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世界の法則を知るために-微分・積分とは?-⑪微分の計算方法(6)

微分は$${ n=2,3,4, \cdots}$$、$${ a}$$を定数とした場合、
$${ y=x^n}$$
のときは微分の公式を使い、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=nx^{n-1}}$$
となり、
$${ y=x}$$
のような一次式のとき、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=1}$$
となり、
$${ y=a}$$
のような定数のとき、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=0}$$
となります。
今回は最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
微分をします。
この微分簡単に計算するには、微分の法則を使います。
このため、今回は暇分の法則紹介をします。
この微分について書くために、今までとは違う微分の表記を使いたいので、このことも紹介します。
また、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$
言い表し方についても紹介します。


表記法

まず、この後に使いたい微分の表記法を紹介します。
次の、
$${ y=x^2}$$
微分は、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=2x}$$
表記しています。
微分の表記法には、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}x^2=2x}$$
のようなものもあります。
これは、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$
という記号で、
$${ y=x^2}$$
なので、$${ y}$$を$${ x^2}$$と置き換えた表記法となります。
これは微分したい関数が、
$${ x^2+5x}$$
のように、
$${ y=}$$
という形になっていないときに、使う場合があります。

多項式の微分

関数の形が多項式である、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
微分を考えてみましょう。
この式は、
$${ y=x^n}$$
のような形ではないので、微分の公式を使えません
このため、まず変化の割合を求めてみましょう。
変化の割合を求めるため、
$${ x_1=x,x_2=x+\Delta x}$$
としてグラフの式に代入して、
$${ y_2-y_1}$$
を求めてみましょう。
グラフの式は、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
なので、
$${ y_1=2x^3-3x^2+4x-5}$$
$${ y_2=2(x+\Delta x)^3-3(x+\Delta x)^2}$$
   $${+4(x+\Delta x)-5}$$
となります。
これらから、
$${ y_2-y_1}$$
を計算することになります。
多項式の場合、これらのように複雑な計算となります。
このため多項式の微分は、次に紹介をする微分の法則を使って、簡単に計算します。

微分の法則

次の、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
の関数を、どのようにして微分をするか紹介します。
この関数と、
$${y=x^n}$$
のような、微分の公式を使うことができる関数の形の違い具体的に、

  1. 多項式になっている

  2. 各項に係数がある

という2点あります。
これらのような場合は、バラバラにして考えます。
このバラバラにして考えるをキーワードとして、

  1. $${ y=2x^3-3x^2}$$の場合

  2. $${ y=2x^3}$$の場合

の順に、どのようにして微分をするか紹介します。
これらの後に具体例として、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
微分をしてみましょう。

法則1

次の、
$${ y=2x^3-3x^2}$$
の場合、どのようにして微分をするか紹介します。
この場合、
$${2x^3-3x^2}$$
を$${ 2x^3}$$と$${ -3x^2}$$のように、項ごとにバラバラに考えます。
つまり、
$${2x^3-3x^2}$$
を微分するには、
$${2x^3,-3x^2}$$
という各項を微分してから足せば良いとなります。

法則2

次の、
$${ y=2x^3}$$
の場合、どのようにして微分をするか紹介します。
この場合、$${ 2x^3}$$を$${ 2}$$と$${ x^3}$$のように、係数と変数をバラバラに考えます。
つまり、
$${ 2x^3}$$
を微分するには、
$${ x^3}$$
という変数部分を微分してから係数を掛ければ良いとなります。

具体例

具体例として最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
微分をしてみましょう。
このような多項式の微分をするには法則1から、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
を、
$${ 2x^3,-3x^2,4x,-5}$$
のように項ごとにバラバラに考えます。
これらの各項を微分してから足します
次に、
$${ 2x^3,-3x^2,4x,-5}$$
という各項法則2から、
$${ 2x^3}$$を$${ 2}$$と$${ x^3}$$
$${ -3x^2}$$を$${-3}$$と$${ x^2}$$
$${ 4x}$$を$${ 4}$$と$${ x}$$
のように、係数と変数をバラバラに考えます。
これらの変数部分
$${ x^3,x^2}$$
の微分は、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=nx^{n-1}}$$
微分の公式を使って、
$${ 3x^2,2x}$$
となります。
また、$${ x}$$は一次式なので微分すると$${ 1}$$、$${ -5}$$は定数なので微分すると$${ 0}$$となります。
これらに係数部分を掛けて、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}2x^3=2×3x^2=6x^2}$$

$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}(-3x^2)=-3×2x=-6x}$$

$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}4x=4×1=4}$$
となります。
これらから各項の微分は、
$${ 6x^2,-6x,4,0}$$
となります。
これらを足して
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
微分は、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=6x^2-6x+4+0=6x^2-6x+4}$$
となります。
ここで、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$
正確には、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分する
ことを表しています。
また、
$${\displaystyle \dfrac{ d}{ d x}}$$
は、
$${ x}$$で微分する
ことを表しています。
しかし、ほとんどの場合は単に微分すると言います。
これら、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分する
と、
微分する
には、どのような違いがあるかの解説のため、
$${ y=ax^3}$$
のように、複数の文字で関数が表された場合を考えてみましょう。
このとき微分すると、法則2微分の公式から、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=a×3x^2=3ax^2}$$
となります。
この場合は、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分する
のほうが、よく使われます
つまり複数の文字がある場合は、どの文字で微分をしたか明確にする場合に、微分するではなく、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分する
のほうをよく使います。
これは難易度が上がり、多数の文字で表された関数の微分を考える場合に必要になってきます。
また積分でも、
$${ y}$$を$${ x}$$で積分する
と、
積分する
と表す場合があり、違いは微分と同じになります。
また、このように微分は変数に対して計算をします。
このため、どれが係数どれが変数かの区別が重要になります。

まとめ

今回は最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
のような多項式の微分をしました。
この微分には項ごとにバラバラに考える係数と変数をバラバラに考えるという微分の法則を使います。
この微分の法則微分の公式により、多項式の微分簡単にできるようになります。
また、
$${ y=x^2}$$
のとき、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=2x}$$
を、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}x^2=2x}$$
のように表記することや、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}}$$
を、
微分する
だけではなく、
$${ y}$$を$${ x}$$で微分する
表すことがあります

今回で、微分の計算方法について終わりとなります。
次回からは、積分の計算方法について解説します。
積分の計算では、微分の計算方法を理解している必要があります。
また微分するだけではなく、$${ y}$$を$${ x}$$で微分すると表すことなども必要となります。
微分と積分は、深いつながりがあります。
このため積分を理解するためには、微分を理解する必要があります。

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