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#1.ガラパゴスケータイとイノベーション、そしてコインランドリーの話。

イノベーションに関するメモ。
気になった記事があったので。

商品のカテゴリーではなく、その商品がおかれている環境=そもそもの人の生活からいろいろみると、アイディアの種があるのではないかという話。
※最初の投稿なので、テストの意味も含めていろいろやってみる。


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イノベーションに関するこちらの記事と、

鱸@biz さんのこちらのnoteより。

iPhoneがまだ出る前、日本のメーカーはユーザーリサーチをものすごくして、、、

そうして出来上がった携帯電話が、いわゆる全部入り携帯です。各社ほぼ機能はフルスペックで横並び。サービスもほぼ同じ。そして端末価格が10万円を超えてしまった。。。

一方で、最初のリンク先記事からの抜粋。

日本では、技術からスタートして「モノづくり」を考える傾向が強いのに対して、シリコンバレーでは、「人々は今、何を求めているのか」「何を提供すれば、さらに便利になるのか」「何を提供したら、よりよい生活環境になるのか」という発想で、「コトづくり」を追求する。お客様に喜んでもらえるもの、社会のお役に立つものを創出することが重要なのであって、仮に技術が足りなければ、他社の力を借りればよいと考える。

日本のメーカーも、シリコンバレーの企業も「人々が何を求めているか?」を追い求めているのは共通。日本のモノづくり企業も人々の生活をよくするために頑張ってるのに、なんでこんな違いがでるんだっけ?

(これがnoteを書こうと思ったきっかけ。)

”もっと軽いケータイがいい” という声があれば、軽量化を、
”もっとキレイな写真を撮りたい” という声があれば画素数をアップ。

”どんなケータイが欲しいですか?” だったり、
”今のケータイの不満な点はどこですか?” と聞けばそういう答えが返ってくるに違いない。

それを突き詰めていった日本のケータイは、世界的にもかなり性能が高かったと思う。軽さ、画面サイズ、画素数は行くとこまでいって、あとはデザインでどう差別化するかという感じだったと記憶している。
(INFOBAR、N702iDとか、懐かしい、、、)

当時、人々に
”ケータイでもっと気軽にインターネットできたら良いと思いますか?”
と聞いても、良い反応は返ってこなかっただろう。ホームページを見るには画面は小さいし、インターネットの速度は遅いし。

でも、そこにはニーズがあったわけで、"人々が求めていた"ことをAppleはiPhoneで提供した。

どちらも人々の欲しかったことを提供したわけで、この差って何だろう?

で、考えた結果、

①ケータイに何を求めているか
②生活を便利にするために何を求めているか

のレイヤーの異なる "求めていること" があって、どちらから問いを投げかけるかで全く異なる結果になったのだと思う。前者で聞く限り、既存のケータイの範囲を逸脱するようなアイディアはなかなかでにくい。

このレイヤーによる見方の違いが ”モノづくり” と ”コトづくり” という言葉の違いにでているのかなと自分の中では理解した。

①生活を良くするために、どんなモノ(ケータイ)が欲しいか
②生活を良くするために、どんなコトがあって欲しいか

とすればわかりやすいかもしれない。モノ(ケータイ)で考える限り、今のモノをベースに考えるから、発想が必然的に縛られる。

コトで考えるとモノと全く関係のない話もあるかもしれないけど、飛躍的にジャンプするアイディアの種が出てくるかもしれない。

まあAppleも調査をしてiPhoneを作ったわけではないと思うし、ジョブスのインスピレーションが多分にあったと思うけど、②のほうも人に聞いてストレートに出る答えではなくて、いろいろ人に聞いて、その内容を咀嚼して、自分で見つけ出すものなのかもしれない。

/// ジャンプっと /// Photo by Joshua Earle on Unsplash

長々書いたけど、一言でいうと、これですね。


実際には、組織の話(かなり重要)とか新規参入なのかとか会社のポジションも絡んでくるだろう。iPhoneも発売してすぐに爆発的に売れたわけではないし、既存のメーカーからすると様子見というスタンスも正しいし、イノベーティブな商品ができました!っていってもすぐ爆発的にヒットするわけでもないし。(最近のwebサービスは爆発的に成長するけどね)

そこまでいくとイノベーションに必要なのは、
”この世の中にこのサービスが絶対必要だ”という信念だったり、
”この商品を開発して、あの人にもっと楽しい生活を送ってほしい”という執念だったりという人の想いの強さにたどり着くのだろうか。

