2021.10.13  音を“感じる”こと (旧9.8)

  手を抜く というとなんだか悪いことにようにも見えますが 工業的にモノを作ろうと思うと必ず一定の手抜きは出ます。 特に追い込んでいくことが真骨頂の作業においては 「どこで打ち切るか?」 というのが大きな問題になってきます。 どこまで言っても妥協の産物というのが現実なのだと思います。 私の正業?にしていますオルゴールの調律に関しても やはりどこで打ち切るのかの判断どころが一番難しいように感じています。 特に最近では精度が高まってきていますし、そういうニーズに特化したオルゴールばかり手がけるようになっていますので強く感じます。 決め手は“音を感じる”ことで判断することです。 音は“聴く”ものですが 実は“感じる”要素の方が遥かに大きいと思っています。 感じ方に微妙な違和感のある内は調律作業を打ち切れないということです。 しかもオルゴールのくし歯は削る作業直後は本来の状態とは違う特別な状態ですから、時間をおいてから判断する必要があるわけでして 結果として作業時間はのびるばかりです。 単に“身体との同調”を目指していますが これはこれでなかなかな作業の連続です。

この投稿記事は 音のキャンバスホームページ のぶつくさたっこまんという日記のコーナーに投稿しているものを転載しています。

http://www.01.246.ne.jp/~ttha

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