【悲しいシンデレラの殺し方/Dキャスト】舞台感想

12月2日~12月22日まで
阿佐ヶ谷アルシェにて行われた
劇団宇宙キャンパス extra act.10
『悲しいシンデレラの殺し方』
(Dキャスト/12/8~12/14)を観てきました!
忘れないうちに感想書くよ!
推しが出演していたので、所々推し語りでヤバいやつになると思うのでお目汚し失礼致します(先に謝っておくパターン)

阿佐ヶ谷は個人的に一度訪れていた土地だったけど、こんな商店街の真ん中に劇場があるなんて正直思ってなかった…
いや、小劇場って意外と街中にあるわなぁ…
駅から近いと言えど、迷子癖のある月兎さんはとりあえず早目に行って場所の確認をしないと辿り着けないので今回もインターネッツの力を借りて無事劇場を発見出来ました!
最近は検索すると誰かしら写真付きで道案内してくれてるのは本当に感謝しかない!
まだ無いけど、迷子になって辿り着けなくて開演時間に間に合わないとか絶対無理…

今回の悲しいシンデレラの殺し方(以後悲シン)は公開ゲネもあるということで、ゲネから拝見させて頂きました!
初めての本番ってのを観れるって贅沢だよなぁ

宇宙キャンパスさんの名前は以前から知っていたのですが、今回悲シンを観に行くきっかけになったのはドラス!に出演されていた関口 杏珠さんの演技をまた観たかったから!!
まぁきっかけはそうでしたが、観に行って良かったと思える本当に素敵な舞台でした…結局優ティンと合わせて7回観ました←

劇場内はもちろん感染症対策バッチリで座席数も間引いてくれていたため、ゆったり座れて正直ありがたかったです
飛沫対策なのか舞台と座席の間に薄い幕が張られていたのですが、この幕…まさかの演出上かなり重要な幕でした!


開演して暗転から舞台が明るくなれば9人の様々な格好をした女性が静止していてその間を抜けて歩いていくワタシ
努力が嫌い、劣等感が強い…って独白のシーン
分かる、分かるぞ…その気持ち…
みんな綺麗にピタッと止まってるのがマネキンみたいで本当凄かった
怠惰ちゃんと感情ちゃん、結構しんどそうな格好してたけど微動だにしないのほんと凄い
ワタシが狂気ちゃんに寄りかかってもブレずに居られるの体幹強ぇ…って思った

ボクという男の問い掛けに揺るがされたところで静止していたみんながワタシの方を向いて「じゃあ、私が言ってあげる!」って揃えて言うところ、結構好きだった
この舞台、ちょいちょい台詞揃えて言う場面があるけど、そこの一体感が凄くてめちゃくちゃ好きでした
ピッタリ合わせるの本当大変だったと思うのにみんなちゃんと揃ってるのマジで格好良い!

そこから始まる彼や自分への尽きることの無い不満と疑問を曝け出す面々
それはまるで独白のように、ワタシに問い掛けるように、ワタシを責めるように…
たくさんの気持ちがワタシに降りかかり『彼がこのまま変わらなかったらどうしよう』という不安が連鎖してみんなが不安でソワソワしだすシーン、可愛くて思わずふふっとなってしまった

ワタシの問い掛けに『自分の胸に聞いてごらん!』ってさっきまでソワソワしてたみんながキリッとした顔で言い放つところもギャップが凄くて好き

そこからのオープニング
舞台と客席の間に張ってた幕はプロジェクションマッピングの為の幕だったのか!
え、何この演出…めっちゃ格好良い…好き…
ゲネは最前列で観させて貰ったけど、オープニング映像も堪能したくて初演は少し奥の席で観たら案の定、めちゃくちゃ良かった…
しかもオープニングに使ってる曲、The brilliant greenのBlue Daisyがめちゃくちゃ合うんだが!

曲に合わせて舞台のワンシーンを切り抜いた様な静止画っぽい演出が一度観たあとだと、あ!あのシーン!ってニコニコしちゃう
しかもみんなめちゃくちゃピッタリのタイミングでライティングに合わせて表情作るから最前列で観てるとその切り替えも見れて楽しかったです!

