CL横浜環境考察

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(9/23追記:ピカVmaxのレシピを取り急ぎ追加しました)
(9/24追記:ルカザシ、セキタンの項に大幅な追記をして、ちょっとずつサイレント修正もしました。)
(10/5追記:結果が出たので反省文を書きました)

どうも。tentenです。出落ちですみません。

はてなですこーーーしだけ記事を書いていたりはしたのですが、noteで記事を書くのは初めてになります。初投稿がこんなんでいいのか…?

まぁ見ての通り、CL横浜に見事に落ちてしまったので、せっかく考えた環境考察をもったいない精神で垂れ流しておこうと思った程度だったのですが、思った以上に熱が入りすぎて大変な文字数になってしまいました。(18,000字だそうです)

自分でも辟易するくらい長いので、目次から気になる所だけを拾い読みすることをオススメします。(投げ銭形式というものに憧れを抱いていたのでやってみました。全文無料で読めます。)


環境考察およびTier表

Tier別に上から書いていこうと思います。

※読んでいてTierの評価軸がブレていると感じたので横にカッコ書きで追記しておきます。「デッキパワー」という曖昧な文言は、デッキの主軸自体の強さと安定性、あるいは初見殺し性の高いいわゆる「有象無象デッキ」に対し、基本プランを押し通すことでどの程度戦えるか、という感覚でしょうか。

※一応各デッキへのコメントで「個人的に気になるカード」を紹介していますが、これの評価軸もブレていて、「必須級だがかつての構築からすると珍しく見えるカード」「環境的に上手く組み込めれば刺さると思うカード」「見てもビックリしないようにレベルのマイナーカード」をバラバラに紹介してます。参考程度、というよりはしっかり検討した上で採用することをお勧めします。

Tier1(安定感、環境への刺さり、デッキパワーのどれもトップ。)
①三神ザシアン ②小ズガドーン

Tier2(安定性が高く、Tier1のどちらか、または双方に強い)
③ムゲンダイナ ④雷 ⑤クワガノン ⑥超MM

Tier3(Tier2と同等だが、安定性やパワー、対応力の面でTier2に劣る)
⑦ルカザシ ⑧セキタンザン ⑨マルヤクデ ⑩マッドパーティ ⑪炎MM

Tier4(ポテンシャルはあると思うが、勝ち抜くにはなんらか改革が必要)
⑫ドラパルト ⑬インテレオン ⑭水MM ⑮ネギガナイトV


一応Tier2くらいまではサンプルレシピを付けるつもりではいますが、もしも付いてなかったら(ああ…諦めたんだな…)とか(ああ…エアプだったんだな…)って思ってください。


①三神ザシアン

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この群雄割拠ともいえる環境の中における一つの回答。故に三神以外を握るならまずこのデッキに対して有利が取れることが必要なのですが、後述するもう一つのTier1の影響でそれが少しばかり難しくなっているとも…

個人的に後手1オルジェネの成功率は特化しても体感6割を超えるか超えないかくらいなんですが、それでも対策を怠ると一気に押し切られて「う~んw負け!」になってしまうので、まず後手1オルジェネに勝てるかどうかが多くのデッキの登竜門になると感じてます。

しかしながら最近の三神は特化こそしないものの「あわよくばでも後手1オルジェネを狙う」ために入れ替え、ソーサー、付け替えが多投されていることが多く、その結果これらのカードがエネ破壊や状態異常ロックといった「1ターン遅らせるための方策」に対する耐性として機能しているため、よほど特殊な手を使った三神特化のメタを貼らない限りは殴り合いに持っていかれます。

気になるカードとしてはフリージオでしょうか。
小ズガドーン対面ではカプレヒレよりも強いんじゃないかと勝手に思ってます。(勿論汎用性を取るならジラーチ系のデッキやムゲンダイナに強く出ることのできるいましめフーパ等の方が強いと思います)
もっともこのデッキは奇をてらうよりも軸を安定させる方が強いデッキなので、枠があるならよほど小ズガが憎くない限りは汎用カード(プレシャスボールとか)を増やすほうがいいと思います。
(9/24追記:倒せるならまだしも、オルジェネして弱点を突いてなお小ズガを2パンという貧弱な火力では単に相手に1ターン与えるだけの行為になりそうです。オドリドリを弱点込みで倒せうる点も込みで、小ズガに対してもいましめフーパの方が強いカードかもしれません。)

あとはクチートGXの二枚目とかでしょうか。
ギルガルドVの登場によって「チルタリス、ジュナイパーから強引に勝ちをもぎ取る」という役割こそ薄くなったものの、やはりこの手の「普通一枚のカード」の二枚目はケアされにくいので一定の強さはあると思います。
もっともこのデッキは以下略。

ジュナチルクマ絶対殺すカードのギルガルドVを採用するくらいなら、個人的に推したいカードとしてはザマゼンタVです。
ブレイブキャリバーをもってしてもツーパンを余儀なくされるVmaxから1ターンもらえる可能性のカード。
しかし打点は130+30と貧弱でクロバットも倒せず、デデンネすら抵抗のせいで倒せないという有様なので、しっかりとザシアンを多投した上でそれでも枠が余ったとき初めて採用できるカードという印象。
やっぱりこのデッキは以下略。


②小ズガドーン

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上振れればどんなポケモンもワンパンしうる青天井打点を持ちます。その特性上溶接工+エネ+アタッカーへのアクセスができなければ事故を起こすことから「上振れデッキ」などと揶揄されることもありますが、その実細かいプレミの積み重ねが最終的に己に牙を剥いてくるデッキです。

非エクの頂点とでも言うべきコスパ最強打点と正面切って殴り合おうと思うと実際ありえん厳しく、レヒレの一枚や二枚では昨今の小ズガは止まらない、というのが正直な感想です。
「やられる前にやる」が合言葉の三神に対し、フルパワーを出させないために断続的な妨害(=自分のスピードを犠牲にしている)が対策と言えるこのデッキが両方ともTier1であるが故に、双方にメタを貼ることの難易度が上がっていると強く感じます。

