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会計を知らない社長は融資を受けてはいけない

多くの企業が融資を受けて事業を行っています。融資を受ける目的は、事業を拡大するためだったり、日常経費の支払のための運転資金、あるいは一時の赤字を補填するためだったりと様々です。

しかし、自社の売上や収益構造を把握したうえで融資を受けているでしょうか?

融資の返済原資とは?

融資を受けたからにはいずれ返済を行わなければなりません。では、いったいどこからお金を出して借りたお金を返していくのでしょうか?

例えば、借入をして機械を購入したとします。その機械を使って製品を作り、販売すれば売上というお金が入ってきます。その売上で融資を返済するのでしょうか?

答えはNOです。売上で得たお金は、その製品の材料の仕入先に支払います。さらに、製品を作ってくれた従業員にも給料を払います。もしかしたら、製品の販売のために広告宣伝をしたり、機械が故障したから修理のを頼んだり、製品を遠方に届けるための運送費がかかったりもするでしょう。そうすると、手元に残るお金は減ってしまいます。

しかもまだ終わりではありません。利益が出たのであれば税金も支払わなければならないのです。ここまで支払えばさすがにもう追加で取られるものはありません。つまり、この残金で融資の返済を行うのです。

税金まで引かれた後の手残りはいくら?

では、税金まで支払うと、売上のうちどれくらいのお金が引かれていることになるでしょうか?これは、会社によって様々なので計算してみないとわかりません。そのためには会計を知っている必要があるのです。

売上に対してどれだけの経費がかかっているのか、これを収益構造と言います。収益構造がわからなければ、売上のうち手元に残る金額がわかりません。そうすると、売上の予測ができたとしても、融資が返済できるかどうかはわからないのです。

最初に、自社の売上や収益構造を把握したうえで融資を受けているかを聞いたのはこのためです。売上と収益構造、この両者がわからないといくらお金を返せるかがわかりません。そうすると、そもそもいくらまで借りられるのかもわからないのです。

いくら返せるのかわからないのに借金すると…

売上や収益構造を理解していなければ、いくら返せるかがわかりません。経営者であれば、会社の融資の保証人になっていたり自宅を担保に差し入れていることもあります。会社が借金を返せなければ、経営者自らの財産から返さなければなりませんし、それも無理なら担保物件を手放したり、破産するしかなくなってしまいます。そう考えると、売上や収益構造といった会計のことを知らずにお金を借りることがどれくらい危険なのかは容易にわかると思います。

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