一人一人の役名と名前出してくれるから、どの役が誰かってちゃんと分かるし、出てきた時のソロのダンスがマジで格好良い…

怠惰ちゃんがクルクル回った後にぬいぐるみ抱えてスヤァってなるの超可愛い

性的さんの全てにおいて妖艶な動きにはマジで魅了されてました(脚ガン見)

母性さんが真ん中で手クルクルする所とか聖母か?ってくらい優しさに溢れててほんわかした

自虐ちゃんが歌舞伎ばりに頭回すの、初日はハーフアップだったから本当に歌舞伎みたいだったw

理知的さんがバレエターンで舞台上を移動する所、好き!
スカートが少しフレアかプリーツ気味だったらもっとふわっとして…いや、でもちょいタイト気味だから理知的さんらしくてそこが良いんだよ!って一人で色々考えてたw

虚栄さんのスポーティだけど目を引くノリノリな感じ虚栄さんらしくて凄く良かった

走り込んでくる感情ちゃん、マジで可愛いんだが!
杏珠さん自体がそれなりに身長ある方だからかダンスが凄く映えるし、感情ちゃんの元気さがダンスにも現れてて本当好き…ダンスだけじゃないけど、指先までしっかり魅せてくれる動きが本当に好きでずっと観てられる

狂気ちゃんの演技だとちょっと猫背気味なのにダンスになるとピシッと姿勢良くなってキレが良くなるの格好良い

曲調が変わってワタシの手に縛られた赤いリボンをスルッと解いて奪う妄想ちゃん
取り返そうと追い掛けるワタシを上手く交わしてフェイドアウトするのとかこの時はそんなに感じなかったけど、めっちゃ黒幕感あるよね…

あと、みんな衣装のどこかにほわほわのポンポン付けてるの可愛い!
ワタシ、感情ちゃん、母性さん、性的さん、妄想ちゃんは耳飾り
理知的さん、狂気ちゃん、自虐ちゃんは髪飾り
虚栄さんは指輪、怠惰ちゃんは…全身?
可愛かったりスポーティーだったり、みんな格好が違う中での唯一のお揃いポイント可愛いなぁ

全員の紹介が終わってからの全体ダンス、推しがセンターなんですが!そして笑顔がめちゃくちゃ可愛いっ!ありがとうございます!ご褒美です!
マジで魅力的なダンスで本当オープニングだけで感動して涙目になってましたw
ソロダンスも良いけど、全体ダンスの一体感本当格好良い…
ワタシに歩み寄ってからみんなが振り返る所とか互い違いに立って手を合わせる所とか本当良き…

本編に突入早々、感情達の衝突が激しいなw
感情ちゃんが名前の通り感情激しいw
「はァ!?」とか「ふっざけないでよ!!」とかすげぇ力強いところがらしくて良いなぁ
「浮気じゃないのかも!」って自虐ちゃん、実は結構鋭いとこ突いた発言多いんだよね…自虐的と言いつつもちゃんと周り見えてる感じはある
あと怠惰ちゃんのピリピリムードを一瞬でもホワホワにしちゃう演技結構好きだなぁ
性的さんの本能的な気持ちに「そうだけど、でも…」って照れる感情ちゃんのギャップよ…
どうするの!?ってザワつくみんなの中でヤケになったワタシに突き飛ばされる感情ちゃん地味に好き
突き飛ばされた時に「Σぅにゃ~!?」って悲鳴上げてるの可愛すぎて無理…

自虐ちゃん&狂気ちゃんのダブルタッグ怖ぇ…
ワタシを責める自虐ちゃん
彼の悪行を責める狂気ちゃん
死にたい…殺したい…って確かに頭の中整理出来ないとそういう感情湧いてくるよね…そういうのめっちゃ分かる…
三人の異様な雰囲気にちょっと恐怖を感じて理知的さんにどうしようって訴える感情ちゃん可愛いんだが…

「まず落ち着いて!」って律する理性的さんに「落ち着けるわけないでしょ!!!!!!」って叫ぶみんなを窘める母性さんのみんなのママ感は当然なんだけど、理知的さんが怠惰ちゃんを窘めるシーンのお母さん感半端ない
「怠)考えたって無駄だもん!」「理)無駄じゃない、ちょっと黙ってて…?」ってやり取りマジ可愛い!!!!!!