最近では古式ゆかしきプレーンな型よりも、クワガノンに対抗するためにFTBに寄った型や、三神に遅れても間に合うようにジラーチ◇ビーストブリンガーが搭載された型などが多いでしょうか。
特に前者ではプレシャスボールデデンネGXが複数枚採用されており、ハンド干渉からの復帰を容易にし、最悪の場合でもサポ権を残しつつ仕切り直せるように組まれていることが多いです。

もう相当有名なカードではあるのですが、ここではやはりレシリザを挙げさせていただきます。サイドレースで有利を取りづらいという欠点こそあれど、一体でクワガノン二体を持っていける点に加え、要求値の低い後1の200点でイージーウィンが狙える点、プレシャスボールがアタッカーになることによる安定性など、「小ズガと全く違う性質のアタッカーである」故に採用による恩恵は思いのほか多いです。

どのデッキでもそうですが何分いかに安定させるかのチキンレースをしているデッキなので紹介すべきものが思いつきませんでした…
個人的には序盤に必要なブリンガーとボードを同時に持ってきつつブリンガーの実質枚数をかさましできるぼうけんのカバンが好きです。

③ムゲンダイナ

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追記:カウンターゲイン入れ忘れました。入れ替えかドリルかスタンプを削って入れる感じになると思います。

Tier2のデッキはなんとな~く評価順に並べており、こいつはTier2の中では頭一つ抜けているな(というかパッと見てTier2内での殴り合いにやたら強そう)と感じています。

三神と小ズガという全く違う対策を要求する2デッキがTier1である所為か、デッキパワーより対応力が求められ、結果としてTier2にはVmaxより足回りのいいTAGteamが固まり、ムゲンダイナが上昇するんじゃないかというガバガバ考察を投げておきます。
あと事故負けの許されないCLでは不安定な進化デッキよりも安定したたね主軸のデッキを握りたいと思う人がふえるんじゃないかなっておもいます(小並感)

最大打点が出る盤面になるとクロバットによるドローが止まる、という性質、340という耐久値をフルに生かそうとすると先殴りを避けたいという思いからか、フルパワーでぶん回して先2の270を目指す、という構築よりもナイトシティやハイド悪、マニュGXなどで自分の盤面をコントロールしつつマリィやボスを打っていく型が現状多いようには感じます。

なんとなくですがムゲンダイナは採用するスタジアムによってある程度型が分かれると思っています。
前述のナイトシティが最も多く、でばなをくじくニャース、フーパ、マニュGXと良相性。入れ替えの枚数を甘えがち。
無人発電所はマリィが多投されており、事故誘発をもって小ズガ等の対策とするデッキ。
トレーニングコートトキワの森は後1のパワーアクセル等よっぽど動きを安定させたいか、ダークライ◇を強く使うことで複数アタッカーの起動を狙っているか、クロバットのドロー数を増やしたうえでエネを確保し早期に強い盤面を作りたいかのどれか…みたいな感じでしょうか。
混沌のうねりブラックマーケットが見えただけで型を判別するのは無理がありますかね…)
構築の際だけでなく、相手のデッキを判別する際にも考えておきたいところです。

ピックアップするカードも多めに投げておきます。それぞれ枠や型に応じて採用を検討してください。

まずはデンジャラスドリルTAGはさすがに全デッキお守り(もしくは島巡り)が入ると思うので、スクラッパーとどちらかは入ると思います(枠があれば)。手札を減らせるのがクロバットとシナジーがあること、全色に特殊エネが来たことも追い風かなと。
上記の中では特に妨害系の無発と高相性。デデンネを無発で、ジラーチをアブソルドリルで止めて君だけの最強メタビートを作ろう!

次にダークライ◇と併せてのエネルギーつけかえ
まぁこれはただ個人的にマニュGXの評価が高くないことに起因するものです。
だって序盤からニューラを置く必要があるし無発で止まるし何よりグレキャの的になるんですよね。二体目のムゲンダイナを安定させるだけの目的なら付け替えで十分じゃないかと思いました。
もっともこれはこれで博士でトラッシュ送りになってしまう「タイミングよく引ければ強い」カードかもしれませんが…


最後に地味なところで入れ替えとりつかいですかね。
ハイド悪やナイトシティにかまけて入れ替えを一枚も入れないと、不意に出てきたライライでバグって負け筋を拾う可能性があるので。
個人的に組むなら絶対入れたいカードです。(枠があれば)


④雷 

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めちゃくちゃ曖昧なくくりで本当に申し訳ない…説明を試みると「ピカゼクライライやピカチュウVmaxがメインプランのデッキ」=雷で、「クワガノンVがほぼすべての対面でプランに関わるデッキ」=クワガノンという分類です。
したがってこの項に入るのはいわゆるピカゼクライライ、ピカチュウVmax(あとジラサンピカゼク?)あたりです。

これらをTier2として評価している理由は、まず第一に三神と渡り合えるほどの基礎的パワーの高さ、そしてクワガノンの採用によって小ズガに有利が取りやすい点の二点です。
この点において両者が共通しているために「雷」というくくりでここまで話を進めてきましたが、以降の、特にTier2以下のデッキタイプとの有利不利はさすがに異なってくるので、ここからは「ピカゼクライライといった雷TAG主体のデッキ」と「ピカチュウVmaxを主軸としたデッキ」の二つに分けて語っていきます。


④-1雷TAG
構築の型としては、まずリセットスタンプやエレキパワーの温存に重点を置くことで安定性を確保しつつ、後半ライライで捲りやすくするジラーチグズハラ型
とにかくフルドライブ以降の展開を遅らせない、あわよくば後1でのフルドライブまで狙う電磁レーダーデデンネ型の二つが大きく分けて存在し、基本的にはこれらのハイブリッド、というより前者の型に後者のシステムを数枚組み合わせてある形がほとんどかな、と思います。

しかしどの型であろうとお守り込みでもピカゼクの耐久が270止まりであるため、必然的にムゲンダイナや同族のピカチュウが厳しいところがやはり欠点でしょうか。
回答としてはやはりリセスタ+タンデムでお祈りしつつ後半捲ることになるかと思います。
三神を相手にしたときお守りなしでオルジェネキャリバーを耐える点からも、今の環境においてライライは重要なカードであると言えそうです。

