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【昭和歌謡名曲集42】バス・ストップ 平浩二

若い頃、高い声が出た。会社でカラオケ行くと、高音を使う男性歌手の歌を好んで歌った。ジャンルはどうでも良かった。
三橋美智也の「古城」
松山千春の「旅立ち」
おおっ、と誰も言いはしないが、自分が気持ち良かった。
その中に、平浩二の「バス・ストップ」がある。
出だしの
🎵バスを待つ間に泪を拭くわ
の「ま・つ・あ・いだ・に〜」のとこで、早くも最初の難関、高音の歌いどこがくる。
私は、このフレーズを歌うために、カラオケ店で酒を控え、大声で喋り合うなど、喉を痛めるようなことは極力せず、ひたすら穏やかにニコニコとすごしたものだ。
で、四、五曲進んだところで、場が温まったところで、徐ろに「バス・ストップ」を入れる。あまり遅いと、誰も聴いてない。みんな自分が歌うことしか興味がなくなる。他の人の歌でも、勝手に入ってきて、合いの手、下手くそコーラスから合唱というか絶叫になる。毎回、これが社会人かという醜態を晒し解散となる。そういう職場だった。その前に、なんとしても歌わねばならなかった。
「あ、平浩二。あたし、好き」
職場の綺麗どころの姐さんが呟くのを聞き流し、片手マイクで片手をポケットに突っ込み、ちょっと髪をかきあげたりなんかして歌い上げる。至福のひと時だった。

えっ? じゃ、終盤は何歌ったかって? 
RCサクセションの「雨上がりの夜空に」
ハゲ課長と肩を組み、体を揺らし、喉も裂けよ、とばかり歌ったなあ〜。

🎵どうしたんだ HEY HEY BABY バッテリーはビンビンだぜ いつものようにキメて ブッ飛ばそうぜえー!

気がつくと、二人だけになってたもんだ。はは。懐かし。

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