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#3. WASH&FOLDのマーケティングトレース

前の前の記事で気になった企業、洗濯代行サービスを展開するWASH&FOLD をマーケティングトレースしたいと思います。
https://note.mu/ttt_ttt/n/n7f4ed957116a

1.市場動向

まずは大きくコインランドリー市場の動向から。

東洋経済オンラインに整理された記事があったので、こちらから引用。
https://toyokeizai.net/articles/-/241357

・ 店舗数約2万(2017年推測)。ここ20年で倍増
・ 平均利用率は世帯ベースで5~8%
・ 拡大理由として
  ①共働き家庭の増加
  ②アレルギー対策で布団や毛布を丸洗いしたいニーズ増加
  ③待ち時間を利用し、企業のプロモ―ショーンを実施

共働きは今後も増えていくだろうし、清潔志向も続くと考えると今後も拡大する余地は大きいと思われる。

「粗利益は最低でも60%ほど」というコメントもあり、いったん設備投資をすませば、無人でもお店をまわせ人件費が低く抑えられるのが特徴。

「都市計画法と建築基準法上、コインランドリーは工場扱いになることが多い。このため住宅地への出店が制限され、必要以上に出店可能地域が限られる」という条件はあるものの、これ以外には法律的、技術的な参入障壁も見当たらず、上記の低人件費で運営できることからフランチャイズビジネスとしても人気を集め、店舗数が増加しているよう。

一方でこれだけお店が増えていく中で、どうやって他社との違いをだしていくのか、選ばれるコインランドリーになるのかが、今後の課題と考える。

2.WASH&FOLD について

基本データを整理。

1.運営会社:株式会社アピッシュ(WASH&FOLDの展開は2005年より)
2.店舗数 :22店(うち関東圏 14店)
3.売上高 :4億7000万円
4.利用者数:30万人
(1、2はHPより、3、4は求人情報サイトより)

コインランドリーをFC展開している企業では、100店舗以上もつ企業も少なくなく、規模としては小~中といったところだろうか。売上高の推移は分からないが、急拡大を目指すよりも一店一店しっかりと運営してくように感じる。

洗濯代行の仕組みは、専用バッグに洗濯ものを詰め込み、宅配/集荷または店舗持ち込みで洗濯ものをあずけ、宅配、もしくは店頭ピックアップで引き取る。


やや古い記事になるが(2013年)、
https://www.chintai.net/news/2013/10/01/53/

「主な利用者層は、20歳代後半から40歳代で、男女比は半々くらいです。仕事が忙しい方、小さなお子さまがいるファミリー層、単身者など、幅広い方々からニーズをいただいています」(広報担当者)
「洗濯機が壊れたときのみ利用される方もいらっしゃるので、リピート率は80%くらいでしょうか」(同上)

とある。リピート率80%ということは、一度使ってみるとその便利さにはまる人が多いということだろう。

さらにこちらの取材記事によると、

着目したいのは、地域のコミュニティを育くむ場にもなっているということ。
(中略)
WASH&FOLDのそれぞれの店舗では、多くの人の交流の場になるような工夫や取り組みが行われている。

「例えば、名古屋星ヶ丘店は店舗の2階をイベントスペースとして地域の人たちに開放し、サークルの集まりや発表会などに活用されています。(中略)葉山店にはサーファーも集まるので、店内の洗濯機はウェットスーツが洗えるよう設定されています」

とあり、ただ洗濯する場所にとどまらず、地域に根差したコミュニティスペースとしての価値も持つことで独自の”ソーシャルランドリー”としてのポジションを築こうとしているようだ。(このような方針から店舗の急拡大を目指すより、立地条件や運営できる人をしっかり見定めているように思える)

お店の内観もスタイリッシュで、かっこいい。近くにあればつかってみたい!

3.同業他社

ざっと検索したところ、同様の洗濯代行サービスをおこなっているのは、

Deli Wash, ARATTOITE, Smile Wash, POST WASH など都内を中心に結構な数がありそうだ。

コインランドリーをすでに運営している会社であれば、比較的簡単に始めることができるサービスであり、こちらも参入障壁は低いと思われる。
(ただし、人件費がかかってくるので余力のないFCオーナーは手を出さないはず)

価格面では3000円前後で各社ともに大きな差はなく、全国から配達を受け付けているが、よほど特徴がない限りわざわざ遠いところに配送には出さないのではないかと思う。

おしゃれなコインランドリーでは、フレディ レック・ウォッシュサロンが有名なようで、こちらはランドリーアウトと組んで洗濯代行を実施。
https://www.freddy-leck-sein-waschsalon.jp/


4.あなたならどうする?