(9/24追記:TAG特有の低耐久と、一瞬でレシリザを処理できるほどの高打点が出にくい点から、正直小ズガ対面も、クワガノンがいるとはいえなかなか厳しい戦いを強いられかねない、という点を追記しておきます)

気になるカードとしては少しでも耐久を高めて技を打つための(そしてついでに弱点分散もできる)ミュウミュウが挙げられます。
お守りなしでもオルジェネキャリバーを耐え、お守り込みなら270ドレッドエンドを耐える耐久力に加え、タッグスイッチやタッグコールなどのカードに対応しているのも魅力です。
ただしサンダーマウンテンやエレキパワーといった雷サポートには対応していないことに注意が必要なのと、ツールスクラッパーやジグザグマまで考えるとお守り込み300が決して信頼できる数字とは呼べない点が懸念事項でしょうか。

自分で回したことがなく詳しいことは言えないのですが、ワンダーラビリンスを採用することで後半のロック性能を高め、捲りを行う構築もあるそうです。
豪快なエネ加速や追加エネの必要なTAGのGX技自体の相性に加え、そもそもうねり相手にサンダーマウンテンを通すために現代では珍しくマーシャドーが採用されやすいデッキであり、任意のタイミングで自らスタジアムを破壊できる点なども言われてみれば相性がいいなと感じました。

あとは新弾のスナイプサンダーのサンダーですかね。
使う場面の限られるカードではありますが、単純にVmax環境ではフルドライブやタンデムショックが命に届きにくいため、退いた討ち漏らしを狩ることができるという強み。
それに加えてエネさえ揃えばデデンネを狩ってサイドを取ることができる非エクであることから、中盤のサイドずらし、または詰み盤面を作る(炎デッキのバーストGXに近い使い方)際に一役買うのではないかと感じています。
これは他の雷デッキでも使えるカードですが、フルドライブの貼り先として選択肢が増えたなと感じたのでこっちに書いておきます。


④-2ピカチュウVmax
盤面をポケモンで埋めきる必要のあるムゲンダイナとは異なり、エネさえつけばどんな盤面でも270+αが出ることから、「どうエネを付けるか」によって構築が大きく異なってきます。
サンマコケコ◇で加速するポピュラーな型、同弾のマルマインを使う型、ピカゼクに組み込みフルドライブを打つ型、ドローをはやがけ等に任せローズを打つ型、あるいはそれらのハイブリッドなどなどです。

自分はVmaxデッキはとにかく安定性が必要だと感じている(1ターン目にVを置き、2ターン目の進化、攻撃までシームレスにつなげることが一番強い行動だと思うため)ので、殴り始めるのにマルマイン型やシステムポケモンが必要なローズ型は厳しいかな、と考えています。
(ただマルマインラインを薄めに採用し、サンマコケコを駆使して1発目を打った後に2発目をマルマインを絡めて打つ型は強そうだと感じました)

スピード雷がべらぼうに強いこと、三神の280+30やムゲンダイナの340を出すのに元気の鉢巻が重宝すること、技を打った後丸腰になるのでスタンプ耐性が薄いことから、博士グズハラ+ジラーチデデンネで回す型が強いんじゃないかと考えました。
しかし低耐久に加え、どうしても進化デッキゆえの序盤の不安定さがあるため、なんらかの捲るためのギミックが欲しいとは感じました。

Tier上位との相性としてはまずTAG系には当然それなりに強いです。
特に三神相手に後攻を取ったときピカチュウVの充電から入ることで、次ターンほぼ確実にボルテッカーを打つことができる点は特筆に値すると感じました。(ただしオルジェネをすっ飛ばして先2からザシアンを起動されると大変なことになります)
小ズガに対しても序盤からクワガノンを押し付けることができるという強みを持ち、相手がレシリザを出してきたタイミングで上手くボルテッカーを合わせることができるともうそのまま勝てます。

ただVmaxにしては低い耐久がたたって、ムゲンダイナとの対面が不利です。(ジグザグマ4体+270でやすやすと落ちる)
エレパ×2鉢巻ボルテッカーでワンパン、などと言われますが、そこまで噛み合うことはなかなか少なく、サブアタのクワガノンもムゲンダイナに強いとはお世辞にも言えないので、一方的にビートされて負けることが多いです。

また、ピカチュウVmaxは技を打った後丸腰になるため、逆に相手のスタンプから捲られやすい、という話もしました。
これの対策としては
①ローズ型にしてはやがけ等の置きドロソを立てる 
②マルマインを採用し次弾のために置いておく 
③ボード付きのジラーチを用意して「ねがう」
等の対応策があると思います。(上から順に難易度が高く、構築単位での解決が必要な一方で盤面は強くなります)

自分のデッキは特に③のプランでもって対応しようとしたわけですが、終盤の3エネ要求を願い星一回で解決しづらい点、そもそもピカチュウVの10万ボルト、クワガノンの超電磁砲も同様に自身のエネを捨ててしまう技である点などから、ほかに継続して殴り続けることができる、できれば終盤に起動しやすい軽量のアタッカーが欲しいな、と感じることがありました。

勿論GX技含めてフィニッシャーとして優秀なライライを採用するのもいいと思いますが、個人的にはスタートデッキの「エレキサークル」のピカチュウVを一枚挿しておきたいと思いました。
2エネで150出せれば鉢巻やエレパでデデンネクロバットをしばけますし、地味に1エネの上技を持っていることもエレパがある雷デッキにおいては重要なことだと思います。

もう一つ。特に三神対面でですが、不用意に低耐久のポケモンを出すことなく相手の先殴りをケアできる(≒ピカチュウVmax2パン+小物一体の三回の攻撃で試合が終わることを避けやすい)という意味において、パルスワンVを採用しそうでんから入るのもアリかと思いました。
三神以外の対面においても、そもそもピカチュウV自体の耐久が低く、エネがついたとしてもそのまま落ちてしまいうる点や、たとえ耐えて進化したとしてもほとんどの場合もう一発を耐えられない点を考えると、後1の動きは多くの場合充電よりこちらの方が強いんじゃないかなと思います。