場面転換で三拍子の夜に駆けるが凄く合う…
このテンポめっちゃ好きでYouTubeで探して聴きまくってます!ずっとリピートしてる!
必要人物以外を踊りながらフェイドアウトさせていく演出も格好良い…
虚栄さんから逃げるように動く性的さんの腕を掴んで踊るところ好き~

虚栄さんと理知的さん、母性さんが残って今後について話し合うシーン
「みっともないでしょ!!」って見栄を張る虚栄さんの大人っぽい格好なのにちょっと子供っぽい考え方のギャップは結構可愛いよなぁ
「別れるのはワタシも賛成だけど…」って周りを見つつもワタシの気持ちも汲んでる発言、やっぱり一番大人な考え方してるのは理知的さんだろうな
母性さんは優しさの塊のように見えるけど、結局は自分の存在意義(彼の世話)を失いたくないんだよなぁ…でも分かるよ、その気持ち…あの人には自分が必要だって思いたいよね…
性的さんは本当に本能のままに動いてるよなぁ…でも一番人間らしい感覚、感情だよね

「どうあれワタシは、今!許せないっ!!」って理知的さんの腕を掴む感情ちゃん、めちゃくちゃ怒ってるなぁ…
「感)ワタシは悪くない!彼がっ!!……ううん…」「狂)彼をたぶらかしたあの女だけは!絶対許せない…許さないっ!!」って感情ちゃんと狂気ちゃんのタッグも、感情的な狂気ってやばいけど爆発しちゃうとそうなるよね…
窘める母性さんを組み敷いて髪を掴んで脅すシーン、狂気ちゃんの好戦的な部分が垣間見えるところ好きでした
狂気ちゃんに怯える母性さんの演技も本当に脅えてる感出てて凄かった

「あー!でも居なくなっちゃヤだーーーーっ!!!!!!」「そうだけど!それでもヤだ~~!!!!!!」
「それでもまだ好きなんだも~ん…」って感情ちゃんの感情が溢れ出す演技と台詞マジで可愛い!!!!!
色々な意味で一番素直な立ち位置だよね、感情ちゃんって
ワタシが出し切れない想いを全身で表現してて、一番ワタシに近い存在な気がする
しかも要所要所でほっぺぷぅって膨らませてるのが本当に可愛すぎて…なんなんすか?萌え死にさせる気ですか?

彼に会いに行って話をする場面
この男マジで〇して良いですか?本当こういうクソ野郎消えればいいのに…
自分のこと棚上げして「それってお互い様じゃん?」とか「君にとってもでしょ?」とか、本当無理…
「そういうの辞めようよ!」とかお前本当何様?
自分から先にごめんも言わないし、好きって聞かれても愛想笑いしてうんとしか答えないし、なんでこんなクソみてぇな男がモテるのか世の中分かんねぇ…
何で女の子が泣かされる方が多いんだろう…

会話の最中、どんどん自分の中の人格が淘汰されて、残ったのは自虐ちゃんと怠惰ちゃん、それと妄想ちゃん
ほかの人格が淘汰されていく中でそれを見送る自虐ちゃん楽しそうだなぁ…
「どんな時にもワタシに、可愛いねとは言っても好きだよとは言わなかった」って自虐ちゃんのセリフ、そういうところをちゃんと把握してるの凄いよなぁ
ワタシですら気付いてない所をしっかり把握して、ワタシを貶めるためのネタにしてるのはアレだけど現状把握能力というか記憶力?が一番高いのは多分、自虐ちゃんなんだよなぁ
そして煽る時の顔が本当に楽しそうでした…

自虐ちゃんの怒涛の責めに「受け止めたくないよ!」って抗うワタシ
妄想ちゃんも千秋楽の時には自虐ちゃんにちょっと押され気味でタジタジになってたけど「受け止めちゃダメ!」って窘める言葉の必死感が凄かった…妄想ちゃん、ワタシのことを助けたいのか捉えたままにしておきたいのか…最後まで知ってると発言や行動の意味は分かるけど、夢見がちな発言が多いよなぁ

怠惰ちゃんも怠惰ちゃんなりにワタシのこと大事にしてて、壊れないように支えてくれてる
「バカみたい…また好きになって、また傷付いて…同じこと繰り返して……不毛過ぎるっ!!」ってワタシが傷付いていくことについて心を痛めてくれて、逃げてもいい、諦めていいって逃げ道を与えてくれてる
不毛過ぎるって言った時の辛そうな表情、めちゃくちゃワタシを心配してて本当しんどい

いい場面で夜に駆けるを使っていくところずるい
ワタシの独白、頭の中がグルグルしててそれを表現するのにみんなが円になって回る演出格好良い
「疲れる…」ってワタシが呟いた時にみんなが崩れ落ちるところ好きだったなぁ
ボクという男とキスした後に「だからって!何してんのよっ!!」って虚栄さんがブチ切れるあとのやり取りめっちゃ好き
「感)しょうがないでしょ!」「性)抑えられない昂りがあんのよ~」って性的さんと感情ちゃんがドヤ顔でポージングする所、本当好き!二人とも超可愛い!
その後の『感·性)意気地無し』ってところもマジで可愛い、この二人の組み合わせは本当に可愛い
理知的さんと虚栄さんは常識派だよね、逆に感情ちゃんと性的さんは完全に本能のままに動くタイプ

