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浄夜

9
昔に書いた短編小説です。ちょっと退屈ですが、お暇な方、どうぞお読みください。
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【短編小説】浄夜 9

携帯のアラームが耳に響いた。私は枕もとにあった携帯を開き、スイッチを押した。そしてベッド…

takayama
3年前
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【短編小説】浄夜 8

携帯の画面は三時を示していた。妻はすでに眠りについたようだった。規則正しい寝息が微かに聞…

takayama
3年前
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【短編小説】浄夜 7

寝室にはシングルベッドが二つ並んで置いてある。私はなんとなく一方のベッドを動かして二つの…

takayama
3年前

【短編小説】浄夜 6

妻は話し終えると長い溜息を吐いた。時間が止まってしまいそうなほど長い長い溜息だった。 私…

takayama
3年前

【短編小説】浄夜 5

私と彼がそういう関係になったのは去年の春頃からだと思う。私はあなたとの関係に少し不安を感…

takayama
3年前

【短編小説】浄夜 4

食器のぶつかるカチャカチャという音がリビングに響いている。私は二本目のワインを開け、グラ…

takayama
3年前
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【短編小説】浄夜 3

いつの間にか眠ってしまったようだった。妻の声に起こされ、私は目を覚ました。 すでに夜ははじまっていた。電灯の光が部屋の中を暖かく包んでいる。 「顔を洗ってきたら」との妻の言葉に従い、私は洗面所へ行き、冷たい水で顔を洗った。リビングへ戻ると、テーブルの上には夕食の準備ができていた。 「あなたの好きなものを作ったの」 妻はそう言って微笑んだ。テーブルの上にはコロッケとマカロニサラダときゅうりとワカメの酢の物と焼き茄子と冷や奴が載っている。 コロッケは買ったものではなく、

【短編小説】浄夜 2

家に着くと妻はシャワーを浴びたいと言って風呂場に入っていった。私はエアコンを点け部屋着に…

takayama
3年前
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【短編小説】浄夜 1

車内は平日の昼間だというのに、いささか混雑していた。 私は空いている席を見つけ、腰をおろ…

takayama
3年前
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