見出し画像

乗法公式を使いこなそう④基本形の乗法公式の分類-3種類の分類と理由-

基本形の乗法公式は、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
となります。
これらを使った因数分解の計算
$${x^2-49}$$
$${x^2+5x+6}$$
$${x^2-6x+9}$$
をできますか?
これらの答えは、
$${x^2-49=(x+7)(x-7)}$$
$${x^2+5x+6=(x+2)(x+3)}$$
$${x^2-6x+9=(x-3)^2}$$
となります。
これらの計算は、すでに習った場合は全員ができるような内容でしょう。
また、できなければならない内容です。
では、これらのような因数分解の計算をするとき、どの基本形の乗法公式を使うことができるか、わかりますか
このことは、基本形の乗法公式をある3種類の理由で分類すると、わかりやすくなると思います。
この分類により、因数分解の計算をするとき、文字を多く含む場合等の複雑な式でも計算しやすくなると思います。
今回は、この3種類の分類と理由について解説をします。

基本形の乗法公式の分類

基本形の乗法公式、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
は、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
と、
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
に分けることができます。
以下では、この分け方を分類1と呼びます。
また、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
と、
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
に分けることができます。
以下では、この分け方を分類2と呼びます。
最後に、
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
と、
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
に分けることができます。
以下では、この分け方を分類3と呼びます。
では、これらの分類1,分類2,分類3は、どのような理由で分類したかわかりますか?
これらは全て、右辺の形により分類しています。
では、3種類の分類と理由について解説します。

分類1

基本形の乗法公式は、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
と、
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
に分けることができます。
どのような理由で分類したか、わかりますか?
これは簡単だと思います。
この理由は、右辺の$${ x}$$を含む項が有るか無いかで分類しています。
つまり右辺の$${ x}$$を含む項が、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
有る
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
無いとなっています。

分類2

基本形の乗法公式は、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
と、
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
に分けることができます。
どのような理由で分類したか、わかりますか?
これは簡単ではないかもしれません。
この理由は、右辺の定数項が2乗した数になっているかいないかで分類しています。
つまり右辺の定数項が、
$${(x+a)(x+b)=x^2+(a+b)x+ab}$$
2乗した数になっていない
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
$${ (x+a)(x-a)=x^2-a^2}$$
2乗した数になっているとなっています。

分類3

基本形の乗法公式は、
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
と、
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
に分けることができます。
どのような理由で分類したか、わかりますか?
これは簡単すぎるかと思います。
この理由は、右辺の$${ x}$$の係数の符合がプラスかマイナスかです。
つまり右辺の$${ x}$$の係数の符合が、
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
プラス
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
マイナスとなっています。
これは、他の分類とは少し違うと思います。
この分類3を書いた理由の1つは、
$${ (x+a)^2=x^2+2ax+a^2}$$
と、
$${ (x-a)^2=x^2-2ax+a^2}$$
は、左辺の$${ a}$$の符合と右辺の$${ x}$$の係数の符合が違うだけなので、これら2つの式
$${ (x \pm a)^2=x^2 \pm 2ax+a^2}$$
1つの式にまとめて書きたいからです。

まとめ

今回は、基本形の乗法公式の3種類の分類と理由について書きました。
これらの分類を意識すると、因数分解がやりやすくなると思います。
特に、因数分解の計算をするとき、文字を多く含む場合等の複雑な式でも計算しやすくなると思います。
また分類2のことを考えると、2乗した数を覚えた方が良いと思います。
できれば$${ 15}$$まで、最低でも$${ 13}$$までは覚えましょう。
特に$${ 13}$$は覚えた方が良いでしょう。
この理由は、$${ 13}$$が素数だからです。
もし$${ 14^2=196}$$を覚えていなかったとしても、素因数分解をすれば、$${ 196}$$が$${ 14^2}$$とわかるでしょう。
しかし、$${ 13^2=169}$$を覚えていなかった場合、素因数分解をしたとしても、$${ 169}$$は$${ 13}$$でしか割ることができないため、$${ 169}$$が$${ 13^2}$$と気づかないと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?