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世界の法則を知るために-微分・積分とは?⑬積分の計算方法(2)

微分と不定積分は逆の計算の関係となり、

$${ \displaystyle  y \xtofrom[xで不定積分をする]{xで微分をする} \dfrac{ d y}{ d x}}$$

のように表すことができます。
また、
$${ y}$$を$${ x}$$で不定積分するを、
$${\displaystyle \int{ydx}}$$
のように数式で表します。
今回は具体例として、
$${ y=x^2,y=1}$$
のような$${y}$$が二次式定数の場合の不定積分について解説します。


不定積分の計算

不定積分の計算は、微分の逆の計算の関係となり、

$${ \displaystyle  y \xtofrom[xで不定積分をする]{xで微分をする} \dfrac{ d y}{ d x}}$$

のように表すことができることを使います。
ここでは、このことを使って不定積分の計算
$${\displaystyle \int{ydx}}$$
を、どのようにするか解説します。
このとき、基本的には計算をして求めるというより、どのような関数が微分すると$${ y}$$に戻るか予測します。
具体例として、
$${ y=x^2,y=1}$$
のような二次式定数の場合の不定積分を求めてみましょう。

二次式の場合

次の、
$${ y=x^2}$$
の場合の不定積分を求めてみましょう。
微分の公式は、
$${ n=2,3,4, \cdots}$$
のとき、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x}=nx^{n-1}}$$
となります。
この微分の公式を使って、どのような関数が微分をすると
$${ y=x^2}$$
戻るか予測してみましょう。
この微分の公式を使って微分の計算をするとき、指数部分は$${ -1}$$となっています。
逆の計算ということを考えると、指数部分は不定積分すると$${ +1}$$となると予測できます。
このことから、
$${ y=x^2}$$
を不定積分すると指数部分は、
$${ 2+1=3}$$
となると予測できます。
このことから、
$${ y=x^2}$$
の不定積分は、
$${\displaystyle \int{ydx}=x^3}$$
となると予測できます。
この式を微分してみると、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}x^3=3x^2}$$
となります。
この結果から、係数の$${ 3}$$があるため間違いとなりますが、もし係数の$${ 3}$$が無ければ良いということがわかります。
このため係数の$${ 3}$$を消すために、
$${\displaystyle \int{ydx}=\dfrac{1}{3}×x^3=\dfrac{1}{3}x^3}$$
のようにすれば良いと予測できます。
この式を微分してみると、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x} \left(\dfrac{1}{3}x^3 \right)=\dfrac{1}{3}×3x^2=x^2}$$
となります。
この計算から微分すると
$${y=x^2}$$
戻る関数がわかりました。
これらから、
$${ y=x^2}$$
の不定積分は、
$${\displaystyle \int{ydx}=\int{x^2dx}=\dfrac{1}{3}x^3}$$
となります。
しかし、これでは間違いとなります。
この間違いの解説のため、
$${ y=3,y=\dfrac{1}{3}x^3+5,y=\dfrac{1}{3}x^3-7}$$
微分をしてみましょう。
これらの微分は、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x} 3=0}$$
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x} \left(\dfrac{1}{3}x^3+5 \right)=x^2}$$
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x} \left(\dfrac{1}{3}x^3-7 \right)=x^2}$$
のようになります。
これらのように、
$${ y=\dfrac{1}{3}x^3+5,y=\dfrac{1}{3}x^3-7}$$
微分をすると、
$${\displaystyle \dfrac{ d y}{ d x} =x^2}$$
のように同じになります。
これは、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x} 3=0}$$
のように、定数を微分すると$${ 0}$$になるため起こります。
つまり$${ C}$$を定数とすると、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x} \left(\dfrac{1}{3}x^3+C \right)=x^2}$$
のように、ある定数を足した関数も、微分をした結果は同じになります。
このため、
$${ y=x^2}$$
不定積分すると、
$${\displaystyle \int{ydx}=\dfrac{1}{3}x^3+C}$$
となります。
この$${ C}$$を積分定数と言います。
以下では、$${ C}$$は積分定数を表しています。
これらのように、微分と不定積分は逆の計算の関係で、似ているものです。
しかし、微分は計算結果が1つだけになりますが、不定積分の計算結果は1つだけになりません
このことが不定積分の大きな特徴となります。
また積分定数は、
$${ y=x^2}$$
を不定積分するときのように、
$${\displaystyle \int{ydx}=\dfrac{1}{3}x^3}$$
戻る関数を予測してから、
$${\displaystyle \int{ydx}=\dfrac{1}{3}x^3+C}$$
のように、最後に足せば良いとなります。

定数の場合

次の、
$${ y=1}$$
の場合の不定積分を求めてみましょう。
この場合は微分をすると、
$${ y=1}$$
となる関数がありました。
次の、
$${\displaystyle \dfrac{ d }{ d x}x=1}$$
のような、
$${ y=x}$$
という一次式の場合となります。
このことから、
$${ y=1}$$
の不定積分は、
$${\displaystyle \int{ydx}=\int{1dx}=x}$$
となります。
ここで不定積分では、
$${\displaystyle \int{1dx}}$$
ではなく、$${ 1x}$$を$${ x}$$と$${ 1}$$を省略して書くことと同じように、
$${\displaystyle \int{dx}}$$
と書きます。
つまり、
$${\displaystyle \int{1dx}=x}$$
ではなく、
$${\displaystyle \int{dx}=x}$$
と書きます。
最後に積分定数を足して
$${ y=1}$$
不定積分は、
$${\displaystyle \int{ydx}=\int{dx}=x+C}$$
となります。

まとめ

今回は、微分と不定積分は逆の計算の関係となることから、具体例としてに$${y}$$が二次式定数の場合の不定積分の計算をしました。
これら、
$${ y=x^2,y=1}$$
を不定積分をすると、
$${\displaystyle \int{x^2dx}=\dfrac{1}{3}x^3+C}$$
$${\displaystyle \int{dx}=x+C}$$
となり、このとき積分定数である$${ C}$$が必要となります。
積分定数は、微分したら戻る関数を予測してから、最後に足します
積分定数を足すことは、特に忘れやすいので注意しましょう。
積分定数がないだけで、間違いとなります。
次回は、不定積分の公式の紹介をします。
不定積分をするとき、普通は今回のようにはしません。
微分と同じように、不定積分の公式を使います。
しかし、今回のような計算方法も重要になります。
不定積分では、今回のような計算方法を使う場合があります。

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