見出し画像

世界の法則を知るために-微分・積分とは?-⑤積分の考え方

前回は、微分は変化をグラフで考える、横幅をゼロに限りなく近づけると考えるという考え方により、かなり小さな変化を求めると書きました。
今回は、積分はどのような考え方をして、いろいろな面積を求めるのかについて書きます。
今回も、グラフで考える、横幅をゼロに限りなく近づけると考えるという考え方を使います。


いろいろな面積とは何か

積分により、いろいろな面積を求めることができます。
このいろいろな面積とは、複雑な形の面積も含みます。
ここでは、簡単な面積の求め方複雑な形とはどのようなものかについて書きます。

簡単な形の面積

まずは、簡単な形の面積グラフを使って考えてみましょう。
次の、

青色部分の面積を求めてみましょう。
以下では青色部分のような、

  • 赤線で示したグラフ上の線

  • 2本の黒い縦線

  • $${ x}$$軸

囲まれた部分の面積を求めることを考えます。
この場合、赤線はまっすぐな線で、青色部分は長方形なので、面積を求める公式
長方形の面積$${ =}$$縦$${\times }$$横
を使って面積を求められます。
グラフ、

から、長方形の縦の長さは$${ 10}$$、横の長さは$${ 2}$$となるので、
青色部分の面積$${ =10 \times 2=20}$$
と求めることができます。

複雑な形の面積

次に、複雑な形の面積グラフを使って考えてみましょう。
次の、

青色部分の面積を求めてみましょう。
この場合、青色部分は長方形や三角形とは違います
赤線はまっすぐな線ではなく曲がった線となっています。
このようなとき長方形などのように、面積を求める公式はありません
ここで、いろいろな面積を求めることができる積分を使います。
積分を使うと、この赤線のように曲がった線の場合複雑な形の面積も求めることができます。

積分の考え方

次の、

の、赤線のように曲がった線の場合複雑な形となる青色部分の面積を考えてみましょう。
ここでも青色部分のような、赤線で示したグラフ上の線、2本の黒い縦線、$${ x}$$軸で囲まれた部分の面積を求めることを考えます。
このとき、

のように、青色部分を複数の赤い長方形で分割します。
この2本の縦の赤い点線間の距離は、1つの赤い長方形の横の長さとなります。
以下では、この2本の縦の赤い点線間の距離である、1つの赤い長方形の横の長さを、横幅と言います。
また、全ての赤い長方形の面積を赤色部分の面積と言います。
簡単な形の面積と同じように考えると、赤色部分の面積は1つ1つは長方形なので、面積を求めることができます。
ここで、さらに多くの赤い長方形で分割をしてみましょう。
このとき、青色部分・赤色部分の面積横幅に注目してください。
次の、

の青色部分の面積を、

のように、複数の赤い長方形で分割します。
さらに多くの赤い長方形で分割をすると、

のようになります。
これらから、赤い長方形の数を増やしていくと、

  • 青色部分の面積と赤色部分の面積がほとんど同じになる

  • 横幅が見えないぐらい短くなる

ということがわかります。
このときより、さらに赤い長方形の数を増やしていくと、青色部分の面積と赤色部分の面積は同じになります
つまり赤い長方形の数を増やすと、青色部分の面積は赤色部分の面積と同じになります
この場合、横幅はどのような長さになるでしょうか。
この青色部分の面積と赤色部分の面積が同じになるとき横幅は、
ゼロに限りなく近づけたとき
となります。
つまり、積分を使っていろいろな面積を求めるとき横幅を、
ゼロに限りなく近づけたとき
まで複数の赤い長方形の数で分割をした場合を考えます。

まとめ

今回は、積分はどのような考え方をして、いろいろな面積を求めるのかについて書きました。
この考え方というのは、まずグラフの面積を考えます。
このとき、求めたい部分の面積を複数の長方形で分割し横幅を、
ゼロに限りなく近づけたとき
を考えます。
微分と同じように、このゼロに限りなく近づけるは、重要な考え方になります。
難しい考え方かもしれませんが、積分を考えるとき必要になる考え方となります。
またグラフの面積を考えるため、積分も数学的には関数の知識が必要になります。

今回で微分・積分が、どのような考え方をしているかという内容は終わりとなります。
ここまでで微分・積分が、なぜ必要になるのかどのような考え方をするのかが、わかったと思います。
次回から、微分・積分の具体的な計算方法について書きます。
このため、数学の知識が必要になります。
必要な知識は中学二年生レベルで、少しだけ中学三年生レベルを含みます。
特に数学的な話に興味がない場合は、今回で終わりとなります。
次回からは、主に中学生以上が対象になると考えています。
しかし、数学から離れている大人にも読んで欲しいと考えています。

このため、中学で習う内容の解説もしながら書いていきます。
最低限必要な関数の知識は、

  • $${ y=2x,y=-3x}$$のグラフが書くことができる

  • $${ y=2x}$$という式の場合、$${ x=3}$$のとき$${ y}$$座標を$${ y=6}$$と求めることができる

  • $${ A(2,5)}$$があるとき、点$${ A}$$の$${ x}$$座標が$${2}$$、$${ y}$$座標が$${5 }$$であることがわかる

のような内容となります。
これらについて、最後に付録として解説をするかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?