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LとR、それに「ラ行」の発音の違いを、アメリカ英語の発音の仕方で説明します

カタカナ発音では、Lも R も「ラ行」で発音しています。しかしながら、アメリカ英語の発音は、L と R は明らかに違っているのです。

アメリカ英語のLは、後ろの母音があるときと、Lの後ろに子音があるときやLが語尾(文尾)の場合とでは 発音の仕方が違います。

Rの発音は、アメリカ英語の発音の仕方では、最も簡単な発音の部類に入ります。

※ ここで言う アメリカ英語の発音の仕方とは、舌を喉の奥に強く引き込むような感じにしておいて発声・発音するということです。

※ この記事での発音の説明は、アメリカ英語の発音の基準となる構えである舌を喉の奥に強く引き込むような感じにしていることを前提に話を進めてまいります。


最初はLの発音です。Lの後ろに母音(aeiouとy)があるときは、舌先を歯茎に付けておいて 普通に「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」のように発音すればいいのです。

歯茎に付けている舌先は、次の母音を発音することによって、自然に歯茎から離れます。

このように 後ろに母音があるときのLの発音を、「明るいL」と言います。


Lの後ろに子音があるときやLが語尾の場合は、舌先を歯茎に付けておいて、そのまま「u」と発音します。このLの発音を「暗いL」と言います。

舌先を歯茎に付けるまでは、「明るいL」 も 「暗いL」 も同じですが、Lを発音した直後に舌先が歯茎から離れる 「明るいL」 に対し、「暗いL」 は舌先を歯茎に付けたままで「u」と発音します。そのため、暗い感じの音質になります。


ここで、Lの後ろに母音の u がある 「lu」(明るいL)と、舌先を歯茎に付けたままで u と発音する語尾の「l」(暗いL)の音質の違いを確認してください。

⑴ー1  最初に、舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、母音の「u」を発音してみて下さい。舌はどこにも触れませんでしたね。

⑴ー2  次に、「u」の前に「l」を付けて 「lu」発音して下さい。「lu」の「l」は 舌先を歯茎に付けておいて「ル」と発音します。               「ル」を発音すると、後ろの「u」を発音するために 舌先は自然に歯茎から離れます。この、舌先が歯茎から離れるまでの音が「明るいL」です。


⑵ー1  今度は、⑴ー1と同じように舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて、舌先を歯茎に付け、そのままの状態で「u」を発音して下さい。この 舌先を歯茎に付けておいたままで「u」と発音した時の音声が「暗いL」です。

⑵ー2  続いて、ball を発音してみて下さい。ballの語尾の「ll」は⑵ー1のように舌先を歯茎に付けたままで「u」と発音して下さい。

どうでしたか?  ⑴ー1、⑴ー2 は明瞭な感じの「u」で、⑵の「u」は音声がくぐもった感じになっていませんでしたか。これが、「明るいL」と「暗いL」の音質の違いです。

なぜ「暗いL」の発音が、「lu」や「ル」や「ウ」ではなく「u」なのかと言いますと、「lu」では「l」の発音の後 舌先が歯茎から離れてしまい、「暗いL」 の音が出せないのです。

また、日本語の「ル」や「ウ」では、舌の後部が盛り上がらず、「暗いL」 の音を出せないのです。

しかしながら、舌先を歯茎に付けたままで「u」と発音すれば、自然に舌の後部が盛り上がり、「暗いL」の音になるのです。


Rの発音は、私たち日本人にとって最も難しい発音の一つだと言われ続けています。果たしてそうでしょうか。

Rの発音が難しいと言われているのは、日本語の舌で発音する場合であって、アメリカ英語の舌で発音する場合のRの発音は、最も簡単な発音の一つになります。

舌を喉の奥に引き込むような感じにしておいて すべての音声を発音するアメリカ英語の場合、単に「ル」と言うだけで、それがRの発音になっているのです。

‟舌先をそり返すようにしなさい”とか、‟Rを発音する前に小さく「ウ」を入れなさい”というような説明はいらないのです。

単に「ル」と言うだけで、舌はどこにも触れず (舌はどこにも触れることができず) 、舌の後部が盛り上がり、舌先は一瞬ピクリという感じで 上部に動きます。

アメリカ英語の舌にしておいて、right とか round を発音してみて下さい。しっかりとしたアメリカ英語のRの発音を実感することができます。

※ イギリス英語とアメリカ英語では、Rの調音位置が違っています。

日本語の「ラ行」は、舌先というよりも、舌先よりもう少し後部の部位を歯茎に付けておいて、つまり、舌をべったりという感じで歯茎に付けておいて「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」と発音する音です。

LとR、それに「ラ行」の発音の違いについては以上です。






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