2022.8.6 半端では出せない。 (旧7.9)
前回に続いてオルガニート・オルゴールの修理についての見解です。 概ね30年以上古いオルガニート・オルゴールはベースプレートの部分がヤワでして、剛性が足りません。 あのケチなメーカーさんがその後にベースプレートの補強をやっている位ですから相当に深刻だったのでしょう。 実際に修理で帰って来た現物を鳴らしてみると “えっ?こんなもん?” と思うほどのびの無い陳腐な音に感じます。 鳴るようになればそのまま修理上がりとしてお返ししてもいいのですが 私の“こだわり”としては補強後の良好なベースプレートに代えてあげたいところです。 どうせ新品ムーブメントから部品を外して修理する羽目になっているのですから ベースプレートも新品から流用すればいいということです。 実際問題としてこうして処置しますと 見違えるようなのびのある良い音に生まれ代わります。 修理人の端くれとしてはここまでやらないと修理したことにはならないなと思います。 但しくし歯については最近のものは例によって異音が混じるという問題がありますから 古い当時のくし歯を使うようにしています。 結果として新旧オルガニート・オルゴールのいいとこ取りとなり、理想的な修理あがりにはなります。 元より採算は度外視ですが。
この投稿記事は 音のキャンバスホームページ のぶつくさたっこまんという日記のコーナーに投稿しているものを転載しています。
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