このとき相手には2-3とサイドを取らせることになるため、終盤のスタンプが強くなるという一方で、相手がジラーチ◇のコンボシステムやズガドーンGXを採用しているデッキの場合、または自分がマルマインを採用している場合は話が変わってくるので注意が必要です。

余談ですが、ピカチュウVの190、パルスワンVの200という耐久は、4エネひのたまサーカス、または3エネダブルブレイズのちょうど圏内です。小ズガ対面で先行を取ったときこいつらを前に出すと、後1で吹っ飛ばされかねない点に注意しましょう。


⑤クワガノン

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前述のとおりこちらは比較的特化した構築、クワガノンVが三枚以上入り、全対面でメインアタッカーを務めるものの話になります。
④の雷が強力なアタッカーで三神に抗おうとしたデッキならば、こちらはロック性能をより高めることに焦点を置いたものと言えるでしょうか。

大きく分けて「クワガノン以外のアタッカーはライライ程度で、序盤からロックを仕掛けライライで〆る型」「ドクケイルが採用されているいわゆるハザードロックと呼ばれるもの」の二種があると考えています。

前者についてはほとんど完成されているが故に構築について解説できることが正直あまりありません。
ただグズハラ、タッグコール、キャプチャーエネによるサーチ性能や、自身の速度があまり早くない代わりに相手のプランも遅らせることができる=ターン1回のサポ権、ジラーチ、スピード雷の試行回数が増えるといった点から、ある程度自分の思った通りにゲームを進められる、プレイング(大局観?)が出やすいデッキであると認識しています。
勿論相手がどの程度動くか、という不確定要素はありますが、逆に取れば相手が事故る限りは常にワンチャンが生まれるので、三神や小ズガとは全く違う対策を要求してくる点からも、多くの対面において五分に持ち込める性能をしていると考えています。
小ズガの増加も背景に、CLでは握る人が増えそうだと勝手に思ってます。

特筆すべき特殊なカードもこれにおいては本当に無いですかね…強いて言うなら縛り性能の向上とライライメタのエスケープボードのさらなるメタとして機能するアブソルを個人的にすごく評価してます。

後者ことハザードロックはしっかりと対策をしておかないと完全に詰みうる本当に嫌らしいデッキです。
とりつかいマオスイが汎用的な対策として挙げられますが…果たしてこれらを汎用的と言えるものでしょうか…
一応アタッカーが進化するデッキの場合進化によって麻痺からの復帰ができるほか、ダメージ軽減ができるデッキの場合削りきる前にドクケイルと退化スプレーが底をつくことがある等の弱点があります。

また、前者と異なりロック速度にそこまで枠を割けないため、盤面が完成する前に押し切ってしまったり、二体目の準備ができる前に一体目を倒すことができれば勝てる可能性はあると言えます。
こちらから先にクワガノンでロックを仕掛けてしまうという手もあり、採用している場合はこれが一番手っ取り早いかもしれません。

総じて良く悪くもあらゆる対面で動きが変わらない、変えることができないデッキと言えます。
したがって対策されていれば当然勝てないので個人的にはCLでは握りにくいかなと思います。バレていなければ無類の強さを発揮するんですがね…

特筆すべきカードはこちらも特にありません。サンマ◇といいターフスタジアムといいスタジアムがロックに重要なデッキなのでまずはスタジアム合戦に勝ちたいところ。


⑥超MM

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ピカゼクに引き続き息の長いデッキです。マリィスタンプナイトウォッチャーはいつの時代も凶悪。勿論ポルターガイストもケアをし損なえば2エネとは思えない打点が出ます。
最近ではマホイップVmaxと組み合わせて不足しがちだった打点を補う型もあるそうですが、やはり真価はハンド干渉と無限ギラティナで小ズガに対して有利を取れる点でしょう。

ベノムシュートやカオスオーダーGXの存在によってボスがなくとも勝てる盤面を作れる(=終盤のスタンプに比較的強く出やすい)ことや、ミステリートレジャー、プレシャスボールによってアタッカーを比較的用意しやすい点(ただしイカも同時並行で用意しなければならないのでこの辺りはトントンと言えるかもしれない…)も評価しています。

もとより三神やピカゼクには五分を取れていたのでそこにもさしたる不安はないのですが、やはり270打点勢が厳しいだろうと感じたのでこの位置かなと思いました。

ピックするカードとしては悪のガオガエンGXでしょうか。
一発耐えた状態からGX技を打つことで相手をワンパンし、ガン不利のムゲンダイナはじめとするVmax族に一矢報いることができます。

あとは特性がデスカウント対策でありながら、自身がアタッカーとなることでマルヤクデや6エネピカゼクをメタれるイエッサンV、前々からザシアンメタとして入ってはいましたがクワガノンの登場により需要が増したであろう、コンスタントにVワンパン打点が出せるソルルナGX等が挙げられます。

デプスボムのズガドーンやジグザグマとともにアローラサンドパンGXを採用し、一気に小物を刈り取ってムゲンダイナに勝つルートを取るのもアリかもしれません。望遠スコープで強化されたし。

⑦ルカザシ

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「守りのデッキ」と形容されることが多いデッキですが、実際このデッキは「自分がどうサイドを取るか」よりも「相手にどうサイドを取らせるか」が重要になってくるデッキだと考えています。

なので個人的には極力「余計なポケモンを出さない」立ち回りが必要になってくると考えており、したがってヤレユータンやワタシラガ、非常用のデデンネ等はスタートの可能性まで考えると1枚たりともそもそも採用したくないというのが正直なところ。
ジラーチ、ザシアン、ルカメタ、ザマゼンタ。これ以上のポケモンは採用したくありません。