洗濯代行市場は、今後も拡大の余地は大きいとみるが、参入障壁が低く他社と差別化しにくい。

価格を下げて違いを出そうとしても、弾力性がひくく首を絞めるだけになりそう。ブランドを確立しようとしても、ブランドのピラミッドでいうファクトの部分で他社と違いを出せないかぎり模倣されやすく、結果ふわっとしたイメージの違いにとどまりそう。

フランチャイズビジネスとなると本部が主導となってマーケティング施策を考えるのかもしれないが、価格、商品面で違いを打ち出しにくく、また立地状況によってお客さんの層も異なってくるので、実際のところオーナーの力量が結構重要になってくると思われる。

全国から配達を受け付けるとはいえ、顧客の大多数は近隣の地域に住んでいる人たちと思われるので、現在のWASH&FOLDが行っているように、コインランドリーというただ洗濯する場所ではなく、人々が集うスペースとして地域密着的なブランドを目指し他社との違いを出していくのは一つの方向だと思うし、店舗デザインもそのように意識しているように思える。

ビジネス的には平日昼間の稼働率を高めることが重要だと推測。

といったことを考えつつ、以下2点を重要なポイントととらえる。

1.トライアル利用の増加
2.顧客体験の向上

1.については利用した人がまだまだ少ないこと、一度使ってしまえばリピート率が高いことから積極的にマーケティング投資する部分と判断。
どこにターゲットを絞るか、どこに見込みユーザーがいるかの見極めが大事。

2.については、カスタマージャーニーを考えるとネックは集荷、集配の部分だと思う(リピート率が高いということは金額についてはある程度満足感は高いのだと思う)。お店が近くにあるならともかく、いちいちお店に持って行ったり、配達に出すのはやはり面倒。ここをブレイクスルーできれば一気に動くのではないかと仮説を立てる。

具体的な施策としては、

タワーマンション住民に対して、
宅配ボックスサイズの専用バッグを無償で配布し、
トライアルを促進する

を実施。

タワーマンション住民 ー 共働き、子育て家族が多そうでニーズ高そう。比較的年収も高く、サービスに満足すればリピートが見込める。タワーマンションは世帯密集度が高く、集荷、集配の部分でも効率が良い。

宅配ボックスサイズのバッグを無償で配布し、トライアルを促進 - 集荷、集配のボトルネックを解消すべく、それに適したバッグを作るのがポイント。イメージするジャーニーはこう。

◎朝
マンションの入り口に集荷ボックスを設置→利用者はそこに専用バッグを入れる。

◎夕方
洗濯した衣類の入った専用バッグを宅配ボックスに入れる→利用者は仕事から帰ってきたらピックアップ。

お店に行く必要なし。集荷のため電話をかける必要もなし。あえて中容量くらいにして週2~3回くらいの利用を想定し、週末に洗い物が集中するのをさけて平日の稼働率を高める。
(大容量バッグだと、ぎりぎりまでたくさん詰めて出したいと思うし、その結果週末にまとめて出せばいっか、という心理が働くのではないか?平日の出勤の忙しい朝にお店によったり、集荷を頼むのもちょっとめんどう)

・宅配ボックス数よりも利用者が多かったらどうする?
・どのタイミングでお金支払ってもらう?
みたいなところもあるが、それはそれで考えるとして(集荷の段階で数は読めるのと、事前に希望集配時間を聞いておく等などして調整、支払いはオンラインで済むようにするなど)、いったんこのスキームをマンション管理会社と協力してつくってしまえば高層マンションのサービスとしてスタンダードになるかも。(こういうサービスもうあるかも。クリーニングの引渡しはマンションのコンシェルジュにまかせて、みたいなのもあるようだし)

一度使ってもらう、興味をもってもらう、ことができればソーシャルランドリーとして行う各種のイベントにも気軽に参加してもらえそうでお客さんとリアルな接点でのコミュニケーションも強化できそう。

といったところで、マーケティングトレースはおしまい。
(この施策都心の一部でしか使えないじゃん、というツッコミはなしで!)

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感想
1.調べるのも施策を考えるのも楽しい
2.あれも調べたい、これも調べたいとなってくるので、時間を区切ること
3.実際にお店に行きたかったが、ふらっといける距離にないので残念


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