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ラノベ作家の知名度を見た話【アップグレード版】~その結末も添えて

本記事は2020年10月4日pixivFANBOXに投稿したモノになります。前回、『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』に関して触れたこともあり、こちらにも掲載します。

最も、私自身pixivFANBOXの運用について、活用できず放置していた記事の再利用といった側面の方が強いかも知れません。

それでも当時、思っていた部分に対して、時間が経ったことで明白な結果が出たことに対し追記し、アップグレードして再投稿を行っていきます。


●ラノベ作家の知名度を見た話

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』のTVアニメ化が決定された。

さて、私は別の所でも書いているのだが、ラノベ作家とイラストレーターの実績、知名度の格差を危惧していた。

画像は2020年10月3日にスクリーンショットしたもの

これは先ほどスクショしたモノだが、作者とイラストレーターがアニメ化発表をTweetしたモノである。注目したいのはRT、いいねの差である。その差は歴然だ。

画像は2020年10月3日にスクリーンショットしたもの(アイコン、写真部分は加工)

比較用にヒロインを務める女性声優のTwitterも載せておきます。

確かにイラストレーターのしぐれういは最近の活躍ぶりを考えれば、もはやインフルエンサーといえるだけの影響力がある。しかし、このようになってはラノベ作家というかライトノベルの意味とは何かになる。

イラストレーターに抱っこされた作家となりかねないからだ。

ここではそこまで深く語らないが、私がpixivFANBOXを始めた理由の一つでもある。

ラノベ作家であっても、イラストレーターに負けないクリエイターになることである。
その為には色々な方法があるだろうが、ただ作品を書くだけでは到底無理だろう。

だからこそ、作家が前に出て、作家イメージのブランディングしていく必要になると思う。実際、しぐれういもそういった格好で知名度を上げている。

それゆえ、pixivFANBOXという作家とファンの繋がりが強く持てる場で有効だと考えている。確かに広く打って出るにはYouTube等に行った方が早いが。

また、インフルエンサーと手を組むのも一つの手だろう。

特に結論はないが、最近思っていたことに対して、例を出しやすかったので『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』のアニメ化に関して語ってみました。

●結果はラノベ作家の実力を見た話だった件【アップグレードパート】

前回、一応作品の関連性から二丸修一氏の『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』にも触れていた。

そこでは記事の本流から脱線となると切り上げた部分もあるので、改めて『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』を主軸にして語っていきたい。

・しぐれうい氏って、下手だよね

いきなり、『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』がつまらないと書く以上に炎上しそうだけど、まずこの点は語っておかないといけない。

アニメの作画クオリティにも関係してくるからだ。

さて、自分はしぐれうい氏が有名になっていく一方でライトノベルでの実績に触れてこなかった。それもあって『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』の原作を購入してチェックしていた。

その際、思ったのは「しぐれうい氏って、下手だよね」。

再三、言うようにだけど、感想の第一声だけでは炎上するのは分かっている。ここでの下手とは、読み進めていくとカラーイラストほどモノクロ画は魅力が発揮されていないと感じた。

確かにライトノベルは表紙が重要といわれるが、それは購入される時の要件。しかし、読み進めるに当たっては逆に挿絵の方が重要になってくる。

そこでなんとも言えない挿絵が出てくると読み続ける事に対して、萎えてしまう。それだけにライトノベルにおいて、モノクロ画が下手であることは、ある種致命傷と言える部分ある。

作品の作者は、アニメの作画クオリティにいまだ愚痴をこぼしているようだが、しかし見る人が見れば原作が初めて書籍として形になった時点で示されていた結果でもある。

しぐれうい氏のイラストの魅力とは、私が思うに一瞬の切り抜きを、一枚絵に落とし込む目線を持っていることだと思う。それだけにアニメとして動かすのは相性が悪いと思う。
また、他の人が真似しにくい目の書き方、彩色もあるだろう。

考えてみると、これだけ一時代を築いた絵柄なのに後発がいないのは、唯一無二であり、真似が出来ない証明ではないか?