ザシアン二体とルカメタ一体で戦うのが最も強いことを考えると、(三神相手にルカメタ+ジラーチでサイドを取りきられてしまうことを考えても)できることならジラーチすら採用したくないです。
しかしふとうのつるぎがあるとはいえサポートだけでは回しにくい点、何よりキーカードであるメタルソーサーとメインウェポンであるブレイブキャリバーが入れ替えを要求してくる点があまりに厳しいので自分は泣く泣くジラーチを入れています。

このデッキがTier3である理由はやはりTier1の2デッキに対して弱いという点です。
コーティング鋼で弱点が消えてもそもそもズガドーンの猛攻を耐えることが難しく、さらにはブレイブキャリバーで落ちない上に返しの逆鱗でこちらを落としてくるレシリザが鬼門です。
6エネダブルブレイズなんかされた日にはルカメタをどんなに硬くしても吹き飛んでしまいます。
バーストGXでサイドを取るのに必要な要求値を下げてくるところもやばいです。

三神対面は、ルカメタとジラーチを倒されるとゲームが終わるにもかかわらず、最近はオルジェネの返しにフルメタルでエネを破壊しても山からソーサーを掘り出してザシアンを起動してくるので1ターンもらえず厳しくなることが多いです。
道具を破壊すれば一方的にザシアンがザシアンを倒せるようになるので、ツールスクラッパーがキーカードとなるのですが、当然三神側においてもそれは同じなのでキッッッツイです(なんなら三神の方がスクラッパーに到達するのがおそらく早い

一方でこのデッキの魅力はTier2のデッキに対し優位が取れる点です。
特に型を問わずクワガノンに明確に有利であることを個人的に評価しています。マオスイが多投されている点、パラライズボルトを0点に抑えられる点からサブアタの少ないハザード、まどろみロックにはべらぼうに強いです。

ピックアップしたいカードは無人発電所です。
デデンネとオドリドリを止められるのは現環境単純に強く、特にプレシャス構築が流行っているTier1の2デッキに対し刺さりが良いです。
マリィによるハンド干渉を絡めればワンチャン事故勝ちが狙える点だけでなく、みわくのウインク、シャドーコネクション、じんらいゾーン、パーフェクション、バーニングロード等、思わぬ特性が止まることで恩恵にあずかることもあります。

また、先述の通りジラーチを出したくない、という点を解消出来うるカードとして回収ネットピッピ人形が挙げられます。
ピッピ人形を採用する場合は願い星ではなく人形前ふとうのつるぎでパーツを集める形になりますが、相手がマリィでこちらのハンドを流してきた場合はボスを打たれておらず、無傷のポケモンが残るので、思いのほか悪くない択だと感じました。


(以下9/24追記 攻撃的ルカザシについて)
「システムポケモンを出しはじめるルカザシは弱い!」みたいなめちゃくちゃ強い言葉を使っていたのですが、考えがいくらか変わってきたので追記しておきます。

結局のところこのゲームは「相手がサイドを取りきる前に自分がサイドを取り切れば勝ち」なので、すでに挙げた型と違い、遂行速度に特化する、というアプローチでもって環境への回答とするルカザシもアリだなぁ~と感じるようになりました。

具体的にははがねのせいしんのニャイキングダンデを両方採用したものです。

この型の強みとして、ここまでルカザシの不利対面として語っていた三神に強く出られるという点があります。
ニャイキングに加えてダンデまで採用することで、ブレイブキャリバーの打点は280まで上がり、三神をワンパン、さらにニャイキングのみでも250になり、これはちょうどお守りザシアンが倒せるラインです。
ここまですると先ほどの有利不利はほぼ逆転し、無人発電所やフルメタルウォールの追加効果によって相手が遅れてくれれば、かなり勝てるラインまで持っていけそうだと感じました。

ただ逆に、このようなタイプだと盤面に出すポケモンの都合上、Vmaxデッキに対してザマゼンタ2体のみの盤面を作るというアプローチがしにくくなります。
特にムゲンダイナ対面
ではフルメタルウォールやザマゼンタVで相手が止まってくれないと受けきれないことが増えそうだと感じました。
無人発電所の採用によってマニュGXの特性を止め、エネを割った返しで直ぐにムゲンダイナが起動することを防ぐことも重要になってくるかもしれません。

⑧セキタンザン

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環境に非常に恵まれているデッキです。
見てわかるようにTier上位には見事と言えるまでに闘弱点のデッキばかりが並び、かつて環境内でほとんど唯一と言えた草デッキであるジュナイパーは、小ズガに加え新弾でギルガルドVという圧倒的な逆風をくらいました。

カードパワーも比較的優遇されており、特にストーン闘エネルギーとムキムキパッドに両方対応し、さらに1エネで打てる上技の、殴るたびに硬くなる追加効果も噛み合っています。

実質耐久400を超えることも十分に実現の範囲であり、ハンド干渉、回復等絡めれば小ズガや三神にもワンチャンあるように見えますが…こいつの強さは大体が「理論値」であることが問題です。

マルヤクデの項でまた言うと思いますが、しんかのおこう採用によるデッキパワーの低下と事故率を考えるとポケモン通信で上を持ってくる必要があり、前ターンに下を置いておく必要性も考えると、Vmaxデッキはそもそも不安定だと言えます。

それに加えてこいつは贅沢にもエネルギーとトップ操作を要求してきます。
ヤレユータン、マグカルゴという理論値を最大限引き出すための相方は存在こそするのですが…それらを早期に用意できないと折角の「1エネで打てる上技」のアドバンテージを生かしきれません。
しかしマグカルゴを抜けば出せる最大値は大幅に下がる…「あちらを立てればこちらが立たず」を地で行くデッキです。

勿論カルゴ型が噛み合ってしっかりと回れば無類の強さを発揮するんですが…それ以上に「対面を問わず負けるレベルのどうしようもない事故」の率が体感2割程度はあるため、個人的にCLで握る勇気はあまりありません…握る場合はジラーチ◇コンボをヤレユータンとセットで採用してサイドの取り合いを有利にしたうえで、安定性を求めて回収ネット+カビゴンを採用した型にするかな、と思っています。

