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世界の法則を知るために-微分・積分とは?⑫積分の計算方法(1)

前回までで、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
のような多項式について、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分する
と、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=6x^2-6x+4}$$
となることがわかりました。
今回から、積分の計算方法について書きます。
積分には、不定積分定積分と呼ばれる2種類あります。
まずは、この不定積分について書いていきます。
不定積分を理解するためには、微分の計算ができる必要があります。
今回以降は、多項式の微分はできることを前提とするので、場合によっては微分の計算を読み直してみてください。
最終目標としては、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分、定積分の計算ができることとします。


不定積分と定積分

積分には、不定積分定積分2種類あります。
一言で表すと不定積分は微分の逆の計算定積分はいろいろな面積を求める計算となります。
この定積分をするには、不定積分の計算ができるようになる必要があります。
また不定積分をするには、逆の計算とは何かを理解する必要があります。
つまり、定積分でいろいろな面積を求めるには、逆の計算とは何かを理解する必要があります。
このことから、まず逆の計算とは何かから書いていきます。

逆の計算

逆の計算とは何かということを、足し算を例に解説します。
$${7+5=12 }$$
という計算を考えてみましょう。
この計算で、間違いがないか確認するために、
$${ 12-5=7}$$
という計算をしたことがあると思います。
このような計算が逆の計算です。
これらを図で表すことを考えます。
この、
$${7+5=12 }$$
は、
$${ 7}$$を$${ 5}$$で足し算をすると$${ 12}$$となる
ということを表しています。
このことを、

$${ 7\xrightarrow[]{5で足し算をする}12}$$

と表すことにします。
これに逆の計算を追加することを考えます。
このとき逆の計算は、

  • 逆向きの矢印を使う

  • 足し算をすることを逆の計算に変える

ということを追加し、

$${ 7\xtofrom[5で引き算をする]{5で足し算をする}12}$$

と表すことにします。
この足し算のとき、逆の計算引き算になります。
ここで、逆の計算で間違いがないか確認するときは、
$${7+5=12 }$$
の計算結果である$${ 12}$$、さらに$${ 5}$$を使って逆の計算をすると、$${ 7}$$という計算前の数字に戻ります
このことを利用して、計算の確認ができます。
この、

$${ 7\xtofrom[5で引き算]{5で足し算}12}$$

のような表し方を使い、不定積分とはどのような計算か考えていきます。

不定積分

次の、

$${ 7\xtofrom[5で引き算をする]{5で足し算をする}12}$$

を、微分の場合で考えてみましょう。
微分は、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分をすると$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$となる
となります。
このとき、
$${7+5=12 }$$
を、

$${ 7\xrightarrow[]{5で足し算をする}12}$$

と表したときと同じようにすると、

$${\displaystyle  y \xrightarrow[]{xで微分をする} \dfrac{ d y}{ d x}}$$

となります。
これに逆の計算を追加することを考えてみましょう。
このとき、

  • 逆向きの矢印を使う

  • 微分をすることを逆の計算に変える

とすれば良いので、

$${ \displaystyle  y \xtofrom[xで不定積分をする]{xで微分をする} \dfrac{ d y}{ d x}}$$

となります。
ここで、微分をするの逆の計算不定積分をするとしています。
つまり不定積分は、

$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x} \xrightarrow[]{xで不定積分をする} y}$$

となります。
これは、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$を$${ x}$$で不定積分すると$${ y}$$となる
ということを表しています。

不定積分の記号

微分と同じように、不定積分にも数式で表すための記号があります。
微分の場合は、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分をする
を、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$
と数式で表します。
不定積分の場合は、
$${ y}$$を$${ x}$$で不定積分をする
を、
$${\displaystyle \int{ydx}}$$
と数式で表します。
この式で$${ \int}$$はインテグラルと読み、不定積分することを表しています。
また$${ dx}$$の$${ x}$$は、不定積分の計算をどの文字でするかを表しています。
このことは微分の記号
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$
にある$${ dx}$$と同じになります。
ここで微分の場合
$${ y}$$を$${ x}$$で微分をする
を、
微分する
と言うことと同じように不定積分の場合
$${ y}$$を$${ x}$$で不定積分をする
を、
不定積分する
と言うこともできます。
また微分の場合
$${ y=x^3+5x}$$
のとき、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}(x^3+5x)}$$
と表すことと同じように不定積分の場合
$${\displaystyle \int{(x^3+5x)dx}}$$
のように表すこともできます。

まとめ

今回は、不定積分定積分という2種類の積分のうち、微分の逆の計算である不定積分とは何かについて書きました。
この微分と不定積分の関係は、

$${ \displaystyle  y \xtofrom[xで不定積分をする]{xで微分をする} \dfrac{ d y}{ d x}}$$

のように表すことができます。
また、
$${ y=x^3+5x}$$
を、
$${ y}$$を$${ x}$$で不定積分する、不定積分する
ことを、
$${\displaystyle \int{ydx}, \int{(x^3+5x)dx}}$$
のように、インテグラルと読む$${ \int}$$を使って数式で表します。
次回は具体例として、
$${ y=x^2,y=1}$$
のような$${y}$$が二次式定数の場合の不定積分をします。
このときに、不定積分は微分の逆の計算であることを使います。
特に、逆の計算とは何かを理解しておきましょう。


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