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ボンデージ撮影⑨

最後の撮影は2018年
それ以降はモデルさんを探しての撮影はしていない

休止している理由は体力的にきつくなってきたのと
撮りたいと思えるモデルさんが見つからないから

撮影の翌日はゆっくり休みたいので、休日前の仕事終わりに撮影の約束を入れるのがほとんど
衣装、拘束具、撮影機材の入ったキャリーケースは20kg近くある
車で移動しているけれど、その重さのケースを持って行き2~3時間の撮影をするのはかなり体力を使う

オプションとして拘束や緊縛の撮影もOKというモデルさんとは
撮影する気が起きない
惹かれるものがないとやる気が出ない
募集掲示板にサンプル画像を載せていてくれていると
モデルさんの雰囲気が分かるので依頼しやすくなる

撮影初期には最後にちょこっと拘束撮影するというのをしていた事もある
中途半端感が撮影した画像からも分かるので、それ以降は衣装だけの撮影と拘束撮影は完全に分けて行っている

今は掲示板よりSNSなどで直接カメラマンとモデルさんがやり取りする時代
掲示板もかつてのように活気づいた場所ではなくなってしまっている


モデルTは口元を隠し目元を出した緊縛画像を載せていた
他のモデルさんたちはほとんど目元を隠している
その目に惹かれて撮影依頼のメールを送った


場所はいつもの都内駅前
土曜の14時が約束の時間
交差点を渡った場所で出口から出てくる人を観察する

小柄な女性が出口を出てすぐに電話をかけるのが見えた

「はい、Tさんですか?
交差点を渡ったところにいます」

軽く手を振るとこちらに気付く

「はじめましてTです
今日は宜しくお願いします」

あれ?
どこかで見た人だっけ?
会うのは初めてだが見覚えがあるような…


思い出せないままいつものホテルへ

「メールでも伝えましたが衣装を着ての拘束撮影がメインです
教えてもらった以外にも何かNGはありますか?」

「緊縛や拘束はほとんど大丈夫です
NGは…浣腸かな」

「それはしませんよ
今までどんな撮影をしてきましたか?」

「え~と…緊縛とかの動画を出してる○○というとこで何度か撮影してます
そこで△△という名前で出てました」

!!!!

思い出した!
○○という緊縛ビデオを出しているサイトで見たモデルさんだ!
モデルUも同じメーカーのビデオに出演していた

「あーっ!
どこかで見た事のある女性だと思っていたんですよ
そこと関連する◇◇というメーカーにも出てますよね」

「そんなような名前だったと思います」

緊縛モデルをしていたというサイトで見た時は30代半ばくらいの女性だと思っていた
目の前にいるTは自称20代後半、童顔なので24~5にも見える
メイクや着ているもので女性はこうも変わるのか…


「じゃあこれ
中を確認して下さい」

撮影報酬の入った封筒を渡す
3時間の拘束撮影なので6万5千円入れてある

「えっ!多いです
こんなにいらないです」

1時間2万円と伝えてあったのに2万円を返そうとする

「いや、一度出したものは受け取れませんよ
どうぞ収めて下さい」

「多いですって!
今までこんなに貰った事ないです」

仕方なく多いと言う分の返金に応じる
他の人の緊縛や拘束の撮影相場はどのくらいなんだろうか
自分が満足できればいいと思っていたので
それまで気にしたことはない


「最初はこれを着てもらおうかな」

渡したのはスクール水着
小柄で童顔なTには似合うと思った
脱衣所へ行き着替えている

裸を見たいわけではないので
目の前で着替えようが脱衣所で着替えようが
どちらでもいい

それにしても…

拘束具とカメラの準備をしながら思う
○○というメーカーのサイトはよく見ていた
Tの出演しているサンプル動画や画像も見ている
Uと違ってTは数本動画撮影もしている
プロの緊縛モデルといってもいい
まさか自分が撮影する事になるとは思わなかった


着替えて出てきたTの立ち姿を軽く撮影する
少しはにかむような笑顔
スクール水着を着ているからか20代前半のようにも見える
しかし黒い首輪と手枷足枷をつけると様相が一変した

あっ!この顔だ!

緊縛モデルとして出ていた時の表情と同じ
笑顔が消えて妖しい表情になる
撮りたかったのはこれ

身体の正面で手枷と足枷をマルカンで固定する

「ボールギャグをつけるよ」

経験済みなので自分から口を開く
という事はアレも経験済みなんだよな

数枚撮影してから鼻フックを取り出す

「知ってるよね?」

「ふぁい…」

ボールギャグを嵌めたまま返事する
鼻フックもつけてまた撮影する

「今度はうつ伏せになって」

マルカンから手枷足枷を外しベッドの上でうつ伏せにさせる
その状態で手足を後ろにしてマルカンに繋ぐ
簡易的なホッグタイの完成

数枚撮影してから手の拘束を解いてアームバインダーに替える
両足は拘束棒に繋いで開くように固定する
そのままベッドの上に座らせて撮影

ボールギャグをハーネス式のものに替える
ハーネスボールギャグは私が大好きな口枷のひとつ
でも一度鼻フックを取らないと交換できない
ハーネスをきつく締めて再び鼻フックをつける

そのまま撮影した後、足の拘束棒を外してベッドに立たせて撮る
20分以上経過しているので衣装替えも兼ねて小休止する

その間も色々な会話をする
今はOLしながら個人撮影をしていて商業用の撮影はしていないという

「××市に住んでいるので都内の会社に通うのが大変なんです」

!!!!

「その市は実家があるので数年前まで住んでたんですよ」

私が住んでいた市にいるとは…
世の中広いようで意外と狭かったりする