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財務の視点から考える新型コロナ対策⑦

新型コロナウィルス感染症に対する支援策の中心は融資によるものです。しかし、融資はいずれ平常に戻ったら返していかなければならず、将来の財務負担は避けられません。

しかし、今回の支援策の中で、返済不要の給付金として注目されているものがあります。それが「持続化給付金」です。

この記事では持続化給付金について、どれくらい給付を受けられるのかを中心に解説していきます。なお、持続化給付金は補正予算の成立後に支給が開始されるものであるため、今後支給方法や計算方法が変わる可能性がありまるのでご留意ください。

持続化給付金とは?

経済産業省の案内では次のように説明されています。

感染症拡大により、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金を支給します。
出典:https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/kyufukin.pdf

つまり、新型コロナウィルス感染症により影響を受けた会社や個人事業主の支援のために支給される給付金です。給付金なので返済義務がないことが最大の特徴です。

給付額はいくらになるのか?

次の手順で計算します。

※4月27日に発表された情報により、会社の場合は2019年の売上ではなく、前事業年度の売上を使用することが明らかになりました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

①2019年の売上高を集計する
②2020年1月~12月のうち、前年同月比で売上高が50%以上減少している月を選択する
③200万円(個人事業主は100万円)と「①-②×12」のいずれか低い金額が給付金となる

②における月の選択は自由にできるようです。最も給付金が多くなるようにするには、②の条件を満たす月のうち、「売上高が最も低い月」を選択することになります。しかし、2020年12月まで待ってから申請を行うのでは給付金を受け取れる時期がずっと先になってしまいます。そのため、資金繰りの状況を見ながら申請時期を考えることになります。

なお、次のようなケースではすぐに申請をした方が有利です。

(ケース1)営業自粛等で売上が全くない月がある
売上が0であれば前年同月比で50%以上減少という要件を必ず満たします。また、「①-②×12」の計算式の第2項が0になるので、支給額も最大になります。この場合、申請を先送りする理由がありません。

(ケース2)支給額が上限額200万円(個人事業主は100万円)に達する月がすでに選択できる
例えば、2020年4月の時点で売上高が前年同月比50%以上減という要件を満たし、しかもその売上高を使って支給額を算定すると上限額になるという場合です。このときも、申請を先送りしてももらえる金額は増えませんので、早めに申請すべきです。

2019年に創業(設立)の場合は?

この場合、2020年の後半にならないと、前年同月比の計算をすることができない会社や事業者が出てきます。このような会社や事業者のために、何らかの対応が取られることが検討されています。

また、2019年中に個人事業から会社に法人成りしたケースも考えられます。この場合は個人事業のときの売上と会社になってからの売上を比較するのかどうか、詳細はまだわかりませんので、今後の情報に注意する必要があります。

いつからもらえるの?

補正予算成立後、1週間程度で申請の受付を開始し、電子申請の場合、申請から2週間程度で給付されることを予定しているそうです。

また、申請書類はシンプルです。法人番号(個人事業主の場合は本人確認書類)、2019年の確定申告書、売上減少月の帳簿等、の3つだけになります。

終わりに

持続化給付金は多くの会社や事業主から早急に求められている支援策ではないかと思います。給付金の詳細は4月の下旬には公表予定とのことなので、早めに申請方法を確認し、スムーズに申請が行えるようにしておきましょう。

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