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超歌舞伎台湾講座を終えて

2023年10月25日(水)、台湾東呉大学にて「傳統與科技・演藝成奇蹟 初音未來×超歌舞伎講座」、通称「超歌舞伎台湾講座」を開催いたしました。ご来場・ご視聴の皆様に感謝を申し上げます。共同主催の東呉大学日本語学科は台湾においても非常に有名で、一緒に講座を開催することができてとても光栄に思います。

ようやく気持ちなど諸々の整理ができましたので、事後報告としてこの文章を書きました。講座準備の裏側、そして当日の客席の反応など、いろいろ語っていきたいと思います。

アーカイブはYouTubeにて公開しておりますので、ぜひご覧ください。


企画のきっかけ

去年10月にこれを書きました。かなり力を入れて文章を書いて、台湾屋の一人であり、私の友人でもあるにゃんさんにイラストも描いてもらって、本当に公開できてすごく達成感がありました。実際台湾においてこれを読んでた方が配信チケットを買ってくださった方もいらっしゃいました。

とはいえ、この文章はどれほど反響があったのかが正直把握できておりません。公開はできたもののやはり一部の方にしか届けられなかった、という感覚がありました。頑張って書いた文章、そしてにゃんさんもイラストを描いてくださったのに、あまり見られていない(※自分の考え)のが悔しかった。

今になって振り返ると、おそらくこの気持ちが、私が別の形で超歌舞伎を広めたいと思い始めたきっかけでした。以前2019年に一度ある美術館で開催した超歌舞伎講座がありまして、もう一度講座の形で届けられたらいいなと思いました。

それから今年に入り、3月から未来群像も学校での一般向け講座を企画していた頃、友達から東呉大学でやれるかどうか日本語学科に聞いてみるね!と言われて、そして二つ返事でOKをいただいて、約半年の準備期間がここから始まりました。

準備期間中の諸々

企画の初期段階においては、hiyoriさんやキヨさん、Kさんなど、超歌舞伎に詳しい方に尋ねて、「公式に一度聞いてみたら?」と助言をいただきまして、それでご縁もあって超歌舞伎チームに連絡ができ、素材のご提供などをしていただきました。

超歌舞伎に詳しい日本の友人たち、にゃんさんとMin.さんと相談し、ある程度企画が固まってきた頃、台湾側での作業が増え、私自身は講座内容の準備などかなり手一杯の状態でしたため、素直に台湾屋の仲間たちに頼みました。役割分担はこんな感じ。

えこ:企画、講師、日本側連絡と確認、プロジェクトリーダー
にゃん:スライド用イラスト、連絡と確認、講座内容監修
Min.:スライド・講座内容監修、台湾側広報、司会
玥:スライドアニメーション・エフェクト制作
七瀬昇:講座ポスター制作、生配信スタッフ
あゆき:生配信スタッフ
FrtUne_Çheng:配信機材に関する相談役
阿水、Miku(米菇)、えこママ:当日会場スタッフ

ステージに立つのは私だけでしたが、実際はこれほど多くの仲間が後ろで支えてもらったことで、この講座が実現できました。元々台湾屋、というか超歌舞伎が好きな台湾人はもしかして私しかいなかったかもしれませんが、今となって台湾屋の仲間が増え、超歌舞伎が好きな台湾人も増えたと実感できます。

準備期間中に、私のそばにいてくれた仲間たちは、本当に優しくて、温かい人ばかりでした。みんなのおかげでステージに立つことができました。本当にありがとうとしか言えません。

そして超歌舞伎チームから素材をいただくだけでもすごく感謝しています。そして中村獅童さんご本人からのビデオメッセージをいただけるなんて思いませんでした。夢みたいでした。人生に超歌舞伎があって本当に良かったと心の底から思いました。

私の就活について

今回の講座は日本語学科の学生向けなので、学生の皆さまに将来のビジョンの参考にして貰う目的で自分の就活について紹介しましたが、改めてここで私のことを簡単に説明します。

2019年大卒の時、私が最初に応募した会社は、クリプトン・フューチャー・メディアでした。ずっと初音ミクとボカロ文化が大好きで、クリプトンに入りたいとずっと思っていて、実際面接までも行ったものの、「社会経験を積んでから来るかどうかを考えてほしい」と言われました。今となってまさにその通りだと思います。

それから社会経験を積もうと思い、自分が空港や飛行機、旅行が好きなので関係する会社に応募してみました。スターラックス航空も面接まで行きましたがご縁がなく、同じ時期に応募した日本航空の北海道勤務地上職員が運が良く二次面接まで行って、無事内定をいただき、2020年3月17日に日本へ来ました。

国内線で一年ほど働いてきた自分を振り返って、JALで積んだ経験が間違いなく私の人生に大きい影響を与えてくださいました。優しい同僚や上司の方々の影響で私の日本語力がより一層向上ができ、何より他人に対する思いやりや優しさを手に入れました。今でもあの時の経験が宝物だと思っています。

コロナの影響もあり、その後は日本を諦めて台湾に戻ろうと思っていましたが、中村獅童さんに直接感謝をせず台湾に帰ったら自分は絶対に自分のことを許せなくなると思って、2022年に転職を決意しました。

今度はドワンゴに挑戦してみようと思って応募してみたもののご縁がなく、もうダメだと思ったら、まさかのアマゾンジャパンに受かってしまい、私の人生に転機が訪れました。今もアマゾンで働いております。

私としては、もちろん作る側の人間になりたい気持ちがまだ消えておりません。今は経験を積んでまた再チャレンジするつもりでいます。でも再チャレンジまで何もせずに日々を過ごしていくのももどかしくて。だから、未来群像や日本ボカロPの台湾出展サポート、今回の超歌舞伎台湾講座で自分の「好き」をより良い形として

7年前からずっと目指してきた「台湾と日本の架け橋」という目標、今になって確実に自分はちゃんと架け橋になっていると自信を持って言えます。超歌舞伎の存在が私に目標に向かって走る力をくれました。公式側のスタッフじゃなくても、ファンとしてできることがあれば全力で尽くしたい、その一心で貫いた結果、認めてくれている仲間がどんどん増えて、私も嬉しく思います。

最後に

改めて、ご協力してくれた皆様、そして当日ご視聴していただいた皆様に感謝しています。おかげさまで講座はすごく好評をいただいており(アンケート結果がめっちゃくちゃ良くてびっくりしました)、日本台湾交流協会の方からもぜひ台湾公演を見てみたいと感想をいただきました。ここだけの話、講演中の大向うパート、台湾の大学生たちが一緒にやってくださった光景を見て本当に感動しました。日本の文化が台湾でも通用すると確信できた瞬間でした。

私自身も今後超歌舞伎を台湾で広めたい気持ちがありますし、台湾公演が実現されるまでこの活動を継続できればいいなとも思っています。次回はいつになるかどうかはまだわかりませんが、その時にまたご声援をいただけたら、この上にない喜びでございます。
もし他の大学でも超歌舞伎講座のご希望がありましたら、ぜひお声がけください。

超歌舞伎台湾公演の夢が、より多くの方に認識していただき、そして応援してもらえるように、今後も台湾屋の仲間と共に頑張って参ります。そして、いつか超歌舞伎台湾公演が実現された日、皆様と現地でお会いできるのを楽しみにしております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。台湾屋のえこでした。

Art By にゃん(@shinyaemew

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