未来は夢見るものではない、自分で創るものだ。 by nanashi


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最近これが当てはまるケースってあるかなと考えてみる。

・・・・・
・・・

①生活を良くするために、どんなコインランドリーが欲しいか
②生活を良くするために、どんなコトがあって欲しいか

①で出てくるのは、安い、布団丸洗いできる、清潔な、といったところだろうか。時間つぶしのマンガ喫茶併設、カラオケ併設なんて声も出てくるかもしれない。でもそれってコインランドリーの延長なんだよな。それもいいと思う。

一方で、新規にこの業界に参入しようとする会社が、既存ではなく新しい軸※で差別化できないかなと考えると②の視点が有効になる。で、思いついたのは、この会社。WASH&FOLD。この間テレビでみた。 

セルフタイプのコインランドリーなんだけど、特徴的なのは洗濯代行のサービスがあること。洗濯をやってくれた上に、折りたたんでまでくれる。使ったことはないけど、海外にいたときに同じようなサービスを使っていた。
イケアの大きな青いバッグに、服やら下着やらタオルやら無造作に詰め込んで、これお願いといって店に預けて、数時間後にとりに来る。

コインランドリーよりは高いけど、ものすごく便利。まさに時間をお金で買う感じなんだけど、満足感はそれ以上に高い。ごちゃごちゃに詰め込んで出したものが、スゴイきれいに折りたたまれて返ってきて感動すらした。ほかほかで匂いもいいし、お帰りって感じ。またよろしくねと思う(服にね)。
(この辺のインサイト探ってみたら面白そうだなー)

※金額はこちらに。思ってたよりちょい高かった。
https://wash-fold.com/prices/wash

話が脱線したけど、こういうサービスは ”どんなコインランドリーが良いか” という質問からは出てこないと思う。

”コインランドリー”というカテゴリー(お客さんがお金を洗濯機に入れて、自分で乾燥機に入れて、自分で出して持って帰る)の呪縛というか、枠というか足枷に引っ張られてアイディアが限られてくる。

一つ上のレイヤーから”そもそも日常生活における洗濯ってどういう行為なの?”みたいなレベル”から見ないとでてこない発想だと思う。

”洗濯ってめんどくさいけど、やんなきゃいけない家事”
”洗濯機にむかうだけで、気持ちがげんなりする。よしやろう!って自分で気合いれないと”
”洗濯って、洗うだけじゃなくて、ハンガーにかけて、乾かして、畳んでまででしょ。やること多いのよ”

みたいな声があれば、
「じゃ、洗濯そのものをあなたの代わりにやりますよ」
っていうコトづくりへのジャンプは容易かもしれない。

とはいったものの、この洗濯代行のサービスも社長がアメリカで見たものにインスパイヤされて始めたようなので、この分析は後付けなのだけど(ダメじゃん)。

それはともかく、このサービスはこれからもっと普及していく気がするんだよなぁ。共働きが増えて、家族一緒にいられる時間が限られる中でどの時間を優先するか?洗濯という今まで当たり前にあった家事がなくなるとしたら?いちいち腰をかがめたり、一つ一つ服をハンガーにかける作業がなくなったら?洗濯物を取り込んで折りたたむ手間がなくなったら?
毎回使うにはちょっと高いけど、仕事でイライラして洗濯なんてもーやだってときもあるでしょ。そんな時にため込んだ衣類をここにだして、ため込んだストレスも一緒にすっきり!とか。

家の洗濯機がいくら進化しても、洗濯する行為そのものをアウトソースすることには勝てないから、このサービスが普及していくと洗濯機市場やクリーニング市場、ファッションリテールも面白そうなことになりそう。
定期的に来店するから、ここを起点に服のレンタルや試着用商品の貸し出しもありだし、個人的には礼服の貸し出しがあったら便利かな。


最後はかなり話が脱線したが、頭の中はすっきりしたので最初のnoteはこれでおしまい。

コトづくり = 何があれば生活がよくなるか。モノに縛られず、人視点で考えること。

※軸の話で言うと、こちらのnoteがおもしろかった。綾鷹のマーケティングもそうだよなぁ。



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以下これから書いてみたいことのメモ、備忘録。
・三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の考察。家にあるのは当たり前?
・イノベーションを起こすためのもう一つの”HOW”how does a team work?
・Takramの佐々木さんが紹介してたPelotonの記事にあったブランドと宗教性について。そこにメルカリ&エマールtwitterでのライブ配信の話を絡めて
・アートバーゼル香港に行きたいなー


楽しんで読んでもらえたらうれしいです