見出し画像

世界の法則を知るために-微分・積分とは?積分の応用例(1)

積分により、いろいろな面積を求めることができます。
このいろいろな面積を求められることから、例えば等速直線運動ではなく、速さがいろいろな変化をする場合の距離を求められます。
この例のように積分は、物理で使われることがありますが、積分を利用すると他にも求められるものがあります。
この積分の応用例では積分を利用した他の求められるものの例として、回転体の体積の求め方について解説します。
また、回転体の体積の求め方具体例として円柱円錐体積を求めます。
特に球の体積公式を覚えただけで、なぜ公式のようになるかわからないと思います。
また、球の体積と表面積微分積分深い関係があり、このことを使うと球の表面積を求めることもできます。
これらから積分の応用例の最終目標は、球の体積と表面積の公式を求めることとします。


復習

ここでは回転体とは何か積分の考え方復習をします。
これらは、回転体の体積を求めるため必要な内容となります。

回転体

次の、

黒線のようなある関数$${ y}$$青色部分のようなある関数$${ y}$$と$${ x}$$軸で囲まれた部分の、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲を考えます。
この黒線ある関数$${ y}$$は、真横の直線を表しています。
また青色部分を、$${ x}$$軸のまわりに一回転させる円柱になります。
このように、青色部分のようなある関数$${ y}$$と$${ x}$$軸で囲まれた部分の、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲ある直線のまわりに一回転させてできた立体回転体と言い、この回転体の体積を考えます。
以下ではグラフの、黒線ある関数$${ y}$$とします。
また青色部分は、黒線と$${ x}$$軸で囲まれた部分の、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲とします。

積分の考え方

積分の考え方復習のため次の、

青色部分面積を考えます。
積分では青色部分を、

のように赤い長方形で分割し、赤い点線間の距離のような横幅$${ \Delta x}$$を、
ゼロに限りなく近づけたとき
を考えると、赤い長方形の面積青色部分の面積同じになります。
この青色部分の面積は、
$${\displaystyle \int_a^b{ydx}}$$
のように定積分を使った式で表すことができます。
この定積分の式は、ある関数$${ y}$$と$${ x}$$軸囲まれた部分を表しているため、
$${\displaystyle \int_a^b{\boxed{y}d\boxed{x}}}$$
四角で囲んだ部分となっています。
また、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲面積となるため、
$${\displaystyle \int_{\boxed{a}}^{\boxed{b}}{yd\boxed{x}}}$$
四角で囲んだ部分となっています。

回転体の体積の求め方

回転体の体積の求め方解説するため、定積分の式他の見方について解説をします。
このこと復習の内容を使って、回転体の体積の求め方解説をします。
以下でもグラフの、黒線ある関数$${ y}$$とします。
また青色部分は、黒線と$${ x}$$軸で囲まれた部分の、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲とします

他の見方

定積分の式
$${\displaystyle \int_a^b{ydx}}$$
見方を変えてみましょう。
次の、

青色部分を、

のように赤い長方形に分割して、青色部分の面積を考えます。
ここで、赤い点線間の距離である横幅赤い長方形の横の長さで、これを$${ \Delta x}$$とします。
このとき、

のように、赤い長方形の1つ抜き出し、この面積を考えます。
この赤い長方形縦の長さは$${ y}$$となり、横の長さは$${\Delta x}$$なので、この長方形の面積は、
$${y \Delta x}$$
となります。
ここで横の長さである$${\Delta x}$$を、
ゼロに限りなく近づけたとき
を考えると、
$${y dx}$$
のように、$${\Delta}$$を$${d}$$に置き換えることができます。
また、

のように青色部分の面積は、分割した赤い長方形の面積を、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲全てを足すので、
$${y dx}$$
に、
$${\displaystyle \int_a^b}$$
書き加える定積分の式
$${\displaystyle \int_a^b{ydx}}$$
となります。
この後に上端下端である$${ a,b}$$が、
$${\displaystyle \int_a^b{yd\boxed{x}}}$$
四角で囲んだ部分の文字の範囲となっているか確認をします。
これは、$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲になるから、
$${\displaystyle \int_a^b}$$
書き加えるだけと考えていると、$${ a,b}$$が$${ x}$$以外の範囲のとき、
$${\displaystyle \int_a^b{ydx}}$$
として間違いとなる場合があります。
今回の定積分の式
$${\displaystyle \int_a^b{ydx}}$$
は、$${ a,b}$$が$${ x}$$の範囲のときなので、正しい式となります。

体積の求め方

次の、

青色部分を、$${ x}$$軸のまわりに一回転させた回転体の体積を考えてみましょう。
このとき青色部分を、

のように赤い長方形分割します。
ここで、

のように、赤い長方形の1つを抜き出して考えます。
この赤い長方形を、$${ x}$$軸のまわりに一回転させると、

  • 底面の半径が$${ y}$$

  • 高さが$${ \Delta x}$$

円柱となります。
この円柱の体積は、
$${ \pi × y^2 × \Delta x=\pi y^2 \Delta x}$$
となります。
ここで、円柱の高さである$${ \Delta x}$$を、
ゼロに限りなく近づけたとき
を考えると、
$${ \pi y^2 d x}$$
となります。
また、

青色部分$${ x}$$軸のまわりに一回転させた回転体の体積は、分割した赤い長方形$${ x}$$軸のまわりに一回転させた回転体の体積を、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲全てを足したものとなるので、
$${ \pi y^2 d x}$$
に、
$${\displaystyle \int_a^b}$$
書き加えると、
$${\displaystyle \int_a^b{\pi y^2 dx}}$$
となります。
この式が、青色部分$${ x}$$軸のまわりに一回転させた回転体の体積を求める式となります。
この式の確認をしましょう。
この式では上端下端である$${ a,b}$$が、
$${\displaystyle \int_a^b{\pi y^2 d\boxed{x}}}$$
四角で囲んだ部分の文字である$${ x}$$の範囲となっているので、この式が正しいことがわかります。

まとめ

今回は回転体積分の考え方復習をし、定積分の式他の見方から、積分の応用例として回転体の体積の求め方について解説をしました。
ある関数$${ y}$$と$${ x}$$軸で囲まれた部分の、$${ x}$$が$${ a}$$から$${ b}$$までの範囲を、$${ x}$$軸のまわりに一回転させた回転体体積を$${ V}$$とすると、
$${\displaystyle V=\int_a^b{\pi y^2 dx}}$$
となり、定積分を使って回転体の体積を求めることができます。
次回は具体例として、
$${\displaystyle V=\int_a^b{\pi y^2 dx}}$$
を使って円柱円錐体積を求めます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?