先述の通りカビゴンは新弾のなかでも強化要素だと考えています。
ハンドを増やしながら壁として前に置くことで先殴りを避けられる点から、回収ネットをシームレスに採用できるVmaxデッキで、かつ頻繁な入れ替えを必要としないデッキの場合はジラーチよりこちらが優先になると考えています。

あとはやはりガラルネギガナイトVでしょうか。こちらを採用する場合カビゴンよりもジラーチの方が技効果との噛み合いが良いです。
サイドを3-2-3で取らせることができる、というのはあくまで理想論ですが、単純に1エネ130か4エネ240の二つしか選択肢がないセキタンザンデッキにおいて3エネ200という打点はわりと有用です。
具体的には三神対面において、一回手貼りが間に合わなくても130+200=330となり、噴火弾の次ターンにディアンシーや道場なしにお守りのついた三神を倒すことが可能になります。

ただしストーン闘や道具による耐久上昇がないと返しのキャリバーで落ちて結局盤面からエネが枯渇してしまうため、ローズ、黒帯、クラッシュチャージ等の加速手段がないと次ターンでザシアンを倒すことが難しくなってしまう点、それ以前に盤面にデデンネもしくはクロバットを出しているとそのままボスキャリバーで負けてしまう点には注意が必要です。

実は自分がネギガナイトに期待している役割はどちらかと言えばもう一つの方で、それがザマゼンタVの突破です。
セキタンザンは性能がそもそも噴火弾によるエネ加速ありきであるため、進化前のセキタンザンVでザマゼンタを突破することが難しいと言えます。
そこでVmaxで加速したエネルギーをネギガナイトにバトンすることでザマゼンタをなんとか突破したいという算段です。

ちなみにですがザマゼンタVがアサルトタックルの効果でストーン闘エネルギーをトラッシュした場合、先にダメージ計算を行ってからワザ効果の処理を行うため、ダメージ軽減はなされます。


(以下9/24追記 コンボタンザンについて)
上で言っていたコンボタンザンの仮組みレシピとともに使用感を上げておきます。

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こんな感じですかね。
まず謝る必要があります。
「カビゴンは強化要素」などと言っていましたが、少なくともセキタンにおいては相当怪しいです。
エスケープボードで逃げられず使いまわせない点、ターンが終わるため基本的に初ターンしか使えない点、何より一番重要な「初ターンにセキタンVを置く」というムーブに対して寄与できない点からジラーチ型となりました。

これによって「初動でセキタンザンが置けず、そのままゲームエンド」という事態は減りました。しかしこのデッキ、正直事故率はまだ高めです。理由は主に以下の三つ。

⑴コンボシステムと噴火弾の噛み合いの悪さ
セキタンザンは性質上、「殴るために」必ずヤレユータンを必要とします。したがって殴りながらジラーチ◇を仕込むのが相当難しいです。
ヤレユータンを複数置くとベンチを圧迫し、肝心のジラーチ◇が出せなくなってしまいますし、回収ネットを都合よく引けるとも限りません。
また、今の高火力環境では4エネついたセキタンザンが何ターンも生き延びることは稀であり、1ターン待ちのターンを作る必要が出てきます

カビゴンを採用し、このターンに展開しきるという手もなくはないですが、そもそも特に三神や小ズガ等、弱点での有利が取れない今の環境デッキを相手にすると、この1ターンはひどく重いです。

⑵噴火弾というワザ自体の安定性の低さ
1ターン目にセキタンVを置けないという事態を解消した次に現れる壁です。
2ターン目にセキタンザンが噴火弾を打つためには何が必要でしょうか?少なくともセキタンザンVmaxと、ワザのための手貼りエネ、猿知恵で仕込むためのエネの三枚ですね。これを博士やマリィで都合よく引くことがなかなかできないのです。

加えてヤレユータン、次のアタッカーとしてのセキタンザン、ディアンシー◇等、置きたい置物が多い上にコンボ用にベンチ枠を空ける必要があり、セキタンザンの耐久をフルに生かすためにもデデンネやクロバットを置いて引きに行くムーブがしづらいことも難点。

⑶マグカルゴがいないことによるデッキパワーの低さ
まぁごく単純で、サイドが五枚になったことを除けば、確定サーチがなくなった時点でデッキパワーは当然下がっています。
上で書いた「噴火弾を打つための要求」を緩和できない点もそうですが、個人的にはボスやマオスイを打つ際には手札にエネがなければいけないという点が非常にストレスで弱いと感じました。

以上の点から、「弱点で最初からマウントを取れるデッキ」「4エネついたVmaxが育ったうえでキョダイガンセキを二発撃てるデッキ」相手の時以外はコンボ型だろうと基本的に不利対面だと感じました。具体的に言うと小ズガが本当に無理です。

⑨マルヤクデ

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デッキパワーも申し分なく、どんどん打点の上がる青天井デッキということでVmax環境には比較的刺さっているデッキなのですが、小ズガとの殴り合いではどうしても不利を取る点、やはり炎デッキ、かつVmaxデッキであることから溶接工、エネルギー、進化元と進化先を安定して集められるか怪しいと感じたのでこの位置に置くこととなりました。

特に三神対面において、ちゃんと動けないとスピードで負けるが、デデンネで強引に回そうとすれば後ろを狩られて終わってしまう点が気になるところ。
序盤から動けなかった場合切り返しの札となりうるワンダーラビリンス◇リセットスタンプを、デデンネで回すとトラッシュ送りにしかねないという点も難しいと考えています。

新弾のファイアローVは明確な強化ともいえる一方で、三神相手にしたときのデデンネの出しづらさ、なによりそれこそ「先1で引けない」可能性が高く、今まで同様のジラーチと比較したとき、普通に殴るタイプのマルヤクデがどちらを選ぶかは好みが分かれそうだと感じました。

普通に殴るタイプのマルヤクデの場合、紹介しておきたいカードはフィオネです。
殴ることによって打点を上げられるマルヤクデとの相性は単純に良く、ポケモンの数が少ない序盤に相手の裏の小物を狩ることでサイドを取りつつ打点を上げたり、逆に終盤マルヤクデに大量のエネがついていれば、相手が非エクを盾にしてきたときに備えて置いておくことによって詰みの盤面を作ることもできます。

