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世界の法則を知るために-微分・積分とは?⑮積分の計算方法(4)

不定積分の公式から、
$${ n=1,2,3, \cdots}$$
のとき、
$${ y=x^n}$$
不定積分すると、
$${\displaystyle \int{x^n dx}=\dfrac{1}{n+1}x^{n+1}+C}$$
となり、
$${ y=1}$$
のような定数のとき不定積分をすると、
$${\displaystyle \int{dx}=x+C}$$
となります。
このとき積分定数を忘れないようにしましょう。
今回は、不定積分の法則について書きます。
この法則は、微分のときと同じような内容となります。
この法則を使うと最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分ができるようになります。


不定積分の法則

次の、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分を考えてみましょう。
このとき微分の法則と同じように項ごとにバラバラに考える、係数と変数をバラバラに考えるということを使うことができます。
これらから、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分は、
$${ 2x^3,-3x^2,4x,-5}$$
各項を不定積分してから足せば良いとなります。
次に、
$${ 2x^3,-3x^2,4x,-5}$$
という各項は、
$${ 2x^3}$$を$${ 2}$$と$${ x^3}$$
$${ -3x^2}$$を$${-3}$$と$${ x^2}$$
$${ 4x}$$を$${ 4}$$と$${ x}$$
のように、係数と変数をバラバラに考えます。
これらの変数部分
$${ x^3,x^2,x}$$
の不定積分は、
$${\displaystyle \int{x^n dx}=\dfrac{1}{n+1}x^{n+1}+C}$$
不定積分の公式を使って、
$${\displaystyle \int{x^3 dx}=\dfrac{1}{4}x^{4}+C_1}$$
$${\displaystyle \int{x^2 dx}=\dfrac{1}{3}x^{3}+C_2}$$
$${\displaystyle \int{x dx}=\dfrac{1}{2}x^{2}+C_3}$$
となります。
ここで$${ C_1,C_2,C_3}$$は、各不定積分の計算をしたときの積分定数を表しています。
これらに係数を掛けて
$${\displaystyle \int{2x^3 dx}}$$
$${=2× \left(\dfrac{1}{4}x^{4}+C_1 \right)}$$
$${=\dfrac{1}{2}x^{4}+2C_1}$$
$${\displaystyle \int{(-3x^2) dx}}$$
$${=-3× \left(\dfrac{1}{3}x^{3}+C_2 \right)}$$
$${=-x^{3}-3C_2}$$
$${\displaystyle \int{4x dx}}$$
$${=4× \left(\dfrac{1}{2}x^{2}+C_3 \right)}$$
$${=2x^{2}+4C_3}$$
となります。
ここで残りの、
$${\displaystyle \int{(-5) dx}}$$
を考えてみましょう。
このときは、
$${ -5=-5×1}$$
と考えます。
このとき積分定数を$${ C_4}$$として、
$${\displaystyle \int{dx}=x+C_4}$$
となり係数を掛けて
$${\displaystyle \int{(-5)dx}=-5×(x+C_4)=-5x-5C_4}$$
となります。
これらから各項の不定積分は、
$${\displaystyle \int{2x^3 dx}=\dfrac{1}{2}x^{4}+2C_1}$$
$${\displaystyle \int{(-3x^2) dx}=-x^{3}-3C_2}$$
$${\displaystyle \int{4x dx}=2x^{2}+4C_3}$$
$${\displaystyle \int{(-5)dx}=-5x-5C_4}$$
となります。
これらを足して
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分は、
$${\displaystyle \int{ydx}}$$
$${= \dfrac{1}{2}x^{4}+2C_1-x^{3}-3C_2}$$
 $${+2x^{2}+4C_3-5x-5C_4}$$
$${=\dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x}$$
 $${+(2C_1-3C_2+4C_3-5C_4)}$$
となります。
ここで、
$${C=2C_1-3C_2+4C_3-5C_4}$$
として、
$${\displaystyle \int{ydx}= \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x+C}$$
のように積分定数1つの文字でまとめ、最終的な計算結果とします。
また最終的にはこのようにするため、
$${\displaystyle \int{2x^3 dx}=\dfrac{1}{2}x^{4}}$$
$${\displaystyle \int{(-3x^2) dx}=-x^{3}}$$
$${\displaystyle \int{4x dx}=2x^{2}}$$
$${\displaystyle \int{(-5)dx}=-5x}$$
のように、各項の不定積分をするときは積分定数のことは考えません
これらを足して、
$${\displaystyle \int{ydx}= \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x}$$
としてから、
$${\displaystyle \int{ydx}= \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x+C}$$
のように最後に積分定数を足して、最終的な計算結果とします。
このとき、このようにして良いのかと思うかもしれません。
ここで積分定数を足す理由は、どんな数でも良い定数を足さなければならないからとなります。
重要なのは、定数であればどんな数でも良いということです。
このことから、最後に積分定数である$${ C}$$を足せば良いとなります。

まとめ

今回は最終目標としていた、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分をしました。
この不定積分をするには微分と同じように項ごとにバラバラに考える係数と変数をバラバラに考えるという不定積分の法則を使います。
この不定積分の法則不定積分の公式により、
$${ y=2x^3-3x^2+4x-5}$$
不定積分は、
$${\displaystyle \int{ydx}= \dfrac{1}{2}x^{4}-x^{3}+2x^{2}-5x+C}$$
となります。
このとき積分定数は、各項の不定積分をするときは考えないで、最後に足すだけで良いことに注意しましょう。

今回で、不定積分の計算方法について終わりとなります。
次回からは、定積分について解説します。
定積分は、記号計算方法が不定積分に似ています。
特に定積分の計算では、不定積分の計算方法を理解している必要があります。
次回からは、不定積分の計算を理解しているとして書いていきます。

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