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1952年 7月4日うまれ

このシリーズは1000までいくかもしれない。

これは私の父、母のダンナとの記録として。

どうして記録かというと書きたい人はもう
この世にはおらず、忘れないけど忘れないために。
そして今日7月4日は父の誕生日だから。

メチャクチャにやんちゃな父は2014.3.12に
私たちをおいてこの世からいなくなってしまった!
どーなってんだ!善い人から先に、というのは
本当の話だった (自他ともに認めるファザコン)

何から書こうか
愛情たっぷりの父はいつも私の味方だった
いや、母の味方がいちばんで、私はその次。

さかのぼること数十年
ちょっと家から離れた高校に通っていたわたしは
6:43の電車に乗るのがホントにつらかった。
家から駅までは車で5分。
ギリギリ35分に家を出て、駅に着き3分で
階段を駆け上がり電車とともにホームに着く。
という日々。
日々というか、週一回。

家と学校の往復に合計3時間は無駄ね!
と言った人がいたからだ。ピアノの先生。
音楽高校に通っていたわたしは1日3時間の練習が
命綱になったから。だから帰れるのは週末だけ。

よって月曜日の朝は戦争。

大げさに言わなくても起きるのは6:20
15分で着替えて歯磨きしたら朝ごはんを食べながら
父の待つ車に乗り込む。
父は救急車とか運転する人だったから
信号無視はお手のもの(時効です)

いうても駅まで信号ふたつくらい。
田舎の朝は車なんていないもんだから。

でもそれでも起きるのが遅い日がある。
出発して1分は車中でさんざん怒られ笑
家から第一回目の信号、左に曲がると学校
(とはいえ高速にのって1時間半先に)
まっすぐ行くと駅(4分で)

父、そこを左に曲がった!

やったーーーーーーーー!

軽トラで玄関ならぬ校門横付けや♡
「おまえさぁ、もう5分早よ起きろよぉ
帰ってお母さんに怒られるの俺やし〜」
という具合に甘やかしてくれる。
そして必ずいう
「とーさんのフェラーリ(軽トラ)はよぉ走る」

私が母に会うのは少なくとも1週間先。
父は遅くとも3時間後。
母の怒りが頂点に達したころである。
ごめんよぉ。
でも私は先生に怒られずに済む。
落ちるところまで落ちた内申点もセーフ。

こんな具合で何回送ってくれただろうか。
2日に一回休みの日だった父には頭上がらず。

まぁ、たまには左に曲がっても次の次の駅くらいで
降ろされる時がある。ゴルフの日。
田舎の道はすいていて、朝早くの鈍行電車には
すんなり追いついてしまうのだ。
下手をすると追い越してしまう。

フェラーリだから。

こうして思春期であるはずのわたしは
甘やかされるだけ甘やかされて
おまけに離れて暮らしていたのが功を奏し
父を嫌うという経験もなく、むしろヒーローだった。

週一回帰ってくる時は途中駅の繁華街で降りる。
洋服やさんをかけずり回る。
欲しい服がみつかると父に電話をする。
まだ大きくて重くて黒い携帯電話に。

通話料なんてバカ高いし公衆電話に小銭は泡の如く
吸い込まれていく。それでも欲しい服がある。

だから「迎えて欲しい」とつたえる。

「お迎え」に母はついてこないことは検討がつく。
父と出かけたらタダじゃ帰してもらえない。
おかーさんと出かけるの大好きだった少年(になる)は
「あれ食べて帰ろか〜ばーちゃんとこ寄ってこか〜」
ばーちゃんとこ(母の実家)にいくのを
「めんどくさいし、絶対いや!」という母は
必ずこない、検討は当たる。

父ひとりのお迎えベンツ(と呼ぶワゴン車)は駅に着くと
窓から顔を出して「なに買いにいくんやー?」
と聞く。検討が当たっているのは私だけではない。
察しのいい親子だこと。

車に乗り込み、道案内。
お金をもらってちゃっかり取置いてた洋服を買う。
これをどうやってお母さんに説明しようか。
たまらなく楽しい帰り道だった。

「まず今日はお父さんの車に隠しておくやろ?
   オレは明日そのまま仕事いって
   仕事場の人にもろたことにするか?」

そんなことはあり得ない。

のに、あり得ない提案をしてくれる父が大好きだった。
今では父の日が大嫌いなくらい好きだった。
やんちゃで無鉄砲な父が大好きだった。

わたしが一生かけても敵わない相手、母。
母に一生涯恋をしていた少年の最期の言葉は
「お母さんが、いちばんやし。たのむでな。」
子ども、ましてや娘は自分がいちばんと思っていた。

完敗。
結局のところ
娘がいちばんではない父を大好きだった。

母を大事に大事にする父のことが好きだった。

生きていたら今日で69歳かな。
娘は父と母との思い出を今日を契機に記そうと決めた。
大切な大切な両親との、記録より記憶。
眠れない夜は眠らない夜になって父を想う

お父さんお誕生日おめでとう♡

似てるぅ〜♡

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