急に「普通に殴るタイプ」という言い方をわざわざしたのは、あぶりだすのエンニュート型のマルヤクデを想定したためです。
序盤はマルヤクデVの方の熱放射等で相手を遅延しつつエンニュートを2体程度立てて山を引き、相手のサイドが進んできたら貯めこんだ手札からリセットスタンプ+ムサシとコジロウを打つことで相手のハンドを絞りいわゆる「超越」を行い、そのままキョダイヒャッカを乱打して押し切る、というデッキです。

ハンデスに重きが置かれている点とドローソースがエンニュートである点から、ハンドのロック性能を高めるためにワンダーラビリンス◇でなく無人発電所が採用されているパターンが多いです。
今までは序盤の壁としてはマルヤクデVや終盤のフィニッシャーにもなりうるバイウール―Vが採用されていたのですが、仰天環境ではカビゴンファイアローVがこの枠に入るかもしれないと思いました。

この型の場合、ロックを仕掛けることで小ズガとまともに殴り合わずに済む点、序盤にエンニュートを展開できれば以降の安定性が向上する点から、「殴るマルヤクデ」よりは比較的個人的には評価が高めです。
高めではあるのですが…しかし一方でこの型はフレアスターターから入りにくいこと、序盤相手にサイドを取らせながら盤面の完成を目指すことから、準備時間を与えてくれない三神を相手取ると「殴る型」と比較して苦戦を強いられやすいと感じました。

この型を握る場合はプレイングとともに構築力、そして環境をしっかりと読み切る力が必要、というのが僕個人の結論です。

⑩マッドパーティ

海外での優勝を皮切りに急激に人気を博し、考察が進んだように思います。

イメージとしては小ズガに近く、小ズガ以上に殴り始めること自体は簡単である一方、小ズガ以上に打点を伸ばしづらいデッキ、という感じでしょうか。
とはいえそれでもこちらの想像以上に打点の伸びは早く、後2で軽く200点出されると、聞いた当初こそ眉唾ものだった「ジラーチ◇さえ上手く仕込めれば三神には有利」という文句さえ頷ける気がしてきます。

そのようなデッキであることから当然V、GXとの殴り合いには強く、また殴り始めの早さ、要求値の低さとジラーチ◇コンボがあることから小ズガにも有利が取りやすい一方で、アタッカーのサイズがあまりに小さいことを逆手に取られると苦労します。
序盤のサポ権はとにかく博士やホミカに割きたい=なかなかボスを任意のタイミングで打てないデッキであるため、例えばボルケニオンやフーパ、ジラーチのオルジェネビンタやワタシラガのまいあがる→非エクを前に、といったプレイは普通に受け入れるほかないですし、ハンド干渉程度なら、まだティーブレイク、猿知恵、ダート自転車、ローズタワー等次第で動けるのですが、序盤から展開を封印しつつヤバチャを削ってくるクワガノンが本当に終わってます。
小ズガ以上に構築の自由度が低いデッキであるため、なんらか対策をするのも難しいところでしょうか。

新弾で一時期騒がれたメモリーカプセル+ホルードで闘タイプになれる、というコンボも、そもそもクワガノン相手ではカプセルが封じられてしまうため、クワガノン対策、というよりはムゲンダイナや雷の対面を有利にするカード、止まりといった印象。
それだったらとばかりにサブアタッカーとしてファイトアローンのケケンカニを採用しているものも見ました。

採用検討カード、とはまた別の話ですが、サイドにマッドパーティが落ちてしまったとき、適当なカードでパントマイムを打つことで救出する、というプレイは覚えておきたいです。
逆に相手のマッドパーティが適当にパントマイムを打ち、無いとは思いますがバリヤードが回収されず盤面に残った場合、うまく狩りにいければコンボを封じられる可能性が…?

⑪炎MM

正直なところ知見が薄いデッキではありますが、ミュウミュウの御多分にもれずムゲンダイナが厳しい点と、ナイトウォッチャー、ギラティナがない上溶接工を打つ関係でマリィが入らないことを考えると小ズガに超ほど強くないのが厳しそうだと考えてのこの位置です。

デッキの強み、弱みに関しては、マルヤクデと比較すると特に分かりやすいかと思いました。強みとしては、
⑴プレシャスボール、たねアタッカーである故の安定性、
⑵ソルガレオGXの軽量ワザの存在による殴りはじめの早さ。

逆に弱みとしては
⑴270という環境的に低いHP、
⑵Vmax、TAGをワンパンするためには無理をする(フレアドライブGX、カルゴGX等)必要がある点

といった感じでしょうか。時代って残酷だ…

弱みの一点目をケアするためのカードとして、島巡りの証を多投することで2-3-3を押し付ける、という対策が挙げられます。
ミュウミュウ自体のパワーの高さに加えて、いずれどこかでターボストライクが必要になるという構築の特徴とも噛み合っており、個人的にはお守りよりも信用のできるカードだと感じました。

また、2点目についてですが、打点調整用にジグザグマ+回収ネットや、ホラー超エネルギーが採用された構築もあるそうです。
特にジグザグマはアーゴヨンGXのベノムシュートが、クロバットに足りない一点を補えるという意味でムゲンダイナ対面を戦いやすくするカードでもあると言えそうです。

⑫ドラパルト

Tier4とした理由は単純で、ムゲンダイナにワンチャンもないからです。
MMやマッドパーティには有利を取れますが、正直三神や小ズガとの対面もまぁ五分程度かなと思うと、積極的に握る理由はないのかもしれないと思ってしまいました。
デデンネよりHPの低いポケモンを採用する三神が減ったこと、個人的に評価高めのルカザシがメタルゴーグルを採用するようになり、いよいよザマゼンタの突破が不可能になったところもマイナスポイントです。

ムゲンダイナに対するアプローチは2通りで、一つがエネ破壊によるテンポロスです。
エール団クラハンエネポーターに加えフリーザーGXなんかも入りうるそうで、そこまで聞くと微不利と感じていたマルヤクデに対してもメタとして機能して面白いと感じました。