みんなの怒涛の発言ラッシュ、情報量多過ぎますw
特に理知的さんと虚栄さんの発言が多過ぎてスピード感にちょっと着いていけないw
そこにきての感情ちゃんの「そんな小難しく考えられな~い」って発言、怠惰ちゃんの「考えたって仕方な~い」って発言、めちゃくちゃ分かる!
その後に感情ちゃんが怠惰ちゃんとぬいぐるみでわちゃわちゃしてるのめちゃくちゃ可愛いんだが?
ここの二人のやり取り、毎回癒されてた

「何様だよ!?相手選べる立場じゃないのよ?」
「いつまでそんなこと言ってんのよ!ワタシを想って貰えるだけで感謝しなきゃでしょ!?」って自虐ちゃんの言葉って本当現実味溢れてるよねぇ…
そして感情ちゃんの振れ幅半端ねぇ…さっきまでのほほんとしてたのに今度はブチ切れ、その後の寂しさにしょんぼりするのとか見ていて忙しいけどその演技の緩急の付け方が本当凄い

自虐ちゃんの言葉で揉める面々にワタシが一言「寂しい…」と呟けばその寂しさが波及するように胸に残る不安がまた顔を出す
本当にみんな苦しそうで…助けてあげたい…
みんなまとめてギュッてして、なでなでしてあげたい!
狂気ちゃんじゃないけど、彼を消して楽になれるのなら消してしまいたい…

怠惰ちゃん、怠惰的といいつつも結構考えてるし動いてるよね…「閉じこもってれば傷付かない!何をしたって今のこの事実は変わらない!」って確かに考えること、解決することは放棄してるけどワタシを守ろうとしてるもん

みんなが苦しむ中、理知的さんの「これからのワタシに繋がるの!」の一言で一瞬にしてみんなが静かになった、と思いきや事実確認の「ワタシは彼に捨てられた…」って言葉でみんながキャーーーーーー!!!!!!ってなるの、女の子達ならではのかしましさが可愛い一面だった
事実を伝える時の理知的さんの表情もなんだかんだ辛そうなんだよねぇ…
というか、ワタシは過去に3~5人くらいのクソ男に食い漁られて来たってことだよね…あー、幸せにしてあげたいよぉ…

理知的さんのいい所って、事実は事実として認めてる事だよね、贔屓目でも感情でもなく、今ある事実をきちんと理解してるよね
そうなった理由、原因に他の人格が「それは彼が…」って彼のせいにしようとする所を「本当にそうかしら?」とか「違う…」ってちゃんとみんなに考えさせる
ここの理知的さんのみんなの説得シーン好きだなぁ

「でも!ワタシを好きになってくれる人も少なからず居たわ!」ってワタシの小さな抵抗に性的さんと感情ちゃんが後ろで一緒にドヤ顔してるの可愛い

足りないもの、要らないものを選別する場面
ワタシが妄想ちゃんの存在に気付いた時に妄想ちゃんが笑うところ、周りとの異質感半端ないんだ…輪に入ってないからじゃない、それ以上の異質感がここから先の展開に繋がる布石だったのかな

自己否定を始める面々の中での狂気ちゃんの「この件に関して、ワタシ自身を否定したらワタシはやり切れない!」って台詞の言い方好きだなぁ

そしてここからまさかのお互いの貶めあい?
一番にしかけたのは虚栄さん→自虐ちゃん
自己否定することで見えてくるものはあるかもしれないけど、何をやっても無駄だって自虐的な部分は確かに向上心には繋がらないもんね
そこからの母性さん→虚栄さん、みんなの援護射撃やべぇw
母性さんがこんな風に誰かを否定するとは思わなかったけど、確かに見栄や体裁はそこまで必要無いかなって思う
そこから飛び火するかのように性的さん→理知的さんの攻防
欲と理性、身体と頭の不一致は問題だよね
理性無く動くのも、欲が無いのも生きていく上では問題だろうけどね
ちょこちょこ後ろで入ってくる怠惰ちゃんの「可愛げが無~い」ってのもめっちゃ可愛かった

