転職して18年 ー 年を経て思うこと ー

経歴


私は現在50歳の男です。
高校がいちおう進学校だったのでアルバイトを初めてやったのは高校卒業後で、大学入学までの2週間ほど工場で働きました。
大学時代は入学まもなくから卒論書く卒業半年前までずっと同じ新聞の印刷工場で配送補助のアルバイト。そのあと就職までの1か月間パチンコ屋の店員のアルバイト。
大学を卒業して地元の建設会社へ就職。卒業研究の担当教授から大手ゼネコンへの就職も斡旋してくれましたが、それを断って地元の小さな建設会社へ。
約10年建設会社を勤めた後、今の製造業の工場作業員をやって18年くらいになります。


アルバイト、就職して考えてたこと


最初の工場のアルバイトはほんとに暇つぶし、お金が欲しいくらいの気持ちでやってました。ミスをせず時間が過ぎればいいやという思いのみで、同僚の人たちと仲良くやろうという気持ちも全くありませんでした。一緒にやってた高校生3人組があまりにも仕事できずに、こっちが期待されて残業頼まれたりしてイヤだなとか面倒くさいなという思いだったのを覚えています。

大学時代の新聞の印刷工場は在学中ずっと働くつもりでいて、同じ大学の学生バイトの先輩がたくさんいていい職場でした。時給もよく実労働時間は半分くらいの休憩多めと条件は最高でした。仕事内容はバイトが固定でその工場に配属された社員の方は日替わりで交代という職場だったので、ある程度バイトが段取りして仕事を進めるという形であったので、いかに無駄なことはせずに休憩とれるかを考えてました。社員の方も同い年から自分のおじいちゃんくらいの人まで年齢層の幅が大きくていろんな人と関われたのはいい経験でした。

パチンコ屋のバイトも最初の工場と同じでお金が欲しいくらいの気持ちでした。ただ店長さん、副店長さんがすごくいい人で職場もみんな自分の年齢±5歳くらいと若く、ごく一部の人を除いて仲が良くまとまってる感じがして働きやすい職場で楽しかったです。副店長さんからうちのパチンコ屋で働けばって誘われたときに、転職するならここでもいいかなと思ったくらいです。マネージャーさんが強面で近寄りがたい風貌で、店長さんたちを叱り飛ばしているのをみると恐ろしかったですが、バイトの自分にはとても優しく接していただき、就職してからも何度か相談に乗ってもらいお世話になったなと思います。

そしていよいよ就職。職種は建設会社の現場監督。最初は先輩の下について働きます。右も左もわからないからそれが当たり前でやってたのが、2年目3年目となり一人で任せられるようになると内情がわかりました。いかに無駄なことをしていたかと。できる先輩とそうでない先輩との違い、元請け業者の無能さ、無責任さなどイヤな面をたくさん見たし、休日も少なく、長時間の残業で残業代もつかない、今で言う典型的なブラック企業だったのでもう辞めたいと思うこともありました。ただ救われたのは小さい会社だったので、請け負う工事も大きいものでなく工事期間が短く、1年くらい我慢して工事が完了すれば一緒に仕事をするメンバーも変わるので何とか耐えれました。現場によっては仲の良い気心知れたメンバーでできたところもあったのでよかったのですが。。。小さな会社のため一人で現場の管理をするので仕事量が多くて大変でした。工程管理、出来高管理、品質管理、安全管理、発注管理、予算管理さらに施主や元請業者との折衝まで。今考えたら、そりゃ帰れんくなるわと思います。
建設会社なので作り上げたものが形として残るし、工期の厳しい現場で完了した時の達成感ややりがいは感じる仕事でした。かかわる人が良ければずっと続けていたと思います。

今の会社は大きな企業で、工場作業員として働いています。はじめは仕事覚えるのが必死で、それも自分よりも若いメンバーが多く負けられないというか迷惑をかけたくないという思いで早く一人前になるようにがんばってました。ある程度仕事を覚えてからはいかに無駄な作業をなくせるか、作業ミスをなくせるかとチームの中で自分の立ち位置や役割、どうしたら貢献できるのかを考えて仕事しています。


