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世界の法則を知るために-微分・積分とは?⑯積分の計算方法(5)

次の、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分すると、
$${\displaystyle \int{ydx}= \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x+C}$$
となります。
積分定数である$${ C}$$を忘れないようにしましょう。
今回はこの不定積分ではなく、定積分について書きます。
特に定積分の計算は、不定積分ができなければ計算ができません。
不定積分はできることを前提とするので、場合によっては不定積分の計算を読み直してみてください。
今回で最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
定積分の計算についても書きます。
以下では、積分定数を$${ C}$$とします。


定積分

積分には、
$${ \displaystyle \int{y}dx}$$
という不定積分だけではなく、定積分というものもあります。
ここでは、この定積分について書いていきます。
定積分とは、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx}$$
のようなものです。
定積分は、この式のように$${ \int}$$の上下に数字がつきます。
不定積分との違いは、このことだけとなります。
ここで、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx}$$
で$${ \int}$$の、$${ 4}$$のような上の数字を上端、$${ 2}$$のような下の数字を下端と言います。
これら上端、下端はそれぞれじょうたんかたんと読みます。

計算方法

次の、
$${ y=x^2}$$
のとき、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx}$$
のような定積分の計算方法について書きます。
ここで不定積分と同じように
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx}$$
を、
$${ \displaystyle \int_2^4{x^2}dx}$$
と書くことができます。
この定積分の計算は、
$${ \displaystyle \int{x^2}dx=\dfrac{1}{3}x^3+C}$$
のように、まずは不定積分を求めます。
この式に上端下端をそれぞれ代入して、
$${ \dfrac{1}{3}×4^3+C=\dfrac{64}{3}+C}$$

$${ \dfrac{1}{3}×2^3+C=\dfrac{8}{3}+C}$$
を求めます。
これらを使い、
 上端を代入した式$${ -}$$下端を代入した式
を計算して、
$${ \left( \dfrac{64}{3} +C \right)-\left( \dfrac{8}{3}+C \right)}$$
$${=\left( \dfrac{64}{3} - \dfrac{8}{3} \right)+\left( C-C \right)= \dfrac{56}{3}}$$
となります。
これらから、
$${ \displaystyle \int_2^4{x^2}dx=\dfrac{56}{3}}$$
となります。
ここで、この式から答えに積分定数が無いことがわかります。
これは計算の途中で、
$${ C-C=0}$$
となるため、積分定数が無くなります
このため定積分の計算をする場合、不定積分をするときに、
$${ \displaystyle \int{x^2}dx=\dfrac{1}{3}x^3}$$
のようにして、積分定数が無いときを考えます。
これらから基本的な定積分の計算の流れは、

  1. 不定積分をする

  2. 上端を代入した式$${ -}$$下端を代入した式を計算する

となります。
このように定積分の計算は、不定積分をした後に上端と下端を代入して引き算をするとなるので、定積分の計算をするには不定積分の計算ができるようになる必要があります。

途中計算の書き方

定積分の計算には、特徴的な途中計算の書き方があります。
この書き方を、
$${ \displaystyle \int_2^4{x^2}dx}$$
定積分を使って紹介します。
この定積分では不定積分をした後
$${ \displaystyle \int_2^4{x^2}dx=\left[ \dfrac{1}{3}x^3\right]_2^4}$$
のように書きます。
この式のように、不定積分をした式を$${ [  ]}$$の中に書きます。
また、この$${ [ ]}$$の右上に上端右下に下端を書きます。
このとき、積分定数を書かないことに注意しましょう。
この書き方は、数学でよく使います
このことを使うと定積分は、
$${ \displaystyle \int_2^4{x^2}dx=\left[ \dfrac{1}{3}x^3\right]_2^4=\dfrac{64}{3}-\dfrac{8}{3}=\dfrac{56}{3}}$$
のように、普通は計算していきます。

計算例

最終目標としていた次の、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
のとき、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx}$$
定積分の計算をしてみましょう。
このとき、$${ y}$$を$${ x}$$で不定積分すると、
$${\displaystyle \int{ydx}= \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x+C}$$
となるので、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx=\left[ \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x \right]_2^4}$$
となります。
このとき$${ \left[  \right]}$$を使った書き方をしていること、積分定数が無いことに注意しましょう。
この後の計算は、上端を代入した式から下端を代入した式引いて
$${\left[ \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x \right]_2^4}$$
$${=\left( \dfrac{1}{2}×4^{4}-4^{3}+2×4^{2}-5×4 \right)}$$
 $${-\left( \dfrac{1}{2}×2^{4}-2^{3}+2×2^{2}-5×2 \right)}$$
$${=76-2=74}$$
となります。
これらから、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx=74}$$
となります。

まとめ

今回は、定積分の記号や計算方法について書きました。
また最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
定積分の計算として、
$${ \displaystyle \int_2^4{y}dx=74}$$
となることについても書きました。
特に定積分の計算は、不定積分をした結果に上端と下端を代入して計算します。
このため定積分の計算をするには、不定積分を計算できなければなりません。

次回は、定積分の計算結果の値何を表しているかについて書きます。
また、このことに関して具体例を使った確認についても書きます。


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