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台湾の選挙について、私が思ったこと

*本文に入る前にまず言って置きたいのは、この文章はあくまで私個人的な考え方で、台湾の若者を代表するものではありません。またこちらの文章では「私が見てきた印象」が入っており、必ずしも正しいというわけではありませんのでご注意ください。

*台湾総統選挙に関する簡単な説明はWikipediaへどうぞ。そして立法委員(≒国会議員)の選挙投票も同じ日に行われます。そちらに関する紹介もWikipediaで予めお読みください。本文では省略させていただきます。ご自身で台湾総統選挙について調べてから読むのをおすすめします。

はじめに

2020年始めての記事、台湾の選挙をテーマにするのはちょっと大胆ですが、やはりTwitterではちょっと言いづらいことをnoteに書きたいと思って、日本語でどれくらい伝わるのがわかりませんが、少なくとも今私が投票前に思っていることを少しでもお伝えすることができればと思います。

台湾の現状

私個人的な意見ですけど、2016年の台湾総統選挙はそこまで危機感がありませんでした。こちらの危機感というのは「台湾がなくなってしまう」というものです。はっきり言わなくてもわかる方もいらっしゃいますが、台湾は(*中華民国という名義も)そもそも国際的に国として認識されていないことが多いです。たぶんオリンピックもまたいつも通りの「チャイニーズ・タイペイ」という名義で参戦することになるでしょう。これを言うのは別に誰かのせいにしたいというわけではありませんが、あくまで台湾(中華民国)の現状はこうなっていることをお伝えします。

「このまま何も行動せずにいたら、もしかしていつか私たち台湾人としてのアイデンティティがなくなってしまう。」というのは、私だけでなく、周りの若者たちも少しでもこの感情を抱えているではないかと思います。

*詳しく知りたい方は「台湾選挙 若者」について検索していただければと思います。

総統選挙について

台湾の総統選挙はいつも総統候補は副総統候補とペアの形となっており、今回参戦するのは民主進歩党の蔡英文氏(副総統候補:頼清徳氏)中国国民党の韓国瑜氏(副総統候補:張善政親民党の宋楚瑜氏(副総統候補:余湘の3組となります。

一言でこれらの候補の主張をざっくり言うととこうなります(あくまで個人的な意見ですが)↓

民主進歩党の蔡英文氏
→現時点の台湾総統、台湾を守る、そして引き続き改革を行う
中国国民党の韓国瑜氏
→現時点の高雄市長、台湾の景気を良くする
親民党の宋楚瑜氏
→何事も柔軟な対応、改革する前にまず人々の意見を聞こう

*宋楚瑜氏は何回も参戦したことがありましたが勝ったことがないので、この選挙に関しては「民主進歩党 v.s. 中国国民党」と認識していただいてもかまいません。

私の各候補に対するイメージ

一言でこれらの候補に対するイメージをざっくり言うととこうなります(あくまで個人的な意見ですが)↓

民主進歩党の蔡英文氏:割と好印象
→同性婚合法化、時給の向上、観光宣伝の新たなアプローチ、台湾文化の育成(漫画、小説も)などの政策がありました。
中国国民党の韓国瑜氏:あまり好きじゃない
→保守的、嘘つき、遅刻魔、高雄市長としての実績があまりない、セクハラや下品な発言が多い、支持してくれない人には攻撃的な態度、いつも目標や理想を言いながら具体的な計画を出せない
親民党の宋楚瑜氏:いつも負けてる人
→いつも総統選挙に参戦するが勝ったこと一度もないから(以下略)

私は誰に投票する

投票のことについて、よく台湾では「知能テスト」とネタっぽく言われています。そう思っている方は、きっと心の中には「絶対的な正解」が存在しているでしょう。

でも、私は投票のことを「不完全、完璧ではないものから、比較的に良いものを選ぶ、相対的な答えをする」ものだと思っています。それはたぶん投票の本来の意味ではないでしょうか。そもそも人生なんて、絶対的な正解がないので。

だから私は今回、民主進歩党の蔡英文氏に投票します。

それは別に、民主進歩党が好きだから、というわけではなく、単純にこの4年間の台湾が、本当にだんだん良くなっているからです。この先の未来も期待したいです。

そもそも、嘘つきが総統候補になるなんて、本当にお笑い番組みたいなお話なので。しかも政策発表会のときに何も具体的な計画を言わなかったのは、私的にはもう候補失格ですね。

おわりに

私は、これからの台湾がどうなっていくかがわかりません。どの候補が総統になっても、必ず台湾が良くなる・悪くなるとは限らないから。そう思っている方も少なくもないでしょう。台湾では投票しないという選択をする人も結構多いです。

私はそういう人を否定しませんが、選択から逃げるのは私らしくありません。

選択することは、そもそも毎日必ず行うことです。例えば、朝食とか、買う服の色とか、付き合う相手とか。そして選挙投票も、あくまで長い人生の中で、小さな選択の1つに過ぎないものです。私たちは毎日こういう選択を行い、なるべく後悔しないように選んでいくのは、よく考えてみたら実は難しい行動で、選べない人も多いです。

でも、小さな選択で、大きな変化が起きるのも、事実です。台湾全国民の2300万人の中の一人として、23年間生きてきた私は、その事実をずっと感じていました。政治もこれからの人生に関わる選択の1つです。

私にとって、日本語を学ぶことも、日本へ留学することも、日本の人と仲良くすることも、振り返ってみれば、それらも全部ごく小さな選択、細やかな決意でしたけど、それは今の私に全部繋がっています。

そういう選択をしてきたからこそ、今の私がいます。だから今も感謝しています。周りの人に、そして昔の自分に。

「未来の自分が、今の私の選択に後悔しないように、私は今回このような選択をします。」


最後に言いたいのは、どの場所に働いても、住んでも、これからも台湾人のアイデンティティを捨てずに、台湾人として生きていきたいです。それだけの話でした。


ちなみに、画像は台北忠烈祠です。2020年1月1日に友達と一緒に見に行きました。

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