実際、アニメにおいても、この目やシーンが描き切れていないのは見て取れる。

ただ、VTuberの場合、アニメーション技術の性質が違いから、しぐれうい氏の魅力が維持できているのではないだろうか。

瞬間の美、目の彩色、この2点だけでも、この作品のアニメ化が無理難題なのがよく分かる。
また、挿絵のモノクロ画が、下手と感じさせる要因だとも思う。

しかし、動かすことが難しいのならアニメ用に別のキャラクターデザインに変える手だってあっただろう。ただ、それが出来なかっただろう。

そう、ラノベ作家の知名度がイラストレーターに負けている以上、そこを曲げるわけに行かなかったのだ。ここが当時に危惧していた点である。

とはいえ、アニメ化発表時点で作画クオリティまでは予測できる話では無かったのだが。

・円盤89枚が示す、ファンがいない現状

“円盤89枚”と書くと察しのいい人なら、あの作品と分かることだろう。

さて、『こちら、終末停滞委員会。』の推薦文には『スパイ教室』の竹町氏も入っていた。

私は『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』のアニメ自体は見ていなかったが、『スパイ教室』のアニメは見ていたこともあり、話題をこちらに移していく。

この作品は作画クオリティは良い方だが、どちらかと言えばつまらない評価が多かった気がする。
ただ、私としての評価はつまらない以前の問題。ここに関しては話しているとキリが無い。

しかし、作品を見ての感想とは個人個人で違うもの。相対的な評価でモノがいうのは販売数などであろう。

では、その結果が『スパイ教室』円盤2巻89枚である。

ただ、この数字が初動だけなのかどこまでのモノか分からない。それでも他作品の100分の1、1000分の1では、完全に面白くないと市場から評価された言っても言い過ぎではない。
確かにアニメの販売スタイルが配信に変わっているとはいえ、それでも他も同様な数字なら否定する材料になるだろう。しかし、それはない。

ここも前回語ったが、『こちら、終末停滞委員会。』の推薦文を載せている作家はアニメ化で失敗している人が多い印象というか、結果から見てもなかなか言い逃れも出来ない部分がある。

はっきりいって、二丸修一氏が作画クオリティで嘆いた事から比べれば、この現実から比べればまた有情である。ただ、『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』の円盤売り上げに関して私は知らないし、あえてここでは調べないけど…

確かに円盤、メディア媒体の購入は高いとはいえ、それでも89枚。熱心な読者、ファンというのは明らかに作品の部数と比例していない。
『スパイ教室』にしても今現在ではシリーズ累計100万部を超えている。ただ、円盤購入者にいたっては100人にも至ってなかった。

過去の記事内でも、作家とイラストレーターの人気の差を語っていたが、それ以上に作家とファンの繋がりが強く持てる場の有効性も語っている。

ネガティブな結果よりも、熱心な読者がいないことの露呈の方が作品、また作家としては一番の致命傷ではないだろうか?

そして、ファンがいないからこそ拡散されるのは作画が悪さだけ。
本来、挽回の機会である物語が良し悪しがファンからも話題に上がることは無かった様に感じる。

・アニメ制作委員会で犠牲になるのは作家だけか?

実は、作画の悪さ、円盤89枚であっても、アニメとしての売り上げには大きな影響がない。

それがアニメ制作委員会によるリスク分担であるから。

現在にしても、多くのアニメが制作されている。だが、そんな制作現場はパンク寸前といわれている。

事実、今期のアニメ『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』にしても放送時期を延期した上で放送されている。その理由は曖昧ながらも、アニメ制作が遅れから来ているのは、ほぼ間違いないだろう。

制作現場が混乱して、その出来上がりの結果も散々なのに、アニメ放送が無くならないのは売り上げが維持できているからだろう。

アニメ制作委員会の功罪に関しては話が長くなるだけだし、我々、一視聴者からはベールで隠れている部分も多い。それでも見えてくる部分、関係者の証言だけでも、今の異質なアニメ制作環境なことは明白になっている。

特に近年のIR資料、企業が投資家に向けて開示している情報を読み取っていくとアニメ化は投資家向けにやっているのでは無いかと思いたくなる文言で飾られている。

それだけに魔法なければ、今の現状とは無理なのである。

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』のアニメーション制作、動画工房にしても、2024年7月にはKADOKAWAの子会社となっている。そういったアニメ制作がより収益モデルを追求しているのは感じるよりも、数字化されているのが現状。

さて、そういったアニメ化で粗製濫造される事を恨み節を語っていたので、『こちら、終末停滞委員会。』の推薦文ではないかと見ていた。

今回、過去の記事を読み返して、見えてきた部分にもリンクする。ただ、それ以上にその回避策して作家イメージのブランディングの重要性がより浮き彫りになった気がしている。

ここはさらに前作に当たる、「打ち切り」ではなく、作家のネームバリューが上がる可能性でも触れた点である。

作品だけでなくクリエイター支援サイトの重要性は、新たな形の創造においても今、結果となっている。

それでも、その結果が商業作品として、またアニメ作品として形を変えているのも事実。

とある特撮番組で「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」と当時の兵器開発を皮肉っていたが、その特撮番組含めたアニメ制作自体が、この皮肉のループにはまるとは当時の脚本家も予想はしていなかっただろう。

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