虚栄さんのいう《良い女の定義》って難しくね?
ちなみに母性に惹かれて寄ってきた男は最終的に彼氏では無く子供になるから絶対辞めた方がいいぞ…
母性さんを否定する訳じゃないが、そこを全面に押し出すと自分が辛くなるから…
そして最後にはやっぱり怠惰ちゃんがみんなの槍玉に上がるのね…虚栄さんと性的さん、理知的さんから逃げるように歩きながら「絶え間無い向上なんてものが、幸せだとは思えないっ!!」って千秋楽の時にはプンスコしながらワタシに訴えかけるの可愛かった

ワタシ達を否定する事の矛盾や不毛さに悩むワタシに語り掛ける妄想ちゃん
「ワタシには要らない、ワタシには夢さえあればいい。」ってその夢って妄想ちゃんの事かな…

世を渡る知恵は理知的さん
母である必要は母性さん
見栄は虚栄さん
ヒステリックさは感情ちゃん
快楽は性的さん
殺意は狂気ちゃん
卑下することは自虐ちゃん
怠けることは怠惰ちゃん
夢は妄想ちゃん

ワタシがシンデレラになるためには妄想ちゃん以外のみんなは要らないってことだよね…妄想ちゃんはワタシをシンデレラにする為の存在なのかな?
「そうすれば運命がいつか王子様と引き合わせてくれるの!」って本当に夢見がちな発言だけど、きっとワタシは小さい頃からそれを信じて生きてきたんだよね…
妄想ちゃんは他のみんなが生まれるよりずっと昔からワタシと一緒にあるんだろうな…

そしてワタシに対しての妄想ちゃん強過ぎる
本当の幸せに他人は関係ない
人は自分の世界の中だけで生きていける
それは他人に期待せず、自分だけを信じて生きていくことが正しいこと、幸せになることだってワタシに言い聞かせて…洗脳じゃないか、それ…

幸せになりたいと望むワタシ
当たり前の生活がしたい理知的さん
無償の愛を与えたい母性さん
無条件に愛されたい感情ちゃん
穏やかに暮らしたい狂気ちゃん
人が羨むものでありたい虚栄さん
女であり求めて求められたい性的さん
楽に生きたい怠惰ちゃん
傷付きたくない自虐ちゃん

幸せの定義って難しいけど、各々の望む幸せの形は素直なものだよね…みんなが思ってること、求めてることだけど、なかなか叶えられないこと…
妄想ちゃんが「思うの!!念じるの、いつかきっと花開く…」って優しく言い聞かせるけど、本当にそれが幸せなのかな…
思うだけ、念じるだけで何も行動しないで幸せが訪れてくれるなんて、そんな努力も過程もない幸せ、つまらなくない?

彼の行動を思い返すワタシの独白
どんどん気持ちが溢れてきて見ていてしんどい
「自分はワタシのこと好きでもないくせに、ワタシには自分のことを好きなままで居させたい」
確かに自分に向けられた好意って心地良いよね…
だけどあげた分、返して欲しいって思うのは人間の性だから…見返りのない無償の愛を与えられるほど出来た人間なんて少ないもん
恋愛感情って本当に難しいよね…恋愛じゃない好きなら見返りなんて求めないのに、それが色恋沙汰になった途端に見返りが欲しくなる
承認欲求に近いのかな…でも誰かに、特に好きな人に必要とされたいって気持ちはすげぇ分かる…

『誘われるままに逢いに行き、促されるままに肌を重ねてしまったんだろう…』ってワタシと性的さんが同調するところ、しんどい場面だけど台詞とか演出とかめっちゃ良き

皆からの問い掛けに自暴自棄になっていくワタシ
自虐ちゃんが畳み掛けるように更に自分を貶めていくの、自虐ちゃんらしい責め方だよなぁ
理知的さんと虚栄さんに諭されて「うん…」って返事をするワタシがすごく幼く見えた
「我慢してれば、世界は自分が望むように変わるはずだ」ってそんな都合良く世界は動かないんだよ…
「馬鹿みたい…」「くだらない…」「変わった?」「なーんも変わらない…」「悪化してるわよ…」
辛辣だけどワタシの中のワタシ達は理解してた
だからワタシが都合の良い夢ばかり見ていることに対して各々が舵を取ろうとしてたのかな…

母性さんと狂気ちゃんの掛け合いからの「理解とは頭でするもので、心は納得していないのだろう…」ってどんどんワタシの気持ちが溢れて来る演技はしんどいけど好き

「妄)なら全部要らないのy「じゃあ!貴女も要らないっ!!!!!!」って妄想ちゃんの言葉に怒鳴ったワタシがハッと気付いて「何で、ここに居るの…?」って返すけど、対話ではない文章を読んでいるような台詞の時はワタシ一人の空間ってことかな?
怒鳴り否定された妄想ちゃんも一瞬驚いた様な傷付いた様な表情するけどニッコリ笑って「そっか…」って意味深な言葉を残して消えていくの、本当にラスボス感出てきたよなぁ…

