがギランギラン衣装にならずに済んだのは、気持ちが恋>金に傾いていたからかもしれないし、それはやっぱり金に最低限の余裕があったから、マズローでいう安全や生存の欲求が満たされていたからともとれる 恋が人を救ったというより、幸運にも恋をすることができたからそこから幸福を見つけられた、みたいな感じで受け止めている

 やっぱり「今会ってるじゃない」「そっか」が、すごく素朴であったかい恋の実り…ってなって、良いな……奇跡を結果から辿っていくと、深川くんの他人への思いやりとミサコさんの商売に対する誠意(きちんと役に立つものを買わずに……のセリフとても良かった)が根っこに見えるような…それぞれ葛藤してきたことがちゃんと繋がっているような…そんな気持ちになる…

 



結論 幸せでいて


・深川くん改め吉田くん、幸せでいてくれ〜〜〜〜〜!!!!!!!
 (ミサコさんとアイス食べに行って、つい癖で幽霊に「どれにする?」って聞きながら振り返るけどそこには誰もいなくて、はっとする吉田くん。吉田くんがしばらく悩んでから「…チョコ!」って言って隣で「私ストロベリー」って言って、それぞれが自分の欲しかったささやかなものを手に入れて、一口ずつ分け合ったり、なんか目が合ってほほ笑みあったり、一通り初々しいデートをやってほしい。いやでも時代的にはアイスクリンの方が似合うかな〜……お母さんに彼女とデートしてきて浮かれてることがなぜか全部バレてて照れ散らかしたりしてほしい。)
 なるだけめちゃくちゃ毎日幸せでいてほしい。


・神ちゃんはかわいい
 この世の真理 素敵な役と出逢わせてくれてありがとう



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