もう一つがサブアタの採用です。バラマキと相性のいいイベルタルGXは割と有名ですが、ツインエネケケンカニが採用された型を見た時にはあまりに割り切った構築に驚いた覚えがあります。
しかしこれだけ闘弱点が多い環境だとケケンカニは単純に強そうですね…


⑬インテレオン

こちらも同様に雷の厳しさゆえのこの位置です。
一方でこちらは望遠スコープによって、ドラパルトとは逆にデデンネ、クロバットが増えていることはむしろ追い風だと言えます。(ルカザシがきついのは同じ)

しかし雷が厳しいとはいえ三神相手に相性が良く、1エネでズガドーンをしばける上技や、「サイド複数を同時に取る」ことによる非エクへの強さ、スタンプ耐性、何より「ダイバレット二発でサイド五枚」というパワーだけ考えるなら間違いなくTier3以上のポテンシャルはあるのですが、もう一つ厳しいのはその要求値の高さです。

なるべく早くダイバレットにつなげたいのは本当ですが、先2でVmaxと一進化を用意し、三エネを手札からつけ、ベンチからバトル場へ送り出すというのは、バケツがあるとはいえさすがに厳しいところ。

とはいえデデンネクロバットでガン回すと三神への不利が付きかねない難しさ…ジグザグマや次のアタッカーまで考えるとベンチがカツカツになるのも難しいところ。モスノウはカメックスではないんだ…

「要求値を満たすためのカードを全力で集める」という意味ではジラーチよりも新弾のカビゴンと相性がいいかもしれません。ジラーチセキタンザン同様にこいつも「回収ネットの入るVmax」ですし。

また打点が微妙に足りず間に合うか怪しいムゲンダイナへのメタとして是非ケルディオGXは入れたいところ。ワンチャン雷TAGやMMから1ターンもらえるかもしれないというお祈り力も副産物としてついてきます。

⑭水MM

モスノウで裏のポケモンに加速したエネをカメックスGXのワザロケットスプラッシュでぶっ飛ばして超火力で殴るデッキ。

MM三銃士の中で一番火力が高い一方で「2進化GXの技を打つためにMMを使っている」デッキなので対応力が低めなのが現環境で小ズガを相手取るにはネック。モスノウの「水ポケモンにしかエネが貼れない」という制約のせいで二体目以降の起動にラグがあるのも厳しいポイント。
「TAGteamになった小ズガ」というとどうしても強そうに感じられないのは私だけでしょうか…

効果でぶっ飛ばしたエネは山に戻るので山を引くためのカードが必要です。
手札に来たエネはひたすら貼ることを思うと置きドロソがほしいところなのでプレシャスボールとの噛み合いもあるシルヴァディGXになるでしょうか。(ダイブボールオクタン返してくれ...)

地味ながらキングドラGXがプレーンな上技、遅延ができる下技、打点補助になるGX技ととても使い勝手がいいので個人的には採用したいところです。

⑮ネギガナイトV

どう見ても環境的に強い色は闘なのですが、現在の闘ポケモンの中でまともそうなものの中で
ドンファン→三神に対する明確な回答がない
タイレーツV→同上(V2体をキャリバー×2で落とされると負ける)
ドサイドンV→2色溶接軸は不安定かつ、小ズガに弱そう
と考えたため、消去法でネギガナイトVが一番ありそうかな、と考えました。

素でアルティメットレイを耐え、タフネスマント+ストーン闘1以上でブレイブキャリバーを耐えることができ、ディアンシー込みで(道場がなくとも)ザシアンをワンパンできます…動ければ。

ネギガナイトV最大の問題はその起動の遅さです。
いかにアルティメットレイを耐えるとは言ってもせめて2ターン目で殴り始められないようでは三神相手でなくても厳しいものがあります。
しかし2ターンでできる手貼りエネの数は当然手貼り2回分なので「どうやって1エネ誤魔化すか」を主題として、とりあえず出した案を書き連ねておきます(全く形にはなっていない)

まずは先2で3エネ揃える方法から。
チャージアップ、黒帯、サイトウ、レドグリあたりでしょうか。
正直このラインナップだけでもかなり無理があることがお分かりいただけると思います。
チャージアップは勿論、ムウマージが禁止された現状、能動的に黒帯を起動するためには絶対に1進化ポケモンが必要(しかもマントを貼れない)です。
後者二つも先1で当然サポートは打てないので、先2のターンでドロサポを使うことなく、これらの「デッキの回転に全く関係ないサポ」を打たなければなりません。

まぁアタッカーがたねなので前者二つは幾分マシでしょうか…
レドグリもシルヴァディGXを立てることを考えれば、マリィ、マオスイとの相性も鑑みてまだマシかな~って思えるかどうか、みたいな感じです。

では先2は諦めて後2ではどうでしょう。
後1でたねポケモンのエネ加速ワザを使ってネギガナイトにバトンする形です。
ただこの場合、普通に前がやられてしまうと盤面のエネが減り、結局黒帯のお世話になる羽目になります。
一番耐久が高く盤面のエネを増やせるのはサダイジャVでしょうか…それってサダイジャVデッキなのでは…

あとは相手の遅延に特化して3ターン待ってもらう、などですかね。
しかし溶接工にもソーサーにもふとうのつるぎにも弱いのでこれも厳しいです。
というかそんな強いロックギミックがあるならクワガノンあたりがもう使ってると思います。


ここまで書いておいてドンファンかドサイドンの方が強い気がしてきました。小ズガに勝てるドサイドンがもしも組めたら追記しておきます。

おわりに

分かりきったことを書くだけのわりにはとんでもなく長くなってしまいました。
しかしそれだけ環境が群雄割拠であるというのは本当に喜ばしいことです。なによりこれだけのデッキが存在しながらそのすべてに違った強みがあるというのがいいですね。

通り一遍の考察こそしたものの、完璧な回答を自分の中では用意できているわけでは全くないので、また気になったことや新しい知見があれば追記していきたいと思います。まだ長くなるんかこの記事…

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