「……他の何も見ようとして来なかったから、今の私にはなーんにも無い…」ってワタシが自虐っぽく言えば自虐ちゃんがすかさず「そう!そういうこと!」って笑顔で応えるのは結構くるものが…そこからの怒涛の自虐ちゃんと怠惰ちゃんのワタシに対する責めは自己嫌悪で容易く心折られちゃうって…
理知的さんと虚栄さんが二人を必死に黙らせようとするけど、自虐ちゃんと怠惰ちゃんの言葉は弱ってる心にはめちゃくちゃ刺さるよね…

「ワタシは強くない!!」
「ワタシはな~んにも持ってない」
「本当に上手くいくと思ってたの!?おめでたいにも程がある!」
「じゃあ、その為に何をした?何もしなかった」
「人に好かれるだけの何かがあるの?ワタシに!?」
「期待をするのは簡単だ、誰にでも出来る…希望を叶えるのは困難だ、誰にでも出来る訳じゃあない」
「少なくともワタシには無理だ」
「それだけの魅力がないからよ」
「それだけの努力が足りないからよ」

二人の怒涛の責め、何処かで自分が感じて気付かないようにしているいる不安
抵抗するけどジワジワと責めてくる自虐ちゃんと怠惰ちゃん…ワタシの一部だからこそしっかり弱点を理解してる
心が折れるくらいで済むものじゃない、実際これ言われたら俺なら壊れちゃうな…

心が折れて塞ぎ込んだワタシを心配する面々に、しょうもないLINEを送ってくるボクという男…正直ウザイけどここまでしんどいシーンが多かったから言い回しとか演技には微笑ましさすら感じてしまう
でもこのLINE、気持ちは分からなくもないんだよなぁ…俺もこういうことやっちゃうから…

送られてきたLINEに対する個々の反応w
狂気ちゃんの「イラッとすんな、コイツ!!」とか虚栄さんの「うぜぇ…」とか怠惰ちゃんの「ほんと面倒くさいヤツだなぁ…」とかみんな結構素で言ってる感あって好き

狂気ちゃんと性的さんと自虐ちゃんがワタシと同調して「この際、誰でもいい…」って自暴自棄になってボクという男の誘いに乗ったフリをするシーン、シンデレラから掛け離れた行いをしようとするワタシに妄想ちゃんがめちゃくちゃ焦ってる…
「なんで?心の赴くままで良かったんじゃないの?」って妄想ちゃんに冷たい笑顔を向けるワタシ、全てを諦めた笑顔が見ていてしんどい…

「ワタシはか弱い女の子…」って妄想ちゃんがワタシに思い出させる様に投げ掛けて『誰かに愛され、誰かに護られ、誰かに幸せにして貰わなきゃ…そんな存在…忘れてはダメ…』ってどんどん二人の台詞が重なっていくの、やっぱり洗脳じゃん…
しかもこの台詞、他のみんなにはワタシの声でしか聞こえてないっぽい?
その台詞に対して各々が慰めるように言葉を紡ぐ中、前を向こうとするワタシをやっぱり妄想ちゃんはワタシの成長を阻害してるよね

自虐ちゃんと母性さんが見せたワタシの弱さ
今までのやり取りの中でワタシの弱さを見せる部分ってここが初めてだよね?
「ワタシは劣等感が強過ぎるから」
「人に嫌われるのが何よりも怖いから」
だけどワタシだけじゃないよね、コレ…
むしろこの気持ちを持ってない人間って居る?
自己肯定感の低さと、承認欲求
普通の人であればあるほど、周りに凄い人が居ればいるほど、自分はゴミ屑みたいな存在だと思えてしまうから…

ここの自虐ちゃんと母性さんの素直さ、これが本来の姿なんだろうなって思った
二人の言葉にそっと手にしていたノートを開く妄想ちゃん、笑顔だけどちょっと怒ってるよね…表情は穏やかに見えるけど目が全然笑ってないもの…
ワタシに対する時と一緒、威圧感と目力が凄い
狂気ちゃんが「おかしいじゃない!理不尽じゃないのっ!!」って言い寄れば妄想ちゃんは開いたノートの1ページを勢いよく破りクシャクシャにする、黒幕キター!!って感じでめちゃくちゃ格好良い
真っ白な衣装で可愛らしい女の子なのに内面めちゃくちゃどす黒くてほんとラスボスって感じな妄想ちゃん好きだわぁ

