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世界の法則を知るために-微分・積分とは?-⑥微分の計算方法(1)

微分・積分を使うと、それぞれかなり小さな変化・いろいろな面積を求めることができます。
また微分・積分はグラフで考える横幅をゼロに限りなく近づけると考えるという考え方を使います。
微分でこれらの考え方を使い、どのようにしてかなり小さな変化を求めるのかについて書きます。
具体的に、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
の微分ができるようになることを最終目標とします。
このため今回は、今後の解説のために使う数学の用語を解説します。
また中二を対象としているため、今後の解説のために使う中三で学ぶ内容の解説もします。

以下ではグラフを使います。
ここでは横軸を$${ x}$$縦軸を$${ y}$$とします。

今回の内容は、すでに理解している場合は読み飛ばして良いと思います。
目次を参考に、各自わからない場合は読んでいただければと思います。


数学用語

ここでは、この後に使用する多項式係数定数と変数について解説をします。
これらの解説のため、
$${ 2x^3-3x^2+4x-5}$$
について考えます。

次の式、
$${ 2x^3-3x^2+4x-5}$$
について考えます。
この式で、プラスまたはマイナスで区切ると、
$${ 2x^3,-3x^2,4x,-5}$$
となります。
これら1つ1つをと言います。

多項式

次の式、
$${ 2x^3-3x^2+4x-5}$$
に分けると、
$${ 2x^3,-3x^2,4x,-5}$$
となります。
これら複数の項を足した
$${ 2x^3-3x^2+4x-5}$$
のような式を多項式と言います。

係数

次の式、
$${ 2x^3-3x^2+4x-5}$$
1つの項
$${ 2x^3}$$
を考えます。
これは、
数字$${ \times}$$文字
という形になっています。
このとき、数字の部分係数と言います。
しかし、数字だけではなく文字が係数となる場合があります。
次の、
$${ ax}$$
の場合を考えてみましょう。
これは、
文字$${ \times}$$文字
という形になっています。
ここで$${ x}$$に注目してみると、
$${ ax}$$
は、
$${ x}$$以外の文字$${ \times x}$$
という形になっています。
このとき、$${ x}$$以外の部分係数と言います。
つまり、
$${ ax}$$
の場合、$${ x}$$の係数は$${ a}$$と言います。
特に複数の文字がある場合、注目する文字に対し$${ x}$$の係数はというように言います。
係数は1つの項を考えたときある文字に注目した場合の注目した文字以外となります。

定数と変数

微分の計算では、変数と定数を区別することが重要になります。
ここでは、変数・定数について解説します。
変数・定数を文字通り考えてみましょう。
変数とは変化する数のことで、定数とは一定の数のことです。
これら定数と変数は、両方ともよく文字を使って表すので見た目は同じです。
しかし、定数と変数では大きく違います
ある状況を考えたとき、定数は一度ある数に決めると、そのままの数字になります。
変数はいろいろな数に変化させたいものです。
これらの違いを$${ a}$$を定数として、
$${y=ax}$$
のグラフを書く場合で考えてみましょう。
このグラフは、

黒線のようになります。
基本的には、変数はグラフの縦軸か横軸のこと、定数はこれら以外と考えれば良いでしょう。

中三の内容

微分の解説のため、中三で学ぶ内容も扱います。
今回は、多項式の掛け算と二次関数を少し扱うため、これらの解説をします。
ここでの解説は、中三で学ぶ内容の一部で、今後の解説の理解ができる範囲の内容とします。

多項式の掛け算

ここでは、
$${ (a+b)(c+d)}$$
計算方法を解説します。
まず、
$${ 2(3x+4)}$$
の計算方法を解説します。
これは分配法則を使って、
$${ 2(3x+4)=2 \times 3x+2 \times 4=6x+8}$$
と計算します。
次に、
$${ (x+2)(3x+4)}$$
の計算を考えてみましょう。
この計算をするため、
$${ A=x+2}$$
とすると、
$${ (x+2)(3x+4)=A(3x+4)}$$
となります。
これは、
$${ 2(3x+4)=2 \times 3x+2 \times 4=6x+8}$$
と同じように、分配法則を使って、
$${ A(3x+4)=A \times 3x+A \times 4=3xA+4A}$$
となります。
この式で、
$${ A=x+2}$$
なので、
$${ 3xA+4A=3x(x+2)+4(x+2)}$$
となり、また分配法則を使って、
$${ 3x(x+2)+4(x+2)}$$
$${=3x \times x+3x \times 2+4 \times x+4 \times 2}$$
$${=3x^2+6x+4x+8}$$
$${=3x^2+10x+8}$$
となります。
これらより、
$${ (x+2)(3x+4)=3x^2+10x+8}$$
となります。
次の、
$${ (a+b)(c+d)}$$
同じように計算すると、
$${ (a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd}$$
となります。

二次関数

次の、
$${ y=2x^2}$$
のグラフを書いてみましょう。
グラフを書くため、
$${ x=-2,-1,0,1,2}$$
のときの$${ y}$$の値を求めてみましょう。
$${ x=-2,-1,0,1,2}$$を$${ y=2x^2}$$に代入すると、
$${ y=8,2,0,2,8}$$
となります。
つまり$${ y=2x^2}$$は、
$${ (-2,8),(-1,2),(0,0),(1,2),(2,8)}$$
の座標を通るグラフとなります。
これらの座標を書くと、

となります。
これらの座標を通るグラフを書くと、

となります。
また、$${ y=-2x^2}$$のグラフを同じようにして書くと、

のようになります。
このグラフの形は、ボールを斜め上の方向に投げたときの軌道と同じになります。
このことから$${ y=2x^2,y=-2x^2}$$のような式のグラフを、放物線と呼びます。

まとめ

今回は、この後に使用する数学用語として多項式係数定数と変数について解説をしました。
また、中三で学ぶ内容として、多項式の掛け算二次関数について解説をしました。
今後は、これらの内容はわかっているものとして解説をしていきます。
もし、わからなければここを読み直してみてください。


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