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世界の法則を知るために-微分・積分とは?-④微分の考え方

微分・積分を使うと、それぞれかなり小さな変化・いろいろな面積を求めることができます。
ここでは、微分はどのような考え方をして、かなり小さな変化を求めるのかについて書きます。


グラフによる変化の考え方

微分により、かなり小さな変化を求めることができます。
まずは、この変化とはグラフではどのように表すことができるか考えてみましょう。
次の、

のように、青い点を赤い点の場所まで動かした場合を考えてみましょう。
以下では、この青い点を動かすとき必ず黒線上を動くとします。
また、

のように、グラフに直角三角形を作ります。
この2本の縦の赤線間の距離は、変化をしたときの横幅となります。
変化を考えるとき、

  • 青い点が黒線上を動くこと

  • 2本の縦の赤線間の距離である横幅

が重要になります。
以下では、2本の縦の赤い点線間の距離を横幅と言います。
このように考えた場合、かなり小さな変化とは、

のように青い点は少しだけ動き、青い点と赤い点がほとんど重なっているような場合となります。
また、横幅が見えないぐらい短くなっています
つまり、微分のためかなり小さな変化を考えるとき、

  • 青い点と赤い点がほとんど重なっている

  • 横幅が見えないぐらい短い場合

を考えることになります。
このとき、ほとんど見えないぐらいのように表現していますが、あいまいな表現となっています。
もし、横幅が見えないぐらい短いというだけでは、ある人は$${ 1}$$mmぐらいと考えるかもしれませんし、他の人は$${ 0.1}$$mmや$${ 0.0001}$$mmぐらいと考えるかもしれません。
つまり、あいまいな表現のままだと、1つに決まりません
このため微分では、具体的にはどのような場合なのかを考えてみましょう。

微分の考え方

次の、

のように、青い点が黒線上を動き赤い点の場所まで動いた場合を考えます。
ここでも青い点を動かすとき、必ず黒線上を動くとします。
微分を考えるとき、

のように青い点と赤い点がほとんど重なっている横幅が見えないぐらい短い場合を考えることになります。
では、これらは具体的にどのような場合なのか、考えてみましょう。
この場合を考えるため、赤い点を青い点にどんどん近づけていきます
つまりグラフで考えると、

のような場合から、

のように、赤い点を青い点に近づけていき、

のように、青い点と赤い点がほとんど重なっている、横幅が見えないぐらい短くなるように近づけていきます
このとき、具体的にどこまで近づけるかを数学では横幅を
ゼロに限りなく近づけたとき
と表現します。
つまり、微分を使ってかなり小さな変化を求めるとき横幅を、
ゼロに限りなく近づけたとき
を考えます。
このとき、かなり小さな変化をしたときを考えるので、
横幅$${=0}$$
とすればよいと考えるかもしれません。
しかし、この場合は青い点と赤い点が重なっている場合となってしまいます。
また正確には、
横幅$${=0}$$
ということは、変化していないときとなります。
今、考えているかなり小さな変化とは、横幅は何万分の$${ 1mm}$$・何億分の$${ 1mm}$$などのように、変化はしています。
かなり小さいが、変化はしています
この例のようにかなり小さな変化とは、横幅はほとんどゼロと同じなので、ゼロとしていいと思うかもしれませんが、正確にはゼロではありません
以前の瞬間の速さのような、かなり小さな変化を考えるとき、
時間の経過はゼロとなり、ゼロで割ることになり、計算できないため、微分が必要になる
と書きました。
このときは、正確さよりイメージしやすいように、時間の経過はゼロとするとしました。
しかし、この場合も正確には時間の経過はゼロではありません。
正確には時間の経過を、
ゼロに限りなく近づけたとき
となります。

まとめ

今回は、微分はどのような考え方をして、かなり小さな変化を求めるのかについて書きました。
この考え方というのは、まず変化をグラフで考えます
このとき変化をしたときの横幅を、
ゼロに限りなく近づけたとき
を考えます。
特に、このゼロに限りなく近づけるは、重要な考え方になります。
難しい考え方かもしれませんが、微分を考えるとき必要になる考え方となります。
また変化をグラフで考えるため、数学的には関数の知識が必要になります。
次回は、積分の考え方について書きます。
積分でも微分と同じように、グラフで考えること、横幅をゼロに限りなく近づけるという考えを使います。

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