見出し画像

ボンデージ撮影③

Mとは2回撮影した

カメラマン募集にはソフトSMの撮影できますというようなことを書いていたような気がする
もちろんSMプレイを撮影する気はないので着衣拘束撮影が希望とメールを送る

当時勤めていた会社の沿線駅で撮影希望という内容だったので、こちらとしても願ったり叶ったりの条件
会社を出て待ち合わせ駅までは20~25分

駐車場に車を停め、出口から少し離れたところで待つ
メールで携帯番号を送る
約束の時間を少し過ぎて携帯に着信が入る

「そのまま右を向いて
少し離れたところにいる黒いスーツがそうです」

やって来たのは小柄な女性
少しぽっちゃりしてるかな

「はじめまして○○です」
「なんかパッと見た時にホストの方かなと思ってました」

そんな風体に見えますか?
まぁ会社員に見られたことはほとんどありませんが…
当時はブルーのヘアマニキュアを入れていることが多かったからそう見えたのかも

駅前にホテルはないので車で向かう
「どんな音楽が好き?」
「R&Bとか聴きます」
iPodを操作して好みに合いそうな音楽を流す

室内に入るとまず確認するは音楽が聴けるか
当時はiPod全盛だったので、自分の持っているiPodを接続して音楽を流しながら撮影することが多かった
撮影中はBachやVivaldiなどの室内楽を流す

「じゃあこれ」
撮影報酬と運転免許証を預ける
免許証を預からしてほしいというのがMの希望だった
そりゃそうだ
見ず知らずの男にホテルの部屋で拘束されるのだから用心深くなるのは当たり前だ


「それじゃあ、これを着てもらおうかな」
体操着とブルマを渡す

そのまま拘束せずに立ち姿を数枚収める

顔が見えないように撮影して欲しいという希望だったので大きめのアイマスクをつける
黒い首輪と手枷足枷もつける

ベッドの端に座っているので後ろ手に手枷を繋ぐ
足も左右を繋ぐ

う~ん、いまいち気分が乗らない

アイマスクをしているからなんだろう
目の表情が見えないと
それだけで気持ちが半減してしまう

初めてボンデージ撮影したRの時もアイマスクはしていた
しかしその時は楽しく撮影できている

アイマスクのせいだけではないのも分かっている
Mの持つ雰囲気が私の好みではないからだ
ここでいう好みは外見の美醜ではない
第一印象でM性を持っているようには見えなかった
そして撮影中も違和感だけがずっとあった


まぁ始まってしまったものは仕方がない
口枷をつけたりしていけば変わるかもしれない

「口を開けて」

シンプルなボールギャグを咥えさせる
そのまま十数枚撮るがMはほとんど動かない
撮影慣れしていないのかもしれない
そういえば
今までどんな撮影をしてきたのか聞いていなかった


代わり映えのしない撮影に変化をつけるため口枷を替える
口部分が丸く開いた革製のオーラルマスク
拘束も左手と左足、右手と右足同士を繋ぐようにする

その後もハーネスボールギャグに替え、手の拘束はアームバインダーにしてみるが気持ちが入らない
撮影した画像を見返していても気分が乗っていないのは分かる
ただ淡々と撮影しているだけ
そんな雰囲気が画像からも伝わってくる


『そうだ!アレを持ってきていたんだ』

今まで一度も使ったことのなかった革製の全頭マスク
目の部分だけが開いている
これなら顔は隠して目を見ることができる

左右が固定されている手枷と足枷に替えてみる
手枷と足枷をベルトで繋ぐ


カメラを向けると目線を合わせる
何を考えているのか
何を感じているのか
目だけの表情からは読み取れない
こんな難しい撮影は初めてだった


その後はまたアイマスクをして各種口枷をつけて撮影終了する

「どうでした?」

「はい、あの...楽しかったです」

楽しかったの?
全然そうは見えなかったけど

「それと、撮影した画像が貰えるなら欲しいんですけど」

「いいですよ
CD-Rに焼いてお渡しします」


駅まで送り、自宅へ戻って画像データを確認する
CD-Rでは収まらないのでDVD-Rへ落とす

「撮影した画像を渡したいので来週土曜の同じくらいの時間に駅前まで来れますか?」
というようなメールを送る
DVD-Rを渡すだけなのでいつでも大丈夫だろうと思っていた

返信メールにはこう記してあった
「撮影データ嬉しいです!
また撮影もできるといいなぁーと思っております。
なかなか、癖になりますね。」

また撮影したいの?
今までの撮影で一番疲れたんですけど…