[散文詩] 血のあかに溺れる銀の在りありと
ぼくはぼくと抱き合ってキスしながら眠っているところを、父親に見つけられている、そしてなにか怒鳴られている、ちょうどその場面に目が覚めた。ぼくの唾液はとても甘く、しかし決しておいしいとは思えなくて、父親は、なんだなにをやっているどういうわけだこれは、なんだ、というような事をさけんでいたようだけど、怒気と混乱と興奮に支配されていて、なんだかよくわからなかった。怒っていること、混乱していること、興奮していること、それだけはわかった。ようやくぼくに跨がっているぼくが、ぼくとのキスをや