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マシーナリーとも子と収益性 ~色物でありながらの堅実さ

昨今のバーチャルユーチューバー、VTuberは市場においても無視できないモノになっている。何しろ、1億も超えるスーパーチャットを貰うVTuberを筆頭にスーパーチャットのランキングをほぼ占有しているのだから。
ただ、そういった爆発的な伸びに対して、認知度はまだこれからという面もある。何しろ、誕生してまだ日が浅い存在であるからだ。

さて、そんなVTuberの代名詞であるキズナアイ登場後の多くのVTuberが群雄割拠し始めた頃に登場した異質な存在がいた。

彼女の名はマシーナリーとも子。登場時のキャッチコピーは『48時間でバーチャルユーチューバーになった男』。それほどにインスタントな存在が多くが誕生して、消えていったVTuber群雄割拠の中を生き抜き、今も存在し続けている。

案外、注目されないが、この点はすごいことである。

マシーナリーとも子の人気の秘密とでもいうべきモノは多くの人に語られている。そのため、今更、その点を語っても仕方がない。今回、私は多くのVTuberが生まれ始めた中で生き抜いた収益性に注目して、正統派と比べて完全に色物な彼女の強さ、秘密などを紐解いていきたい。

■強さの秘密は48時間での爆誕だけではない

マシーナリーとも子の誕生秘話に関しては、自ら語っている記事がある。
ただ、概要だけ説明しておけば、「アイドルマスターシンデレラガールズ」の池袋晶葉を応援するためだけに突発的に作られたVTuberである。
そして、喋りは合成音声である。

ただ注目したいのは誕生から48時間というスピード感ではない。「マシーナリーとも子 Wiki年表」から注目したいポイントを抜粋する。

2018年04/23 バーチャルユーチューバー・マシーナリーとも子製作開始
2018年04/25 バーチャルユーチューバー・マシーナリーとも子誕生
2018年04/29 BOOTHにとも子屋開設

注目したいのは活動開始から1週間も経たないうちにグッズ展開をしている。グッズの中身に関しては【マシーナリーとも子 第3話/IP商売】を参照のこと。

2018年07/09 LINE STOREでマシーナリーとも子スタンプ第1弾発売

今度は数ヶ月経たないうちにLINEスタンプを出している。

2018年09/07 ねとらぼにマシーナリーともコラム掲載開始
2018年12/11 『スマホだけでもOK! VTuberのはじめかた』発売

1年も経たないうちに知名度からライター業、そして、48時間での誕生は制作方法は書籍となった。

これで私が言いたいことを感じてくれただろうか。既にタイトルからも語っている通り、マシーナリーとも子は48時間での爆誕以上にマルチな収益性を開始後すぐに得ているのである。

昨今のVTuberであれば、YouTubeからの収益、配信によるスパチャがメインといった印象だ。当然、企業案件等もあるが、それは知名度がない時期では期待できない。グッズ販売もあるにしろ、展開の仕方によるだろう。

だからこそ、VTuberにとってYouTubeからの収益がスタートラインになってくる。

ここがマシーナリーとも子が他のVTuberとは違う独自性を獲得して、生き抜いたポイントの一つであると思う。
活動するに当たっては収益性がなければ、続けることが困難である。
特にお金をかけて作り上げたVTuberが、その収益性が確保できなければ消えていく切っ掛けとなるからだ。

切っ掛けはどうであれ、マシーナリーとも子は活動開始から一週間も経たない段階で収益性の確保しているのである。それで儲かっているかは知らないが…

ただ、グッズ展開に関してはマシーナリーとも子も利用しているBOOTHを利用すれば、元手も商品も、仕舞には倉庫も自身での発送も必要なくグッズを販売できる。
ドラえもんの秘密道具にも「キャラクター商品注文機」なる物があるが、BOOTHは完全にこれと同レベルである。

■誕生秘話だけでなく、収益に関しても自ら語る

マシーナリーとも子がここで語るように、YouTubeからの収益に頼っているのではなく、フリーランスとしての仕事がメインのようである。そもそも、YouTubeでの収益は明らかにされているようにお小遣い程度。
それでもお小遣い程度の金額は得ているのだ。これを少ないと見るか多いと見るかは、人それぞれだ。

先ほどの無料部分でも語られているように『48時間でバーチャルユーチューバーになった男』から続く、マシーナリーとも子の注目度を看板にして、フリーランスとして売り続けているのである。

今の時代、1万以上のフォロワーがいるクリエイターであれば、自然と仕事が舞い込むと聞いたことがある。
ただ、フォロワーの多さが仕事を頼む決め手ではなく、1万人以上のフォロワーが注目して見に来る実績のあるコンテンツを持つと判断しているからのようだ。フォロワーの多さというよりは一種のスコア、ステータスである。

マシーナリーとも子にとって、現在、YouTubeのチャンネル登録者数1万も突破していない。Twitterは2万だ。

だがしかし、彼女の強さは一概にフォロワーの多さでは表せない。先にも書いたように48時間での爆誕、グッズ展開、LINEスタンプと話題が誕生から途切れることが無かった。そんな誰とも分からない、VTuber、特に2年前であれば概念自体、不透明な中で彼女はTwitterなどに時たま現れて、インターネットミームのシンギュラリティを起こしたのである。

そうした彼女のコンテンツは実績となり、知名度とともにフリーランスとしての仕事に結びついたのだ。

確かに、彼女は色物VTuberではある。そして、その収益性に至っても、他のVTuberとは違う。だが、この点はあまり注視されていない気がする。
それもそうだ、正統派VTuberがフリーランスとなっても仕方がない。

ただ、この売り方はクリエイターからのVTuberになった者に見られるスタイル。VTuberをある種のポートフォリオ(いわゆる「作品集」の意味)のように宣伝として節がある。

また、佃煮のりおプロデュースの犬山たまきもマルチな収益性を売りにしている。YouTubeだけでなくbilibili、グッズ、同人誌などと、ここでは金融的なポートフォリオ、分散した備えで展開していること明言していた。

■でも、マシーナリーとも子の真の強さは虚無性

マシーナリーとも子の活動は多岐にわたる。そして、それらに収益性がある。売れる売れないは別にしても、これからの時代はこのようなスタイルでもなければ、個人でコンテンツを続けるのは難しいだろう。

さて、そんな収益以外のマシーナリーとも子の強さを最後に紹介して終わろう。

こちらは「スキ」が脅威的な800超え。特に内容があるわけでもないのに、この数字。虚無性の強さに驚愕である。
従来のマシーナリーとも子コンテンツの記事だと10とちょっとがいいところなのに。ただ、このスキの数がnoteでの真のファン数なのだろうが…

また、そういった虚無回は旗艦コンテンツであるYouTubeの方でも健在。

そもそも、カップヌードルのプラモデルに意味を見いだそうとすると、虚無しかないのだが…
そもそも、タイトルからして「テセウスの船」。パラドックスである。

最後になったが、肝心なマシーナリーとも子の目的、池袋晶葉の応援、強いては総選挙で上位入賞は…まだ道半ばである。

■おまけ 感染するVTuberの虚無性

ちょっと、マシーナリーとも子の話でしぐれういの話題を出すのは申し訳ないが、これはこれでアレだと思うニュースが入ってきたので、関連性もあるのでついでに紹介させて頂きたい。

しぐれういもVTuberでなければ、1イラストレーターとしてキャラクターのデザインだけで終わっていただろう。これがVTuberという実績が結びつけた仕事なのだろうか、また、虚無性なのだろうか…

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