「この世が理不尽だと思えばなんだってそう…でも生きていかなきゃならないの…」って語る妄想ちゃんの一言一言を噛み締めるように言うところとちょっと辛そうな表情…完全悪ではないんだよなぁ

劣等感が拭えない自虐ちゃん
誰かに依存して無ければ不安で仕方ない性的さん
努力は嫌いな怠惰ちゃん
素敵な女に見られたい虚栄さん
見捨てられるのが怖い感情ちゃん
傷付くのが怖い狂気ちゃん
愛を忘れ愛を錯覚する理知的さん
みんなから嫌われるのが何よりも怖い母性さん
他の誰かに護られたい、他の誰かに依存したいワタシ

みんな各々が抱えている弱さを見せながら妄想ちゃんから赤いリボンを受け取るの、意味深過ぎる…
「仕方の無いこと、ワタシが決めたこと、みんなで選んだこと」ってにっこり笑う妄想ちゃん、この場面においてはその嬉しそうな笑顔が不気味だった

今までのいざこざが無かったかのようにいつも通りのみんな…ワタシもそのおかしさには気付いていたんだね
語りながらみんなの赤いリボンで小指を結いて回るワタシにボクという男が訴えかけるところ、ボクという男のワタシを変えてあげたい、きっかけを作りたいって気持ち、本当に優しいなぁ…

【シンデレラコンプレックス】
オープニングでは“ シンデレラ”の部分に着目してたのに、みんなとの対話によって“ コンプレックス”の方に着目するようになったワタシ、この短期間でちゃんと変わって来てるのが分かってちょっと泣きそうになった

自虐ちゃんの必死な抵抗、傷付きたくない、ワタシを傷付けたくないって気持ちの表れなのかな
今までの楽しそうに煽る姿からは考えられない必死さのギャップが凄い

みんながごにょごにょ言いながら頭を抱えて今までの自分や対話を思い返してワタシが悩む演出凄いなぁ
プロジェクションマッピングも使いながら今までの対話を巻き戻しのように、後悔するように、反芻するように、一つ一つの言葉が、行動がここに繋がるんだ…全部の台詞が同じでは無いけど、ワタシが、みんなが辿ってきた時間がワタシの中でグルグルぐるぐる巡っていくって演出好きだなぁ

(ちなみに理知的さんの「自分を強く持たなきゃ…食い物にされないよう、淡い夢なんか見てはいけない…いい加減気付かなきゃ…」って台詞の追加、感情ちゃんの台詞が「やり直せると期待した?」から「心から愛してくれると期待した?」に変わってた事には気付けた)

ボクという男に病んでる事を指摘されて出てくる不満はオープニングでみんなが言ってたこと
『恋に落ちたはずなのに、何故こんなに惨めなのっ!!』って台詞、あの時は自虐ちゃん一人だったのに全員での悲痛な叫びに変わっていてしんどい…

自問自答するワタシに笑顔で「どうするの?」って優しく尋ねる妄想ちゃんがマジで黒い…
「待っても何も変わらない…変わらないと、傷だけ増えていく…」ってワタシが嘆いてるのを優しく慰めてるように見えるけどワタシの弱い所をジワジワと責めてくる精神攻撃、だいぶ抉られるよね…

本当は支えて欲しかった、弱さの裏返しとして生まれた理知的さん
寂しさに耐えられなかった、ただ助けを求めていた感情ちゃん
辛い思いをしたくなかった、言い訳の裏返しとして生まれた怠惰ちゃん
誰かの特別でいたかった、ただ存在を認めて貰いたかった虚栄さん
自分を分かって欲しかった、吐き出せない本音の裏返しとして生まれた狂気ちゃん
優しく抱きしめられたかった性的さん
傷付きたくなかった、自己防衛の裏返しとして生まれた自虐ちゃん
嫌われたくなかった、否定されるのが何よりも怖かったから生まれた母性さん

傷付いた心を修復するため、心が壊れないよう守るため、傷を傷だと認識しないようにするために、それを統括する妄想ちゃんがずっとワタシを守ってきたんだね…

愛されていることが常に不安だった感情ちゃんと狂気ちゃん
気に入られようとした、あらゆる努力に疲れた虚栄さんと怠惰ちゃん
抱きしめて貰えないのは拒否されているのと同じことだと感じてしまった理知的さんと性的さん
嫌われたくない自虐ちゃんと母性さん

