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2023/2月の写真

はじめに

年始に北海道鳥見遠征に行ってから写真にはまっている。うまく撮れた写真をnoteにまとめた。

メジロとサクラ

三浦アルプスのハイキングをしていた。森に入る手前、住宅地に流れる長い坂をだらりと登りきった先、小高い丘に立つ団地に一本の桜が咲いていた。まわりの景色も、突き抜ける風の冷たさもまだ晩冬といった雰囲気だったが、それにあらがい、1本の春が立っていた。
近づくとメジロが集まっていたので、メジロと河津桜の組み合わせを試みた。メジロはすばしっこいので、なかなか撮ることが難しい、一方、アングルやポーズをコロコロ変えてくれるので優秀なモデルだとわかった。桜は6分咲きほどで、満開だったらと想像すると悔しさも残るが、自分にしてはうまく撮れたので気に入っている。

カルガモの冒険

ワクチンを受けに行く道すがら、足を止めて、市役所近くの川のカルガモをぼーっと見ていた。カルガモがこんもりと小さくまとまった茂みの中にどんどん突っ込んでいく様がおもしろかった。体がすっぽり入っていて、そのあと顔を出す姿は、好奇心が旺盛な子供のような無邪気さと喜びを感じた。その感じを出すには一枚では伝わらなそうなので、数枚の写真が適しているような気がした。

河川敷のコミミズク

某河川敷にコミミズクが出るので見に行こうとと誘われついていった。コミミズクは年始に北海道の野付半島で観察をしていたが、今回はよりじっくりと観察ができた。何度も目の前を飛んでくれたので、どうにかこっちを向いてる飛翔写真を収められた。
コミミズクを見るまでこんな写真撮れないだろうと思っていたが、実際に飛んでいる姿は、なんとゆっくりと優雅に羽ばたいていることか驚いた。これならそこまでの技量を必要しないことがわかった。
大学の遠い記憶をたどると、飛行機の翼のアスペクト比が高いと滑空性能が高く、なかなか落ちずに長距離滑空することができる。一方、スピードを出すことが難しいといったことを講義で聞いた記憶がある。
コミミズクの翼長はかなり長く、アスペクト比が高い。羽ばたきが少ないことと、ゆったり飛ぶことも教わったものと一致している。姿を見ただけで飛翔まで推測できると良かった。それがほんものの知識というやつだろう。まあ仕方ない。そういった目線でほかの鳥も観察してみようと思う。

加減を知らないエゾリス

リスが好きではない、ただ、嫌いとまでは言えない。タイワンリスにムカつきすぎて、かつてかわいく思っていたリスがまったく可愛く思えなくなった。
北海道出張にいく機会があったので、早朝に公園を散歩したらエゾリスが大量にいた。リスは加減というものをまったく理解していない。多すぎる。うるさすぎる。謙虚がない。慎ましさがない。やかましい。背後をとるな。
ムカついて写真を撮ったら、かわいく思っていないので、かわいく写らなかった。
怖い顔のリスだねと見せたらかわいいと言われてしまった。わけがわからない。お手上げ。

横浜残響

Twitterで写真をあげていたら、大学の友だちにきれいな写真と言われた。あー、なるほど。きれいな写真じゃない写真を撮ろうと誓った。
じゃあきれいじゃない写真ってなんだろう。いろいろ模索をしていた。
その日は新横浜の藤井風のライブに誘われた。友達を待ちすがらぶらついてるとガラスに越しに見える駅のコンコースの人混みとガラスに反射した人混みが同じ位置に重なるように見えるのに気づいた。その空間に過去にいたひとが残り、重なって見えるような気がした。
帰り道は藤井風が残り、頭の中で響いていた。

中央線中津川行

岐阜に1人で出張に向かっていた。問題対応だった。平日の昼間、同じ車両には自分の他に3人ほどしかいなかった。
駅に向かって減速していると、駅に停まっていた車両の窓がぴたりと合う位置に停止した。3窓を通していたからか、むこうの窓がUVカットだったからか、奥に見える景色の色調がフィルターがかっておもしろかった。
欲を言うと通行人がいてくれればもっとおもしろい写真になった気がする。
駅に止まっている時間が長く感じた。電車も時間もゆっくりしていた。

その日に問題は解決しなかった。同じ電車に乗ってそそくさとその日に退散した。名古屋で乗り換えようとすると、新幹線はめずらしく遅延していた。慌ただしいゆったりとした日だった。

パンティ春一番

駅前の川畔の藪にパンティがかかってる。前からかかっていたことは気づいていたが、改めて撮ってみた。
川沿いには住宅地が並んでいるので、そこで外干ししていたのが飛んできたのだろうな、下着を外に干すなら、若者ではないのだろう。しかし、なかなか攻めたパンティだ。この場所にあると回収することもできないのだろう。長い棒で取れるのかもしれないけど、そんな恥ずかしい姿は近所には晒せないだろう。このパンティだけでいろいろ考えるとおもしろい。もしかしたら、落とした人はパンティを眺めている人を近くの家から見ているのかもしれない。

家に帰ると、その日は春一番だったとテレビで知った。
今日はじめてパンティを見る人が、春一番とパンティをシナプスで結びつけて欲しいと願った。

タイル

いつからか、いいタイルを見るたびに写真を撮っている。
きれいなタイルを撮るのは楽しい。けど、タイルがいいというだけの写真になってしまうことがよくある。
今回は道路の脇の柵に夕陽がかかって、幾何学的な影が地面タイルにかかっていた。タイルが持っている構造の対称性、色の対比性を損なわずに、光と影の対称性、対比性の同じ要素を上乗せできた。すでにデザインされたものに自分がさらにアプローチすることもできるのが写真の楽しみのひとつだと感じた。これは良いんじゃなかろうか。なかなか満足感のある写真。

葛西臨海公園駅

鳥を見に葛西臨海公園へ行った帰り、駅へ向かう階段を登ると、対面の高架下がスッと見通せた。
人を入れないで撮りたかったが、時間がないのでそのまま撮った。
撮った写真を見ると人が入っていて良かった。高架下のコンクリの柱と桁の繰り返しの構造の無機的な力強さと硬さと、関係のない人が入ることで生まれる生活感と柔らかさの対比がおもしろい気がする。人が入ることでスケール感もよくなる。色よりも構図と線がわかりやすくしたかったのでモノクロにした。

丹沢根性の木

ひさしぶりに東丹沢を長く歩いた。秦野からヤビツ峠のバスは前日の降雪により、蓑毛止まりだった。
蓑毛からヤビツ峠までの林道を歩き、ヤビツからは塔の台〜二ノ塔〜三ノ塔〜塔ノ岳〜鍋割山〜大倉と回ってきた。東丹沢は厚木方面の街並みの景色と、小田原方面の海と町の景色が楽しめていい。
三ノ塔〜塔ノ岳の道のどこかで、登山道脇にこの木が生えていた。生きているのな死んでるのかわからない木だが、力強さを感じた。力強さを出すには根っこが浮いているのがちゃんと見えていることと、縦構図で画面最大斜めに写すのがいいように思えた。
見返すと雲がちょうどよくかかっていて、それもまた骨太な感じを与えているように思う。

おわりに

書き進めていると次第にエッセイ調になってしまった。写真をまとめたかったのか、エッセイを描きたかったのか、いまやわからない。けっこう書いていて楽しかったので、続編に期待。




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