阪神タイガース 岡田監督の功績

阪神タイガース岡田彰布監督

2023年阪神タイガースは18年ぶりのセ・リーグ優勝、38年ぶり2度目の日本一を成し遂げました。テレビや雑誌などが大きく取り上げて、関西地方はまだまだ盛り上がっているようです。
その阪神タイガースの監督は岡田彰布監督66歳。前回2004年から2008年までの5年間でセ・リーグ優勝一回、Aクラス4度と好成績を残しながら08年の大逆転負けの責任を取って退任されました。その後オリックスバファローズ監督、解説者を経て23年阪神タイガース監督に復帰され、見事に自身2度目のリーグ優勝、初の日本一まで登り詰めました。

私は阪神タイガースファンなので好意的な見方になりますが、岡田監督は歴代の阪神タイガースの中でもナンバーワン、長いプロ野球史においてもかなり優秀な監督だと思っています。
前任時は5年間でリーグ制覇は1度だけですが、当時は中日が落合博満監督で最強の時代。巨人も原辰徳監督で常勝軍団を築いていました。にもかかわらず年間80勝以上3度も達成しています。今回の就任も、前任監督が4年間連続でAクラス入りしたものの手に届かなかった優勝を就任一年で成し遂げました。戦力補強は現役ドラフトの大竹投手、ドラ1ルーキー森下選手に助っ人外国人の加入で、逆にエース格の青柳投手、西勇輝投手、守護神湯浅投手の不振に、レギュラークラスの近本選手、梅野選手を途中ケガで欠いてしまう状況下でのリーグ優勝、日本一は岡田監督の手腕によるものだと思います。


選手の能力を引き出す岡田監督の魅力

今年岡田監督が打ち出した昨年までとは異なる方針は、野手のポジション固定をしたこと、ボール球を振らず四球を取りに行くこと、リリーフ投手陣は連投を避けることでしょう。
インタビューや談話ではよく『普通に。』『個々の選手がそれぞれの役割をこなせば、勝機が増える』と言われてました。現状の選手の能力からして勝てない戦力ではないと、評論家時代から分析されていたようです。評論家時代から監督のつもりで試合を見ていたとコメントされたくらいで、監督自身も監督になって特別に何かをやるのではなく、評論家時代の時のように『普通に考えて』采配していたのかも知れません。

第一次政権時に藤川球児投手を中継ぎ起用したり、今年も中野選手をセカンドにコンバートするなど選手の能力をより引き出す眼力はすごいと思います。解説している時もプレイだけでなく、ネクストバッターの動きや走塁コーチの判断など球場内の至るところに目を向け指摘していました。しかし私がそれ以上にすごいと思うのは流れを読む、先を読む力だと思います。評論家時代にも代打や継投時に、これで次はこうなるから良くないとか次の次を見据えてコメントされていて感心しました。今年も勝利監督インタビューで、相手チームの残りの選手起用を先読みしてあそこはもう一人ずつの継投とか、左が来るのわかってたからと常に相手の戦法、戦術を先に読んで対応していたように感じました。
またシーズン前、前年度についてリリーフ投手陣での負け数を指摘していました。チーム防御率は抜群ながら勝ちきれないのは、エラーが多いこと、ホームランが少なく得点が少ないことはよく指摘されてましたが、リリーフの負け数を指摘する評論家はほとんどいませんでした。他の評論家の方たちとは違う視点をもち、それぞれの状況での選手のプレイ、監督の采配で何が最善なのか、背負うリスクを少なくできるのかを常に考えて試合を見ていたのだと思います。

監督就任のとき65歳の年齢について、孫の世代の選手とのギャップでうまく行かないのではとささやかれました。前回の監督就任時は優勝直後の完成されたチームでベテラン選手も多数おり、監督自身もコーチや二軍監督を歴任してチームに属していましたが、今回はずっと優勝から遠ざかった若い選手ばかりのチームで、自身も評論家からの転身と前回とは全く正反対の状況から不安視されていました。しかし、結果は日本一。監督室に選手を呼んで直接言ったり、メディアやコーチを通して選手にメッセージを伝えて信頼関係を築いたようです。ルーキーの森下選手をうまく持ち上げたり、リーグ優勝のインタビュー時の青柳投手とのやりとりを見ていると選手との絆というか信頼関係は十分にできていたと思います。今年の流行語大賞『アレ』のほか『おーん』『そらそうよ』、インタビューでの独特の言い回しや『あれ』『これ』を連発したりと関西特有なのか岡田監督独自のものかわかりませんが、岡田監督の人を惹き付ける力、魅力がチーム全体に浸透し団結力をもたらしたのだと思います。

  • 分析力・・・選手の能力、流れの先読み

  • 決断力・・・適材適所の配置

  • 魅力・・・人を惹き付けチームをまとめる


監督の采配がチームの運命を左右する!優勝争いの行方

プロ野球はキャンプ、オープン戦の準備期間を経て公式戦を約半年間戦い、秋に勝敗が決まります。日本ハム新庄監督が就任会見で『優勝は狙いません』と意味不明な発言をしましたが、12球団全てが優勝をめざしてシーズンを戦います。シーズンオフの選手補強や、親会社の資金力で戦力差は生じます。しかしチーム方針、監督の采配によりその占有戦力が大きな成果をあげることも、またその逆に期待を大きく裏切ることもあります。阪神タイガースは絶対的なエース青柳投手中心とした強力な投手力を持っています。ヤクルトスワローズは村上選手を軸に強力打線をもち、横浜ベイスターズも牧選手らの破壊力のある打線に投手力も整いつつありこの3チームが主に優勝候補となっていました。シーズン前の評論家の順位予想やメディアの記者の評価と結果に差異が生じるのは、個々の選手の能力の総合値、期待値に目を向け絶対的な柱となる選手のいるチームが優位とすることが一般的だからでしょう。しかし、ヤクルトスワローズは最下位争いに沈み、横浜ベイスターズは優勝争いをしながらも、下馬評のよくなかった広島カープに破れて3位に終わりました。
私は選手の力に差がない場合、勝つのは選手のおかげ、負けるのは監督のせいだと思います。選手に力がなければ勝てません。意表を突いた作戦であっても選手ができなければ勝てません。逆に勝てる戦力があっても采配を間違えれば負けると思います。もちろん選手の致命的なエラーが原因で負けることもあるとは思いますが。。。だから優秀な成績をあげる監督は負けるリスクの采配をしない、あるいは相手の監督よりも負けるリスクが少なく負けにくいということだと思います。
だから今年の阪神タイガースの優勝はズバリ監督の差だったと思います。自チームの選手と相手チームの選手の力量の差を見極め、試合の流れさらに相手の戦法を先読みした岡田監督の能力・采配が他球団の監督よりも秀でていたのだと思います。


プロ野球は結果が全ての世界です。監督は勝てば称えられ、負ければ辛辣なことばを浴びせられます。高齢の岡田監督があと何年指揮を取られるのかわかりませんが、岡田彰布監督信者の私は監督に少しでも長くユニフォームを着ていただいて、また歓喜の胴上げを見せていただきたいと願っています。


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