今考えてみると、効率よく仕事を進める意識だったり、年配の作業者とのコミュニケーションの取り方などは学生バイトの時の経験が生きたかなと感じることも多かったです。



転職のきっかけ

今の時代は転職も当たり前になってきたけど、自分は就職したときから一生この建設会社に勤めるとずっと思っていました。最後の現場に当たるまでは。。
辞めると決断した理由はズバリ人間関係です。入社した時に一緒にやった先輩と同じ現場になり、自分の一年目の時と全く同じでワンマンな人だったので途中でムリだと決断しました。
ムダなことをしたくないので夕方に現場が終わったら、すぐに書類整理をしてやることやったら帰るという方針の自分と、現場事務所で夕方から飲酒・居眠りして自分が帰る頃に起きて自分の仕事にケチつけてくる先輩。それに付き合わされて深夜遅くまで残業の繰り返し。あげくに唯一の休日の日曜日にも自宅へ何度も電話をかけてきて留守電にメッセージが入っててもうダメだと、翌朝退職すると告げました。朝一番の7時過ぎにその先輩に言ったところ部長が8時過ぎに現場にスッ飛んできて、昼過ぎには事業部長が来て説得されました。自分の気持ちは固まっていたのですぐにでも辞めたいと言ったけど、事業部長のことは信頼していてずっと説得され続けたので2か月だけ残ると約束して、2か月後に退社しました。

今の会社も最初は人間関係がうまくいかなかったですが、自分が仕事を覚えてチームに溶け込んでからはよくなりました。今は逆に若い子たちが入ってくるのでいかに働きやすく感じてもらえるか、居心地が良いかを考えています。交代制の職場なのでベクトルの向きをみんなが合わせられるようにしないと不具合が生じてほかの人に負担がかかるので、雰囲気づくりは重要だと思います。


転職について考えること

自分が転職したとき32歳、結婚3年目。
嫁さんに相談して一晩話し合って嫁さんにも理解、承知してもらって辞表を書きました。退職するときはもう早く辞めたい、それだけの考えでした。退職して職業安定所に行ったり、面接に行って条件が合わなかったりして、これからどうなるんだろうと不安になることもありましたが幸いにも年末退社して年明けてすぐに、今の会社に決まりました。建設業から製造業、管理職から工場作業者、交代勤務ありと環境の変化に不安がありましたがまだ若かったので何とかなりました。
自分の場合転職してのメリット、デメリットを考えると、休日や収入面では大きな会社なので格段に良くなりました。やりがいとか充実感は今の会社ではあまり感じられないのが実情かなと思います。製造業のモノづくりは最終の形ではないのでどこかに使われてるくらいで出来栄えの満足感はないです。もちろん職場でトラブルや品質異常が発生した時に、チームのみんなで知恵を出し合って解決できた時はうれしいですが。



もしあのとき違う環境、条件だったら退社の決断はできたのか?
もし違う人と仕事していたら?
もし子供が生まれていたら退社していたのか?



転職する理由は人それぞれあると思います。自身の健康、家族や親族の体調や状況、休日や給与の待遇の不満、人間関係など。その時の環境、条件、タイミングによって辞めなくてもよかったり、逆にタイミングを逃して辞めれなくなったり。自分は今の会社に転職したのはよかったと思っています。もちろん不満もありますが、前職の建設会社に比べたら満足しています。
人間関係で退職したのですが、今自職場の人には辞めてほしくないし先輩として辞めさせないようにしないといけないと思います。人間関係を築くにはよくコミュニケーションが大事と言います。うちの会社でもそう言ってる偉い人がいますが、上の人が人間不信になるようなことしてたらコミュニケーションなんて取れないです。冗談が言い合える関係は一見コミュニケーションが取れてるように見えるかもしれませんが、本音で熱量をもって話ができる関係でなければ意味がないと思います。
上司や先輩は部下、後輩に対していかにやる気を出させるかが本当に大事だと思います。数字も大切かもしれませんが、会社の向く方向へ社員一人一人のベクトルを向けることが上司の役目、能力だと思います。やる気を出させるのは難しいかもしれませんが、やる気を削ぐ言動をしないことは誰でもできます。上の立場の人はそれを実践するだけで生産性は間違いなく向上できると思います。

ほかにやりたいことが見つかったとか、健康上の理由などで退職するのは仕方ないと思いますが、ハラスメントなど人間関係で有能な社員が退職するのはもったいないし見たくないです。
なんてことを考えながら定年まであと10年がんばります。



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