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志存高遠                目標は高く持て その7

今思い出してもおぞましいとしか言いようがない。
経営者に対する不信感は新卒で入った会社から始まったのかもしれない。

とにかく僕ら社員、特に営業メンバーは、社長と社長のスパイから徹底的に監視された。

いつだれとだれがどこへ飲みに行ったとか、自宅には無言電話が入って、在宅か不在かを確かめられたり・・・。

僕ら営業マン同士はチームワークが良かったから、情報共有していて、一番ひどかったのは、妊娠中の奥さんに社長が自ら電話して、社長が根も葉もない嘘を吹き込むということがあったりしたことが露見したり。

もう黙っちゃあいられない!

実は僕、その当時、出産のため里帰り中で、会社を辞めるなんてもってのほか、という時期だったんだけど、その悪意の電話をされた営業マンは一番親しい人だったし、奥さんとも親しくさせていたから余計に許せなかった。

その人は当然辞表を出したし。

しかし、その馬鹿社長は、日曜日だったかな?休日に会議の招集をかけやがった。僕は里帰りしている妻に毎週会いに行っていたのに、仲人のくせに邪魔してくれた。知っていたはずなのに・・・。

会議の前に、社長の机に辞表を叩きつけて、帰ってきた。

そうしたら、僕の父に恩義がある馬鹿社長から自宅に電話が来た。
焦りまくって。

結局、渋谷のあるホテルのレストランで話し合うことに。

でも僕はもう、父にも妻にも報告済みで、翻意するつもりはなかった。

その場で「あなたの人間性には失望した。父にはありのまま報告して理解してもらったから」と告げ、辞める意思に変わりがないことを告げて帰った。

それから2週間は就業規則通り仕事はして、引き継ぎはしたけどね。

でも、まともな人は全員後を追うように辞めてしまった。

まあそうだよね。

特に、僕の顧客を引き継いだ人なんてひどいもんだよ。
年だけ上というだけで高い給料をもらっておきながら、僕が新規開拓した会社をフォローできずに辞めてしまったのだからね。

さすがに顧客には申し訳ないと思ったけど、社長が責任を取ればいいと思った。

仕事は興味深かったし、絶好調だったのにね。
<続く>

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