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ハッピーエンドへの期待は


2年前の夏あたりから加筆修正を加え続けこのまま出さないでおこうと思ったけど、思い出として残しておく。




過去の自分の立ち位置から現在を振り返るときに「随分遠くまで来たな」と表現を目にするけれど、わたしは遠くもなくものすごく近い訳でもないな、と思った。わたしと好きな人の関係は。

知ってる人は知っているだろうが好きな人がいる。
多分遅かれ早かれこの文章は読まれるかもしれないし所謂好きバレしてるし、どう転がるのか先のことなんてわからないし、今までこういう話って関係が終わってから書いてたから、書くことでもし関係が終わったらって思うと嫌だけど、今が楽しくて好きだということを忘れないためにも書かせてほしい。
わたしは貴方と一緒に居ると楽しくて何となく自信が持てて、何でも出来る気がして毎日頑張ろうって思えるし、たまに一緒にごはんを食べて、その後並んで煙草吸ったり、動画を見たり音楽や映画の話を出来るのが楽しい。初めて会ってから思い返しても楽しくないこと、つまらないことなんてひとつもなかった。最初から楽しかった。何かの広告で見た、一緒に居て楽しくて笑えるんじゃなくて一緒に居て笑えるから楽しいんだと思うというコピーがしっくりきた。でもごめん、自信は持てるけどやっぱりカラオケでマイク持って歌うのは恥ずかしくて出来ない。


「この曲の歌詞がすごく良くて好きなの、和訳読んでみてね」そう言ったらすぐ調べてくれて良い歌詞やね、なんて話しながらお互いに口ずさんだ。
このバンドは知ってる?だとか、つまびくギターの曲が知っている曲だったりだとかそういう共通点が見つかると嬉しくて、わたしが知らない教えてくれる映画や音楽がアニメが新鮮で楽しい。
スマホで見てる動画を覗くと少し傾けてくれて、何でもない、つまらないであろう話も聞いてくれる。
眠たい時も悲しいことがあった時も話そうか迷ってた時も眠い?元気ない?ってすぐに気付いてくれる。
付き合いの長い人は、顔に出やすいから分かりやすいよなんて笑うが、極力気を許している人の前以外では表に出したくないので最初は基本何考えてるか分からない人に分類され、以前付き合った人たちには事あるごとに顔を覗き込まれてたので、それくらい気を許してる自分に驚きもあった。前髪を切ったことや、化粧を変えたことに気付いてくれるよりも眠いことを気付いてくれたり、香水を変えたことに気付いてくれることが嬉しい。わたし自身を見てくれてる気がする。(正直、髪切ったのにどうして気付いてくれないのなんて癇癪を起こすタイプではない)
(髪切ってないのに髪切った?って聞いてくるのはかわいいのでそのままで居てね)


正確に住所は分からないのに覚えてしまったアパートまでの道順と部屋の番号。いつのまにか家をこの時間に出て何分で着くかもわかるようになった。
暗くても覚えてしまったトイレや浴室のスイッチ。でも帰る時に押す玄関の電気のスイッチは覚えられなくて間違える。


すごい好きなのはわかった、なんて完全に気を許している年上の女性に言われて笑ってしまった。
久々に外でお酒を嗜みながら、最近どうなの?という話から少し酔った口からこぼれた話を笑いながら聞いてくれた。すごい好きじゃん、なんて言われて本当にどうしよう、困ったって言いながら思わず頬に手を当てたら全然困ってないよねなんて笑われてしまいさらに笑った。全然困ってないし、なんなら向こうがわたしの愛情の深さに困れば良い。
優しいって言われるけど、わたしは誰にでも優しくはないことは頭に入れておいてね。

ある時カラオケで歌っていた曲の歌詞にあった「"好き"を持った日々を ありのままで 文字にできるなら 気が済むのにな」に泣きそうになった。
こうやって文字に書き起こしてもそれが全てではなくて、どう過ごしたかなんてふたりだけのもので、ふたりにしかわからないし、あくまでもここに書いたのはわたしだけの感情なのだ。いつか思い出して泣くのかもしれない。思い出す昔のわたしはいつも楽しそうだね。いまも楽しいね。他の楽しさなんて知らなくていい。今が楽しい。

映画のような恋だと思う。昨今流行りの映画みたいな、音楽とカルチャーと映像を合わせたみたいな。それはわたしが生活していく上で音楽を聴くタイプの人間なのと、好きな人も音楽が好きなのと、聴いてる音楽がほぼ近しいからなんだけど。そもそも生きてて映画みたいだなって思うことは多々ある。父が亡くなっていい歳になっても女5人で実家に住んでて、変な責任感持ってクソみたいな仕事して、男運が笑えるくらい無くて。ちょっとやばめのアラサー女の主人公。
そんな中でこんな楽しいシーンがあるの、ずっと終わってほしくない。忘れないようにワンカットで覚えておきたいのにワンシーンでしか覚えられない。
容量が足りないと思ったけど楽しさばかりが更新されてゆく。


「初恋っていつだった?」
NetflixのFirst Loveを並んで観ていた時に聞かれた。今だよ、って即座に思ったけど口には出せなくて少し考えるそぶりをして答えた。
「…7、8年片思いしたのがそれかな、なんだかうやむやになっちゃったけど」
恋というには稚拙なものならいくつもあるけど、その時の恋は、好きだけどそう伝えるには確信がなく脆いようなそれでいて物理的にも心理的にも長く細い恋だった。好きだと、長く一緒に過ごせたらと見えない未来を望んだのはその人が初めてだったと思う。
「俺も初恋は上手くいかなかった」
そう聞いて少しだけ安心してしまった。初恋は実らないって言うから。酷い女だ。でも、わたしのいままでの恋も全て初恋だったかもしれない。色んなことを知れて、その都度色んな思いをした。忘れられないこともあったし泣いたこともあったし苦しんだ。
でも一緒に居て楽しくて安心できて返されることが嬉しくて、いままでの恋愛で自分に起こった事だとかそんなのが全てどうでも良くなった。

あの人がわたしを突き放さない限り、わたしは多分あの人のそばからいなくならない。今はまだそばに居させて。いまはまだこの距離で居させてほしい。近すぎることもなく遠くない距離で。隣にいることを許してほしい。


First Love、亀の歩行速度以上にのんびり少しずつ観てるんだけど眩しいね。最後8話から9話にかけて号泣した。

追記。ここ最近、一緒にカラオケに行ったら頑張って歌ってる。面白いくらいに声は出ないし音痴だし歌っていてヒドイなと思うけど、声が詰まると一緒に歌ってくれる。優しいね、そういうところにわたしは救われている。

さらに追記。
この関係に悩んでいるのも事実。どうすれば良いのか最適解なのか悩んでいる。正解って何を目標とするかじゃないかと言われて、目標は現状維持か…?なんて思いつつも、さよならが近づいているのかもしれない。

後記。泣きそう。上記追記からさらに1年程経っていて、読み返して何ひとつ修正がなかった。
さよならが近い。

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