みんながワタシを護るために、生きていくために、幸せになるために生まれたはずの人格…
特に妄想ちゃんは誰よりも早く、誰よりも深くワタシを護って来たから、ワタシのこと本当に大切で大好きなんだよね…
だから自分から離れて変わろうとするワタシの変化が怖かったんだろうな
確かに8人の人格のうち、誰が欠けても上手く立ち回れないよね

「赤い糸は結ばれるものであって縛られるものじゃないんだ!」ってボクという男の台詞、そこからのワタシ達と妄想ちゃんのやり取りは胸熱展開だった
優ティンも観てると更によく分かる部分、ワタシの口から出る言葉がワタシだけじゃなく妄想ちゃんの言葉だったり、開いたノートのページを捲りながら予想外のワタシの考動に焦ってたり、妄想ちゃんの必死さが凄かった

『今なら、それを信じてみたくなった!』ってみんなが指を縛る赤いリボンを外して空に投げる演出めちゃくちゃ好き
「勝手なことばかり言わないでっ!!!!」って結構高めのヒールでノートを振り回しながら暴れるところ、ここらへんで毎回涙目になってた
「ワタシを護れるのは私だけなの!」って泣きながらワタシに抱きつく妄想ちゃんをそっと引き離して、それをみんなが受け止めて…
『仕方ないわね、想いの強さに気付いたのだから』ってみんなは気付いてたけど、妄想ちゃんだけはきっと気付いてなくて、排除されるって怯えてる妄想ちゃんをワタシが抱き締めて、みんなも笑顔でそれを見守るの本当に優しい瞬間だった
毎回泣いたけど、千秋楽号泣しましたよ…
みんなが本当に素敵過ぎて…

「私だけがワタシの味方なのに…ずっと私が護ってきたのに…ずっと私が傍に居たのに……」って妄想ちゃんが涙声で言うところ切ない…
ここで抱き締めたまま向きを変えてワタシが「ずっと護ってくれてありがとう…一番近くで、ワタシを支えてくれてありがとう……」って妄想ちゃんの気持ちに応えて妄想ちゃんが床に叩き付けたノートを拾って前を向くところが更に涙を誘う

「ワタシは、貴女が居た時間を大事にするね!貴女が護ってくれたワタシを、もっと幸せにしていきます!」って過去を否定するでも拒絶するでも無く、貴女が居たから今のワタシが有るってスタンスのワタシ、格好良いぞ!

感動してたところでボクという男からの告白、それに対しての心の声達、素直すぎるっしょw
告白に盛り上がってわちゃわちゃしてるみんなめっちゃ可愛い~

「これからのキミの時間を全てボクにください!」ってボクという男の、大事なことだから2回言うその姿勢、嫌いじゃないよ!
初演の時の感情ちゃんのツッコミ、「2回言った!?」よりも後半以降の公演の「2回、言った…!?」って言い方が好きだなぁ

「その代わり、ボクが生まれてきた理由を全てキミにあげます」って告白の後半を聞いてバタバタするみんなマジで可愛い!
「恥ずかしーーーーー!!!!!!!」って悶える理知的さんめっちゃ可愛いし、母性さんの「必死で考えて来たんだよぉ!」って台詞のここに来てのママ感にキュンときた

「どうする?どうしたらいい?」ってワタシがみんなに尋ねるところ、他力本願なわけじゃなく貴女達の意見も尊重するよって感じのどうする?なのが本当にグッとくる
みんなが頷いて『ゴメンなさい!!!!!!』って断るのも、「一人で……ううん、みんなで頑張ってみたいの」ってワタシが宣言するのも、ワタシと妄想ちゃんがノートを手に『ワタシはいつまでも傍にある』って笑顔のみんなに囲まれてるのも、なんか感動しちゃってまた泣いちゃうから!

一人の女の子の本来見えないはずの感情の起伏や心理状況、己の中の葛藤や調和
誰でも一度は感じた事があるんじゃないかって事をこうして第三者目線で観ていることでより一層感情移入出来たり、愛おしく感じたり本当に素敵な作品でした!
ABもEFもタイミングが合わず観れなかったけど、無理なのは分かってても映像化してまた観たいと思いました
ほんとこのご時世で気が滅入る事ばかりだけど、舞台上演を躊躇う団体さんも多い中、こんな素敵な作品を作り上げて上演してくださった演者の皆様、音響、照明等裏方の皆様
皆様の作り上げた最高の舞台を拝見出来たこと、本当に、本当に幸せでした!

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